エベレスト街道旅行記8日目(2022/04/25) ナムチェ→ホテルエベレストビュー→クムジュン→クンデ→ナムチェ
ナムチェの夜は思ったほど寒くもなかったです。寒さよりも悪夢で目醒めました。
同じ標高の富士山九合目で寝たときは、呼吸の浅さからくる酸欠と頭痛でなかなか眠れず、痛み止めを飲んでやっと寝れたんですが、そんなこともなかったです。
ここ1週間ずっと高度2500m以上にいるので、高度順応できているんでしょうか。
朝はチベタンブレッドとチベタンティー。チベタンティーはティーとは名ばかりの、ミルクとバターと塩で味付けされたお茶です。気になって飲んでみたのですが、薄いミルクみたいな感じであまりハマりませんでした。
チベタンブレッドはすっかりお気に入りになってしまいました。甘いものが足りてないので、ジャムとハチミツで。揚げパンにジャムとハチミツは罪深いですね。
今日は荷物を置いて、ナムチェの周りをハイキングします。高度順応の仕方として、ある高度に滞在し、登って降りてくるというのがあります。エベレスト街道は標高5000m以上まで行くので、高度順応を怠ると高山病になってしまい、下山を余儀なくされます。そこで頑張ってしまうと、待っているのは肺水腫や脳浮腫、からの死です。
エベレスト街道の登りは、5、6時間で1日の行程を終えることが多いですが、急ぎすぎず徐々に標高を上げていかないといけないからです。高山病のなりやすさは普段の体力は関係ないです。これは体質もありますし、その時の体調にも左右されます。
さて、今日の目的地はナムチェの上に広がるシャンボチェの丘をぐるっと回って見所を見ていくことです。
このコースでも、遠いですがエベレストを拝むことができるので、ここを最終目的としてくる人もいます。
さて、まずはナムチェの裏のジグザグ道を1時間歩きます。
急勾配で全然ハイキングじゃねぇ!!
富士山みたいな単調な道がずっと続きます。自分の経験で言うと神津島の天上山みたいな感じです。
眼下に広がるナムチェがどんどん遠くなっていくことと、振り返るとコンデとタムセルク、クスムカンガルと言った山々が見下ろしているのが若干の良いポイントです。
またしばらく登ると木も減ってきます。ちょうど森林限界がこの辺なのかもしれません。生えていてもそんなに大きな木はなくなってきます。
ある程度上がると上り坂は少し緩やかになって歩きやすくなります。草原と丈の低い木が広がる開放感のある景色です。
ここは奥にシャンボチェ空港があります。今は使われてないそうですが、ほんのり滑走路らしき跡が見えます。
このまま気持ちの良い草原を上がっていきます。ちょうど急な崖の上にこんもり山が乗っているような地形です。
ヌルッと富士山の標高に至り、最高到達地点を更新しました。
遠くに見える建物の裏手に回り、そのまま進むと、ワイドビューのトラバース道になります。
この道は壮大で、エベレストとローツェを正面に見据え、右側に尖った山容が印象的なアマダブラム、左側にはチョラツェとタボチェがみえます。真ん中辺にちょこっと飛び出しているのがエベレストです。
ローツェは世界第4位の山なのですが、意味は「南峰」で、つまりエベレストの南にあるからっていうちょっとかわいそうな名前です。4位なのに。北穂高とか西穂高みたいな感じならまだいいのに。
ここのトラバース道はものすごい谷です。下がとても遠くに見えます。ところどころ入っている線はヤクが草を食べるための道です。6月の雨季になると、ヤクたちの食事のためにここを歩かせるそうです。
この道を進みながら、また草原地帯に出て、ヘリコプターをこえ、
ホテルエベレストビューに到着です。とても高級感がありますが、ここはリゾートホテルで、基本的にはカトマンズからヘリで直行する金持ち向けホテルです。
泊まれない一般人でも、カフェは解放されているのでここでお茶を飲むことができます。
ここでエベレストを見ながらお茶をします。ちょっと高い(と言っても500円くらい)けれど、優雅な時間です。
左にはエベレスト、右にはローツェが見えます。
エベレストビューはネパールに移住した日本人が作っていて、日本語の記載もちらほらあります。割と最近までご存命だったそう。
