あたまのなかみ⑤
最近めっきり調子が悪い。希死念慮くんとは長くお付き合いしてきているが、最近よく顔を出してくる。めちゃ効く薬をもらっているが、注意力が散漫になったり眠気が酷かったりして、ミスをして、それでまた辛くなるを繰り返している。気持ちは確かに楽になっているはずなのに、ここに居てはいけないんじゃないかという焦燥感と不安感で頭痛と吐き気を催す程度には調子が悪い。
人に話すと様々な反応がある。アドバイスをする人、泣く人、不安がる人、冷たくなる人。そんな反応を受けるのも疲れる。嫌なことを複数回人に話すのも、傷を掘り返すようでつらい。だから中々人に話せなくなっているのもまずい傾向だ。文章にすると頭がすっきりするから、noteをやっていて良かったなとは思う。
遠くへ行きたいから、福岡行きの飛行機を予約した。
福岡は以前仕事で1年程住んでいたことがある。激務だったので体調を崩して精神もやらかし、現在に至るので仕事自体は因縁の存在ではあるが、福岡という土地は大好きだった。まち自体も便利で綺麗だし、ご飯が美味しいし、人が優しいし、海が近い。どこかに行きたい、と思った時気軽に全く違う環境の土地に繰り出せる。住み心地は本当によかった。元気になったら、職を変えて福岡に移住したいとすら思った。
そんな福岡に行きたいと思ったのは、行きつけだった飲み屋さんの存在が大きい。
家の前にあった飲み屋さんは、激務でしんどくて頭がパーになりそうになった時によく行っていた。明るくて強かなママさんがいつも迎え入れてくれて、福岡だと中々ないホッピーを出してくれる。お通し含めて全ての料理が美味しくて、私の話をよく聞いてくれた。好きな人の家で料理をすると言った時は具材を分けてくれたり、メンタルを崩した時はお花をくれたり、娘のように可愛がってくれた。
あの飲み屋さんに行って、明るいママさんの笑い声を聞きたい。そう思ったから福岡を選んだ。私のことを忘れていたとしても、あのママさんの出す美味しい料理が食べたい。今はそれだけを楽しみに、必死で生き延びなきゃいけないんだ。