
ここまでわかった犬たちの内なる世界 #28 犬の攻撃性④ ~ 見知らぬ人への攻撃性〈前編〉
文字数 3000字
☞この記事は、投稿後24時間に限り、全文無料で読むことができます。
↓前回のコラム↓
コロナ禍と犬の攻撃性
Covid(コロナ禍)が落ち着いた後、見知らぬ人や訪問者に対して問題を抱える犬が大幅に増加していることに気づきました。Covidの渦中では、多くの犬が公共の場の見知らぬ人や自宅への訪問者に晒されなかったので、これは驚くに値しません。社会化の欠如により、多くの犬は見知らぬ人や訪問者が関与する特定の状況でどのように対処すべきかを知らないようです。
自身のホームページでそう語るのは、ニューヨーク州ロングアイランドの犬の行動コンサルタントでドッグトレーナーのアンソニー・デ・マリニスAnthony De Marinisです。
確かに、新型コロナが犬と飼い主に与えた影響は少なくないと思います。
犬の見知らぬ人への攻撃性は
公共の安全上の深刻な懸念と、犬の生活の質の低下を招く
しかし、公共の場や自宅の敷地内あるいは室内で発生することのある、犬の"見知らぬ人への攻撃性"は、 新型コロナが流行するずっと前から、 重大な社会問題のひとつだったと言っても過言ではありません。
イタリアの研究者が、2019年にイタリア中北部の6つの地方保健当局(LHA)に記録された1169件の犬による咬傷事件を分析したところ、 人に対する攻撃の内の約53%は見知らぬ人に対する攻撃であり、約30%は家族(飼主または他の家族)に対する攻撃でした。
2014年の英国の調査では、飼い主の約7%が、 自分の犬が自宅を訪ねてくる見知らぬ人に対して攻撃的であると報告し、飼い主の5%が、自分の犬が家の外の見知らぬ人に対して攻撃的であると報告しています。これらの見積もりには、実際の咬傷だけでなく、脅威や咬みつきの試みも含まれます。
世界の犬の数と、 日々行われている犬と人間の相互作用の数を考えると、論文の著者が述べているように、これらの数字は、 公共の安全上の深刻な懸念を示しているという見方もできます。
さらに問題なのは、 犬が見知らぬ人に対して攻撃的である場合、 飼い主は犬との散歩を避けるなど犬と一緒に活動する機会を減らしてしまう可能性があります。 そうなれば、犬の生活の質は低下してしまいます。
攻撃性の示し方は、 犬によって異なる
とはいうものの、次のようなしぐさを想定できます。 一概に言えませんが、 リストの下に行くほど攻撃モードが強まります。
最悪の場合(個体によっては)、警告なしでいきなり攻撃する可能性もあります。

物心両面の応援は、いつでも歓迎しています。 皆様からのチップは、より良い作品づくりのために自由に使わせていただきます。