彼はアコーディオンを弾くらしく写真が飾ってありました。
このトレッカー向けカフェにはピアノが置いてあるので、ストリートピアノ(というよりマウンテンピアノ)をしてる人がいました。
突然紅蓮華を弾かれたので「Demon Slayer!!」って叫んだのに無反応で弾き続けられました。
こんなところでキメハラを受けるとは・・・
そしてこれまたオープンワールドRPGみたいな坂を下るとクムジュンが見えてきます。山を降りると下に村が見えるって冒険っぽくていいですね。
クムジュンはクンビラの麓に広がっている、屋根が全部緑のトキワシティみたいな村です。
ちなみにクンビラは聖なる山なので登ってはいけないそうです。
遠くにストゥーパとアマダブラムが。絶景かな。
ここの名物は、ゴンパ(僧院)にあるイエティの頭皮と呼ばれている毛皮です。クムジュンに来る人は大抵、高度順応に加えてこれを見にきます。
入場料を払ってチベット寺院のゴンパに入ります。日本やタイの仏教寺院とはまた違う趣です。チベット仏教なので。
イエティの頭皮も見れました。これが本物かどうか、信じるか信じないかはあなた次第です。
もちろん寺院なので仏像もあります。あまり見たことない雰囲気なのが良いです。
あと、ゴンパの外にあったクソデカマニ車を回しました。3、5、7回回すのが正式なルールです。力を入れると結構簡単に回ります。
そのあとは、エベレスト初登頂を果たしたエドモント・ヒラリーの開設したヒラリースクールへ行きました。試験中でものすごく静かでした。ネパールは基本的に土曜がお休みで、日曜はやっているところが多いです。
ミッキーの絵とかあるけど大丈夫なのかな。
そのあとは村に戻ってダルバートを食べました。昨日は久々にダルバートを食べない1日でした。ただおかわりしないと不思議がられます。というか普通の量ですでに結構多いですわこれ。
そのあとは、20分ほど歩いて隣のクンデの村に。ここも緑の屋根ばかりで、正直ほとんど一緒でした。
ここには病院がありますが、病気の人は多分ここまで来れないのでほとんど人が来ないと思われます。
病院を出たらそのままナムチェに戻ります。
戻ろうとしたら道の角から牛が出てきてそのまま跡をつけられました。
ナムチェに行く道の曲がり角のストゥーパに着くと、悲しそうな顔で見送られました。
そのあとはなだらかで開けた街道を歩いて高度を下げていきます。冒険感のある道でとても気持ちがいいです。
しばらく歩くとシャンボチェの飛行場へ戻ってきました。ちょうど滑走路の反対側に来ます。
この辺りがシャンボチェという集落です。パワーショベルがあってどうやってもってきたかが気になったのですが、バラして運んでここで組み立てたらしいです。
またまた長く続く階段を降りた先がナムチェになります。これで今日のハイキングはおしまいです。8時ぐらいに出て、14時ぐらいに戻ってきました。辛かったのは最初の登り1時間でした。
地球の歩き方に載ってたパン屋でティータイムをしました。ナムチェにはパン屋も充実してます。
あとは部屋でゴロゴロ。昨日街はふらついたしやることがマジでないw
あとはいろいろ計画を立て直して、やりたいことをラケシュに相談したりしました。地図をカトマンズで買ってよかった。説明がしやすいです。
そのあとはしばらく電波が期待できないので、テレビ電話したりTwitterしたり、電波がないとできないことをしてました。
夜はいつものダルバート。カレーの各容器は外に取り出すのが本来の食べ方らしい。タルカリお代わりして食い過ぎた。
これからシャワー浴びると高いので、400ルピーだけどここで浴びとこと思い、一昨日に引き続きシャワーを浴びました。
シャワー室に行ったらおばさんが"Extreme hot shower!!"って叫びながら出てきたのでめっちゃこわくなりましたが普通の温度でした。ちなみに温度調整ができないようにテープで固められてました。この調整多分めちゃくちゃ難しいのだと思う。
俺が入った後に、その人の旦那さんが来ました。俺の中でシャワーズ(仮)夫婦と命名しました。
さて、山間の束の間の文明からもおさらばし、さらに深い山の奥へと入って行きます。