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◎手帖P21「ヘアドネーション」

2020/12/02.09 OA

ヘアドネーションってご存知ですか?長く伸びた髪の毛(ヘア)を切って寄付(ドネーション)することなんですが、私も3年前と今年の2回ヘアドネーションしました。

きっかけは、髪に無頓着な私が、長く伸びた髪をどうにかしなくちゃと思って美容室に行った時、美容師さんが何気なく言った「こんなに長いとヘアドネーションできますね〜」の一言。初めてきく言葉だったので、教えてもらってその場で即バッサリいきました。それが3年前。特にどんなヘアスタイルにするかも、こだわりもなかったので、捨てるだけの髪の毛が人の役に立つのなら!と。それから3年。もう一度ドネーションしようと思っていたわけでもなく、ただただ無頓着なので、またいつの間にか伸びていたんですね〜。

私が寄付をしている、大阪市北区にあるNPO法人「Japan Hair Donation & Charity」通称ジャーダックの代表の渡辺さんにお話を伺いました。

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ジャーダックは届いた31cm以上の長さの髪の毛を使ってウィッグを作り、18歳以下のウィッグを必要とする子供たちに無償で提供しています。メッシュ状のウィッグネットに、髪の毛を半分ほどの長さで折り返すようにして一本ずつ結び付ける製法でウィッグを作ります。この方法だと抜け毛が少なく、頭皮への刺激を減らすことが出来るそうなんです。折り返すので31cmの髪の毛も15cmくらいのボブスタイルのウィッグになるんですよね。特に小さなお子さんには、ディズニープリンセスへの憧れから、ロングヘアが人気なんだそうです。そんなこともあり、ジャーダックでは31cm以上の髪の毛を募集しています。

団体が立ち上がった2009年から現在までで450名ほどにウィッグを提供できたそうです。海外にはこういう団体があまり存在しないらしく、海外からも髪が届くそうですよ。ヘアドネーションという言葉の認知度が高まっているのを感じますね。3年前は髪を切った時「ヘアドネーションした」と言っても周りは「?」という反応だったのが、今回は逆に「もしかして、ヘアドネーションしたの?」と聞かれたり、リスナーさんからも「私もヘアドネーションしたことあります」とメッセージをいただいたり!

実は渡辺さん達は、ロングヘアを切った人に「失恋したの?」ではなく「ヘアドネーションしたの?」と声をかけるのが常識になるような、昔からずっとそんな話をしていたそうです。そんな未来が現実になりつつありますね。

これからのジャーダックの目指すところは、「ヘアドネーション」が必要とされなくなるような世の中になることだそうです。髪の毛で困っている子たちが社会の中で生活するにあたって、ウィッグがなぜ必要なのか、本当にウィッグが必要なのか、を考えると、「髪の毛がない」こと自体が弊害なのではなく、髪の毛がないことにより「社会から偏見や奇異の目で見られること」が、生きづらさ・ウィッグを必要とする理由になることが多いのではないかというところにたどり着いたそうです。

今すぐにとはいかなくとも、髪の有無にかかわらずすべての人が生きやすいようになればとおっしゃっていました。確かにそうですよね。大きくうなづいてしまいました。むむむむむ。

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そんなジャーダックの活動をSDGsと照らし合わせて考えてみると。
「3 すべての人に健康と福祉を」
「4 質の高い教育を」
「5 ジェンダー平等を実現しよう」
「10 人や国の不平等をなくそう」
「12 つくるせ責任 つかう責任」
「17 パートナーシップで目標を達成しよう」
に当てはまっているのでは?



興味がわいた方は、ジャーダックのHPに髪の毛の切り方も書いてあるので、あなたの行きつけの美容室に相談してみてください。賛同美容院以外でヘアドネーション用のカットをしてもらうと、その美容師さんや、周りのお客さんにも知ってもらうきっかけにもなるかも!

先に書いたように、私も最初はヘアカットの椅子に座ってから、どんなヘアスタイルにするかジャブのような会話の中で、美容師さんがポロッと言った一言で、その場でドネーションを決めたのですが、その美容師さんも実はドネーションカットを手掛けたことがなくて、賛同美容院の登録もしていませんでした。でも、その場でネットでしっかりと切り方を確かめて、2人で一緒に初めてのヘアドネーションにトライしました。なんだかとても良いでしょ?


まとめると。。。
・募集しているのは、31cm以上の髪の毛で、色やブリーチ歴、髪質などの規定は一切なし
・ヘアドネーションのカットは、賛同サロンじゃなくても可能

さらに、髪の毛を長く伸ばせないけど支援したいという方のために、今年7月からチャリティファンディングがスタートしました。寄付すると返礼品として、ステッカーやオリジナルシャンプーが届きます。このシャンプー、ウィッグにも頭皮や肌にも優しいので、全身洗えて香り良く、好評なんだとか。もちろん寄付されたお金は全て、ウィッグを作るために使われます。

詳しくは「Japan Hair Donation & Charity」のHPをチェックしてみてください。
https://www.jhdac.org

髪を切った人には『ドネーションしたの?』が合言葉!そしていつか、ヘアドネーションの必要がない社会になるといいですね。

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土井コマキ
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