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子ども議会・若者議会をやっているから、子ども・若者の声を聴いている!は大間違いです。
こんにちは、土肥です。
先日、こども家庭庁の発足によって、子どもや若者の声を聴くことが自治体の義務になるという記事を書きました。記事内でもお伝えをしたように、これからの自治体施策の中で、子ども・若者の参画は必ず取り組まなければいけないものです。
そんな中、自治体職員や政治家のみなさんから、じゃあどうやって子ども・若者の声を聴けばいいんですか?と、お問い合わせや相談が増えています。
提言して終わりの子ども議会・若者議会が多かった。
全国的に普及している子ども・若者参画の手法としてわかりやすいものは、子ども議会や若者議会です。
子どもや若者が議論をし、行政や議会、場合によっては企業に対して、提言を行います。提言内容をまちに生かしていく、とってもわかりやすい参画の方法です。
先進的なものとしては、愛知県新城市の若者議会があげられます。新城市では、予算提案権1千万円をつけていて、言って終わりではなく、提言の影響力を担保しています。これは重要なことです。
これまでの子ども議会や若者議会は、言って終わりの実践が多く、子どもや若者の声をちゃんと受け止める子ども議会や若者議会をつくっていくこともこれからの重要なテーマです。
実は、NPO法人わかもののまちは、2017年頃から子ども議会や若者議会に関する調査研究を行っており、スウェーデンをはじめとした海外事例の調査や国内の実態調査も実施しています。
そして、2018年には、「わかもののまちのつくり方ハンドブック」を発行し、ユースカウンシル(若者議会)のつくり方を一冊の冊子にまとめています。
そんな子ども議会や若者議会を推進してきた私たちから、あえて強調をしたいのは、子ども議会や若者議会だけをやればいいわけではないということです。
子ども議会や若者議会だけをやればいい。になるのが不安。
こども家庭庁が創設され、各自治体で子どもや若者の意見反映の取り組みが広がっていくことが期待されます。
しかし、どこの自治体も一律でわかりやすい子ども議会・若者議会だけをどんどん増やしていくんじゃないかと不安でおります。
そもそも子ども議会や若者議会は、子ども・若者の声を聴くためのひとつの手段に過ぎません。子どもや若者から直接声を聴くことができるというメリットはありますが、参加される子は限られますし、優秀で声を出しやすい子しか意見を言えないというデメリットも指摘されています。
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つまり、子ども議会・若者議会以外でも、多様な場面、多様な方法で、子どもや若者の声を聴くことが求められています。
そもそも子ども・若者と一口に言っても、さまざまな環境に置かれている子ども・若者がいます。その意味でも、ひとつの方法だけで子ども・若者の声を聴いている!と言い切ってしまうのはおかしな話なわけです。
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例えば、上の図は、現状で国内で実践されている子どもや若者の参画手法をプロットしてみたものです。
最も身近な単位で言えば、家庭内での子どもや若者の意見反映も大事です。ひとりの人間としての権利を家庭内で尊重されるところから、参画がはじまります。
もう少しレイヤーが上がれば、児童会や生徒会などの学校内での意見反映、参画の方法ももっと考えないといけません。ほかにも、児童館やユースセンターなどの子ども・若者施設内での意見反映も重要です。
すべてを説明すると長くなるので、この程度で一旦やめてみますが、子どもや若者の参画、意見反映、声を聴くというのは、もっと幅の広いものであることはご理解いただけたと思います。
子ども・若者参画のグランドデザインを!
子どもや若者の参画が重要となるこれからの時代で、大切なことは、場当たり的な取り組みをはじめるのではなく、グランドデザインを描いた上で取り組みを行っていくことです。
例えば、自治体全体で、子ども・若者参画に関する評価指標をつくり、子どもや若者に関わるあらゆる事業において、子ども若者の参画があったかを評価していくことも求められます。
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評価にあたっては、インパクト評価だけでなく、その参画プロセスがお飾り参画でなかったのかを評価するためのプロセス評価を導入していくことも重要でしょう。
また、そうした評価事項を、自治体の総合計画や子ども若者計画などと連動させていきながら、自治体本体の計画の中に子どもや若者の参画を位置付けることも必要です。
4月にはいよいよこども家庭庁が発足します。首長さん、自治体職員のみなさん、地方議員のみなさん、準備はできていますか?