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◎手帖P10「自転車で靴下を編む?」

2020/02/19、02/26OA

「チャリックス」という、自転車を漕いだら靴下を編める機械があるんです。なにそれ、楽しそう!さすが広陵町!日本一!ということで、ワクワクしながら、靴下生産量日本一の奈良県広陵町にある、靴下工場「SOUKI」にお邪魔しました。

時々イベント会場などに出張するだけで、いつも体験できるそうではないのですが、特別にお願いをして「チャリックス」を体験させていただくきました。まず最初に、靴下のサイズ、丈、15色の糸の中から3色を選んで準備は完了です。土井さんは元気が出そうなレッド、オレンジ、ローズをセレクト!
そして、選んだ3色に生成りが加わって、4本の糸で編んでいきます。自転車のペダルを漕ぐと、編み機が回る仕組みになっていて、一定のスピードで漕ぐと綺麗に編み上がります。靴下は筒状に編み上がるんですよね。一足のなかで、何種類かの編み方が駆使されています。編み上がった靴下がポトンと落ちた瞬間は、感動モノでした。


チャリックス、すごく楽しいんですが、なぜこんなことを思いついたんでしょう?SOUKIの社長、出張さんにお話を伺いました。

そもそもこの辺りは綿花の生産地で、農業の閑散期に副業で手廻し編み機で靴下を作っていたんだとか。現在も広陵町は靴下の生産量が日本一ですが、海外製に押され、国内の靴下工場自体が段々減ってしまっているんだそうです。昔は広陵町には200軒あったのが、今は40軒くらいに減ってしまったそう。だからこそ、希望を載せてチャリックスを始めたんだそうです。
きっと靴下がどんなふうに作らせているのか知らない人が多いだろうから、広陵町の靴下が丁寧に作られていることを知ってもらおう、しかも作り方を見せるだけではなくて体験してもらいたい。そこで試行錯誤して生まれたのがチャリックスだったんですね。ポップアップなどで靴下を販売するときに、チャリックスの体験会も開催して、靴下が編まれていく様子を楽しくしっかりと伝えることにしたそうなんです。実際に体験してみると、本当に楽しく知ることができました。これ、広陵町の靴下のファンになってしまいますね。

さて、チャリックスの4本目の生成り色の糸のことなんですが、あの糸は、実は「吉野葛の和紙」から出来た糸なんですって。地元奈良の名産である吉野葛の搾り殻から作られる和紙の糸で、本来、産業廃棄物として大量に捨てられていたものを利用しているんですって。和紙は紙幣にも使われているくらい、洗ってももちろん溶けたりしない丈夫な素材ですし、さらっとして靴下にも適しています。通気性も良く、ニオイをとる働きもあるんだとか。ほんとに靴下にぴったりですね。

こんなふうに、SOUKIからも品質も高くユニークな靴下が生まれていますが、実は広陵町は今まで自分たちのブランドがあまりなかったんだそうです。注文を受けて生産するだけだったんだとか。自分たちでデザインして発信しなければと、自社ブランドを立ち上げたそう。さらに、どこの土地に行ってもそこの名産が買えるのに、広陵町は国内シェア1位なのに靴下の販売店がないんですって。靴下を買うために広陵町に遊びに来てもらえるように、物づくりを楽しんだり、素材について知ってもらえるような、靴下テーマパークにしたい!と出張さんはお話してくださいました。

出張さんの思いがこもったチャリックス。今回は特別に体験させていただきましたが、普段はイベントや催事で開催しているワークショップで体験できます!奈良県広陵町にある工場に行っても体験はできないのでご注意ください。

丈夫で履き心地の良い、広陵町のSOUKIの靴下お試しください〜

▼SOUKI(オンラインショッピングもできます)
http://www.souki-socks.jp

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土井コマキ
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