見出し画像

こまきっぷ:初めてのタイバンコク7

One For The Road BAR

ジェーオーご飯の後、連れて行ってもらったバー。ここも話に聞いてから、本当に行きたかった。というのも、大好きな映画「One For The Road」の劇中に出てくるバーが、撮影後、そのまま本当にバーとして営業してるんです。しかもこのビル、映画絡みのお店が色々入っていて、最上階は監督のオフィスなんだとか。(番組でバズ・プーンピリヤ監督のインタビューを放送しましたが、ほんと良い映画なので、ぜひ見てみてください。)

入り口のドアを開けたら正面の小さなモニターに、なんと映画「One For The Road」のプロデュースを手がけた巨匠、ウォン・カーウァイ監督のグリーティング映像が。泣くわ。そして店内中央のカウンターに、もう一度泣く。映画やん!当たり前ですけど、そのまま!鳥肌が立ちました。私、今までロケ地に行くっていう経験をしたことがなくて。撮影のために作られたんだから当たり前ですが、絵になりすぎる。完全に映画と現実の境界線が無くなってしまった。あの2人はどこかに居る。
それで洒落てたのが、トイレ。「物を流さないでください」っていう旨の注意書きが貼ってあるんだけど、映画みた人はニヤっとしちゃう気の利いた言い回しだった。もちろん見てない人にも伝わる洒落た文言だけど。

メニューが台本風。表紙だけじゃなくて中も。で、QRコードを読むと、詳しいお酒の説明などが写真付きで載ってる。なんと映画に出てきたオリジナルカクテルも、ちゃんと飲むことが出来るんです。私はお酒に弱いので「Alice's Dance」をモクテルにアレンジしてもらいました。作るところを動画でも撮らせてくれた。映画みたい、絵になりすぎる。これぞバーテンダーですね。

ジェーオーでも女子3人で、ひとしきり美味しい美味しいと盛り上がったけど、バーに場所を移しても、楽しいおしゃべりは続く。物語が始まりそうなドラマティックな店内のムードと、映画や音楽への興味とで、本当に気持ちが華やいで、夢のような心地。みんないい大人で良い塩梅にミーハーなので楽しくて。
色々話しているうちに、突然、感極まって少し泣いてしまった。ウォンカーウァイは青春って言っても過言じゃない。いろんな映画を見て憧れるものの、当時は海外に出て行くなんて考えたこともなかった。勇気がなかったのもあるけど、私には物理的に無理なんだって、なぜか思い込んでた。それが、今、なぜかタイでウォンカーウァイの世界観に触れることが出来ている。
タイに来てからのいろんなこと、CAT EXPOでの体験、たくさんの人に協力を仰いで取材に漕ぎ着けたこと。言葉が分からないけどタイの人たちと一緒に音楽を感じることが出来たこと。憧れの人たちともカタコトの英語で、ダイレクトに、挨拶以上の意思疎通ができたこと。何より、勇気を出せたこと。そう、ずっと勇気がなかった。いろんなことに。全然足りないけど英語を勉強しているっていう事実が、私に勇気をくれたし、タイカルチャーを好きになったから、こうして自分の殻を破ることが出来た。勉強を始めるときに考えていた最初の目標をクリアできた。
本当にここまでの人生、しんどいことばかりだったし、DJとしてはキャリアを重ねるほど、どんどん自信を失っていく。現在進行形で日々失い続けている。だけど、奇蹟のような数日間を与えられて、本当に頑張って生きてきて良かったって心の底から思った。昔、死のうって思ったこともあったけど、死ねなくて良かった。ノンアルコールしか飲んでないのに、とにかく感極まってしまった。自分でもどうしちゃったんだろうって思った。

ちょっと泣いちゃったら、急にLEDバナーアプリで「土井さん♡土井さん♡」って応援されて、また泣いた。なんなのそのアプリ、なんで今なの、なんでまた泣くの私。泣き笑い。2人とは旧知の仲でもない。でも絶妙に居心地が良くて、急激に扉を開いてしまった。
2人の感覚は今まで私の周りにいた人たちとは、ちょっと違う気がする。「好き」という気持ちから海外移住するほどの行動力ってやっぱりすごいし、それを出来る心をやっぱり尊敬する。きっとめちゃくちゃ困ることもあったり、乗り越える努力をしたり、諦めて手放したものもあったりしたんだろうな。彼女らは、人に寄り添う心の広さがあるけど、だからって全部世話するわけではなくて、放置する部分もしっかりある。手を差し伸べる具合が、ちょうどいいんだと思った。全然ダメ子の私を受け入れてくれる、私とは別格の人間力の持ち主だと思った。言葉にせずとも汲み取る力もすごい。見事に先輩だな、ありがとう。

それにしても、旅先で行ったバーの名前が「One For The Road」だなんて、それこそ映画みたいによく出来た話。
でしょう?

恋する惑星ごっこ(わかる人だけわかってください)


見たかった景色

ラーマ8世橋
橋からの景色が見たかった、広くて絶景

言ってみれば、久しぶりに関空に行った時から、再び関空に着陸してSIMカード入れ替えの儀まで、眼にするもの全部ずーっと見たかった景色。忘れていたことや、初めての気持ちなど、全部その景色たちが教えてくれた。やっぱり旅が好きだ。いつまでこうしていられるか分からないけど、感じて変化して、元の世界に新しい一滴を落とすこと。ふわふわしている人間の役目だと思う。

さぁ次はどこ行こう。タイのフェスはまた絶対いく。
やりたいことも湧いてきた。

つづく!

追記
次の投稿で、荷物・服装など、もしかしたら初めての方に参考になることもあるかもなので、思いつくことをメモメモ。

全て無料記事ですが、サポートして下さったらとても嬉しいです。当たり前ですが、自分のお財布で活動しています。サポートしていただいたお金は、podcast用に購入した機材費、podcastのインタビュアーさんへのお茶代、コマキ手帖の取材費に使わせてもらいます。よろしくお願いします。