「訂正する力」を読んでみた。
本書では、現状の日本の文化として「変化=訂正を嫌う」スタイルが一般的であることをあげて
日本にこそ哲学の力をもって訂正を良しとし、「リセットする」ことと「ぶれない」ことの間でバランスをとっていく事が大事、としている。
過去の経験を生かしながらアップデートしていく・一貫性を持ちながら変わっていく事や
自分に対しても周りに対しても、「じつは・・・だった」という発見をしていくことを推奨している本。
変化=訂正を嫌う、例えば間違いを認めない・一度決めた計画は変更しない…
身近な場面だと、例えば仕事や家庭などでのコミュニケーションで意地でも自分の意見を通そうとする・自らのミスや間違いを認めない、などがあげられる気がする。
コロナ禍が終わった後でも、入店にはマスク必須!の看板を外せない飲食店がいくつかあった気がするけど、その辺もそうだよな〜。😷🍜
読んでいく中で、いくつか面白いなと感じたポイントがあるので挙げてみる。
対話は終わらない
これには結構おどろいた。
自分が思っている対話とは、まさに「お互いの意見を出し合って、最善策や良い落とし所と思える結論を出しましょう」だったから。
そもそもがこれって、「本質的に正解など存在しない」前提に基づいてるから「結論なんてない」のかなぁと思った。
あるいは、対話の目的自体が結論や落とし所を見つけることではないから?
ずっと反論して訂正し続けることで、視野を広げることを目的としているのかなあ🤔
(この形式での対話、やってみたいw)
これはめちゃくちゃ納得!
言葉の意味って確定してるようでそうでない。話し手・受け取り手によって解釈が変わるから。
相手に自分の意図が伝わるよう、言葉や表現を変えたりして伝えて調整しつづける。
セッションで相手の出方を見ながら音程やら音量やらニュアンスを変化させたり、がまさにしっくりくるな〜。🎸🥁
クリプキの「クワス算」
ルールも、言葉も、いくらでも多様に解釈可能。
自分が小さかった時や姉の子と遊んでる時、こういうのあったなーって思う。
(突然「はい〜〜XXXやから俺の勝ち〜〜w」みたいな謎の新ルール追加されて勝ち逃げされるやつ🤣)
新しい解釈によって、新しいゲーム性が加わる、みたいな事もあるもんね。
あと、「ルールだから守って」みたいな「正しい・間違ってる」論調ではそんな相手には伝わらない。
いかに相手の合理性上動いてもらえるようにするか?むしろルール側を柔軟に変化させるか?
余剰な情報で、自分を交換不可能な存在だと思ってもらう
すごくわかる〜!!
日々変化している自分を新しく再発見してもらいたいし、周りの人たちについてもどんどん新しい側面を再発見していきたい。意外な一面が知れるとわくわくするし、より仲良くなれる。
私は日頃、仕事先のSlackのtimes(日報的な個人別のチャンネル)をXみたいに使っているのだけど、無意識に「交換不可能な存在」と認知してもらいたくて余剰な情報を垂れ流してたのかな〜
(仕事の事も書くけど、他に気に入ったお笑いの動画とか漫画とか、うちのカメ🐢が甘えてきてかわいすぎる、マクドの新作美味しいやん、とかも書く)
自分で自分に「メスゴリラエンジニアPdM」「うちぬきゴリラお姉さん」ってキャッチコピーつけてるのも、それかも〜?w 💻🍺🦍🎀
人はわかりあえないからこそ、何度でも理解を訂正し続ける
”「おまえはおれを理解していない」と永遠に言いあう空間をつくる”
このパンチラインかっこいいな〜〜って思った😍
他者という独立した存在である以上、他者を本質的に理解することは不可能。
理解できないからこそ、「これまでの相手のイメージと比べてネガティブなギャップを感じた」時にどう向き合うかが大事だよな〜。
もちろん集団や個人に明らかに害をなすような人の場合は接点を減らす工夫をした方がいいけど、そうじゃない場合はすぐシャットアウトしてしまわず、理解を深めるための出来事として解釈して向き合う。✨🤝
「フィクションをつくる」「忘れる」ことの大事さ
難しい問題だけど、すごい大事なポイントだよなと思う。
怒りや憎しみの記憶は、それを持ち続ける本人すら苦しめてしまう。
ずっとその感情を持ち続けていたら、関係性を良くすることが難しくなってしまう。
たとえ「許す」ことや「完全に忘れる」ことはできなくても、「忘れたふり」をする。
国同士もそうだし、社会においてもそうだし、人間関係においてもそういう側面があると思う。
過去を訂正して、現在進行形の今、お互いの新しい良いところを発見し合ってみんなでよりよい未来をつくっていきたい。🧚
所感
総じて、あらゆることに通じる話だよな〜と感じた。
まちがっても、ぶれても、変わってもいい。
いくらでも訂正してより良くなっていける。
やわらかい心で、自分に・周りの人に・社会にも温かい目を向けて発見しつづけて面白がっていきたいな〜と思った一冊でした。😊✨🦍💃