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SNIDELを着る人生
先日メンバーと百貨店へ
「うわ〜!SNIDELだ〜〜〜!」
軽い歓声があがる
百貨店のワンフロアに鎮座ましましSNIDEL
その存在感たるや半端じゃない
多分
都心の百貨店の店頭に立たせるために考えに考えられたマネキンのコーディネート
頭の先から爪先まで抜かりがない
ピタッとしてるけど触ったらきっと柔らかい乳白色のニット
それにあわせられたボディラインが確実に綺麗にみえるスカート
何から何までちょうどいい
一見戦闘力と守備力をそこまで感じさせない服
だけどとんでもなく緻密な計算がこの服にはあるんだ
これぞ現代の女の甲冑
勝負に一着SNIDEL
有事の際のSNIDEL
これを着て待ち合わせをしたい
相手より少し早めに待ち合わせ場所について最高にキュルンとした顔で待ち合わせ相手を迎え入れるのだ
そして相手の「おっ(喜)」という表情がみたい
というか私がこの服を着た女の子と待ち合わせをする側だった場合を想定したって「おっ(喜)」である
実際にSNIDELの服は何着か持っている
どれもなんとなく買ったものだけど恐ろしいのはそれを着た時の褒められ率である
特段奇抜なデザイン性なわけでもない
だけどSNIDELには見えない何かが、人知を超えた何かがあるのだ
ありがとうSNIDEL
私のありとあらゆるアラを隠してくれて
私の隠れに隠れた長所を
おそらく引っ張り上げてくれて
メンバーとしばらくSNIDEL談義
今度は少しため息まじりに
「SNIDELが素直に着られる人生だったら」
そう
SNIDELは隠したって隠せない本気が相手に伝わる
能がありすぎる鷹は爪を隠せないパターン
すきな人に「おっ(喜)」と思われるのがなんだか少し恥ずかしいという感情があるのも乙女心である
実際SNIDELを何着か持っている私も勇気がなかなかでなくって
というより一体いつこんな素晴らしい服を着てどこに出かけたらいいのかわからなくて
基本クローゼットの中で待機させてしまっている
いや別に好きなときに着ろよ
本当にそう思うのに
それでふと思い返す
逆張りでわけのわからない服装でデート行っちゃったりするのが思春期だったよね
あえてオンボロになったキャプテンサンタのパーカーにわけのわからない極彩色のバッシュ
別にバスケットボールの経験も思い入れもないというのに
キャプテンサンタに至ってはひび割れてて「タスケテ…タスケテ…」と言ってた気さえするし
でもそれで何重にもしたオブラートですきな気持ちを隠したつもりになっていたんですね
魔のコーディネート
シンプル赤面な自分事です
少し脱線したけれどSNIDELは好意をストレートに伝えられる服装なのかもしれない
ファッションは手段だから色んな表現の仕方で誰かに何かを伝えられる
時が経って私がいつも思うのは
恋愛じゃなくてもあの時もっと可愛くしてたかったなとかそんなこと
別に誰かのためじゃなくても着たい服だってSNIDELだって今後も着るとおもう
私も私以外の人たちもきっと
それでもやっぱり時々
時々誰かや何かに祈りを込めて着る服って愛おしいよ
そんな気持ちであと何回
服に袖を通せる人生なのかな