映画「あのこは貴族」を観た独身女性(27)が、エールの花束を送る
私は独身女性(27)。コロナ禍でなかなか会えない友人から久々に連絡が来たかと思えば、結婚&出産報告。ラッシュ真っ只中の、いわゆる“結婚適齢期“と呼ばれる世代だ。(一応追記しておくが、友人のめでたい報告は大歓迎だし、小躍りして喜び、全力でハイタッチをする)
そんな私が、独身女性(27)であることで生きづらい瞬間がある。たまたま会話のなかで「彼氏がいない、結婚をしていない」と言うと、たちまち「え、可哀想…」という空気が漂い、慰められる数秒間だ。
そして、私はその時間を自虐と笑顔で乗り切ったあとは、結婚ができていない自分に劣等感を感じ、世間の空気の思惑通り、しっかりと落ち込んでしまうのだ。
そんな折、私の女性としての指針を示してくれた映画に出会った。門脇麦と水原希子W主演の「あのこは貴族」である。
開業医の娘で「貴族」である華子(門脇麦)と、地方から憧れの東京に出てきた「平民」の美紀(水原希子)。そんな階層の違う2人の女性の話だ。
勢い余ってネタバレしそうなので、あらすじは伏せておくが、自分の中に強烈に残ったセリフを紹介したい。
「日本では嫁姑だったり、専業主婦と働く女性が対立させられていたり、女対女っていう構造を世間は作りたがっている。私は自分で生計を立てられる、自立した女性でありたいし、結婚してもいつでも離婚できる状態が理想なの。」
石橋静河演じる、華子の友人、逸子のセリフである。(メモを取れていないので、うろ覚えです)彼女は「貴族」であり、バイオリニスト。単身でドイツにわたり、決して順風満帆とはいえないが、しっかりと自分の力で生計を立てている。貴族である女友達の中では、結婚し子供を持つことが正義という“空気“があり、結婚をしていない彼女は「あの子このままで大丈夫なの?」と陰口を叩かれ、浮いた存在でもあった。
しかし私はこの逸子の言葉に深く共感をし、憧れさえ感じた。「いつでも離婚できる状態でいる」って、なんてかっこいいんだ!と。
逸子のように自立した女性になれたら、世間の空気に惑わされて、落ち込むことはないのかもしれない。そしてもし私のような想いをしている独身女性がいるのならば、世の中から独身vs既婚者の対立構造がなくなり、自立する女性が全力で応援してもらえるような世界になることを願っている。3月8日は国際女性デー、身近な女性に感謝を伝える日、ということらしい。私は頑張る独身女性に「一緒に頑張ろう」というエールを込めて、ミモザの花束を送りたい。