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愛犬ちゃんと街ブラしたいよね②【ペットカートは動物福祉に反してる?】


前回の記事は、ペットカートを使用しての電車利用についてでした。
今回は、ペットカートを使用する際のメリット・デメリットについてお話します。

最近では動物福祉という言葉を耳にする機会が増えたと思います。

日本動物福祉協会HP抜粋
環境省HP抜粋

上記の5つの自由という動物福祉観点から、ペットをカートに乗せて移動することはNGだという人も存在します。
それも一理あると思いますので、今回はペットカートにペットを乗せて移動することはアリかナシかについて検証したいと思います。

ペットカートは5つの自由を阻害するか?

・飢え渇きからの自由
愛犬や愛猫をカートに乗せている間は、ケース内に水やフードを入れていない人も多いのでは?
動物福祉の考え方では、水は飲みたい時に飲むことができるようにすべきとあります。
カート内ではそれが阻害されるため、福祉に反していると考える人もいるのかもしれません。
そのことに配慮してカートに給水ボトルをつけている飼い主さんもいますね。

・痛み・負傷・病気からの自由
これに関しては、カート内にいることでむしろケガや病気を防いでいるとも考えられます。

・不快からの自由
カートは安いものだとキャスターが悪く、アスファルトを歩く際もガタガタするものがあります。そういうものに乗せられることはペットにとって不快だと考えられます。キャスターやタイヤの良いものを選びたいところです。
ケースの中を清潔にして、居心地が良いようにクッションなどを敷いてあげるのも良いでしょう。

・恐怖・抑圧からの自由
環境慣れしていないペットの場合、カートでのおでかけに恐怖を感じる子もいます。カート自体に慣れていない子もいますし、動けないことに抑圧を感じる子もいることは確かです。
時々電車内で遭遇する、カートやキャリーの中でずっと鼻鳴きしたり吠えてるワンコは苦痛を感じている可能性が高いです。

・本来の行動がとれる自由
これも前項と通ずる部分がありますが、動物は自由意志で行動がとれない環境に不安や恐怖を感じるものです。
カート内では自由意志による行動はとれませんから、例えば他犬が嫌いな犬が本来ならば他犬から離れたいところを、カート内で身動きができないのでどうすることもできない、ただストレスを受けるしかないという環境におかれるわけです。
犬の場合はカートに乗ることで他にも、匂い嗅ぎが制限されたり、歩く走るの制限、環境を確認することの制限、自由意志での排泄などが制限されがちになります。


上記をふまえると、一見ペットカートは動物福祉に反しているように思えます…が、
最重要なことは、
ペットの同意を得られているか?
です。

どういうことかというと、愛犬が自発的にカートに乗るようなら、福祉の大黒柱はクリアということです。 
でも、愛犬は自分ひとりでカートに乗れないのに、どうやって同意の確認をとるの?

①カートに乗せる準備をする
②愛犬を呼んで抱っこを促す※この時の抱っこは人が抱きあげるのではなく愛犬の抱っこをせがむ自発意思の確認をしてからになります 
③カートに乗せる

この手順で一連の行動を繋げると、愛犬さんの中で①〜③がひとつの結果に向かうことを学習します。
つまり、愛犬さんが自由意志としてカートに乗りたければ②で抱っこをせがむし、乗りたくないのであれば②の抱っこに応じなくなります。
これが同意を得るということです。
ペットをカートに乗せる際、この同意の有無は動物福祉に沿う上で絶対条件になります。

他の福祉に関しては、人間側の考え方やモラルに左右されるところが大きいでしょう。
ちなみに私個人は、ペットカートの使用がイコール動物福祉に反するとは考えていません。
例えば、飲水を常にケース内に入れていなくても、愛犬さんの日常の飲水量、カートに乗っている時間、気温や湿度、緊張具合などに注意をしていれば苦痛を与えることも無いでしょう。
つまり、配慮の心を忘れないという前提があれば、カートは愛犬さんとの楽しい時間の共有にひと役かうよねって事です。

では、冒頭に掲げた
ペットカートの使用によるメリット・デメリットを挙げてみましょう。

ペットカートを使用するメリット

・移動が楽
・電車に乗れる(※鉄道会社による)
・老犬でも連れていける
・人通りの多いところでも踏まれる蹴られるの心配がない
・犬同士のトラブルを防げる
・カフェなどで着席時に目線が近くなる
・愛犬だけで留守番の機会が減る

ペットカートを使用するデメリット

・ペットが動きを制限される
・ペットが排泄を我慢してしまうケースが多い
・カートを停めておける場所が無い
・乗客等に嫌な顔をされることがある

ペットカートを使用する際の注意点

・カートに乗ることへのペットの同意を前提とする
・長時間の移動は避ける
・ケース内の温度が外気温より高くなりやすいので気をつける
・排泄を我慢させない配慮をする
・渇きや空腹に気を配る
・緊張やストレスがかかっていないか常にチェックする(暴れ・鼻鳴き・吠え・震え・パンティングなどは緊張やストレスのサインであることが多い)
・ケース内をできる限り過ごしやすくする(滑り止めやマットを敷く・保温や保冷に努める・多少の動けるスペースの確保・コングなどの暇つぶしを入れる)

カートでお出かけした思い出がたっくさん

メリット・デメリット・注意点を挙げてみましたがいかがでしょう?
探せばもっとメリットもデメリットも出てくると思います。
帰結するところは、犬を知り愛犬を知り、そして愛犬にも周りの人にも配慮する事であり、それができるのならば、ペットカートは愛犬との行動範囲を広げてくれる便利な道具になるのではないでしょうか?

残念ながら私の愛犬さんは天国にいってしまいましたが、カートのおかげで老犬になってからもたっくさんの時間を共有できました。
カフェのテラス席で、モーニングセットのドレッシング抜きサラダを一緒に食べました。
ビストロではレバーの素焼きや、時にはトリュフも一緒に食べました。
豊洲の桜並木をゆっくり散歩したり、浅草橋のペットフレンドリーホテルに一緒に泊まったりしました。

それもすべて、カートがあったおかげです。

賛否あるペットカートですが、
結局は使用者の使い方しだい
という結論のようです。笑


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