CHAQLA.のキネマ俱楽部ワンマンが良すぎた
この記事はタイトル通り、8/17に東京キネマ俱楽部で行われたCHAQLA.のワンマンが良すぎた為に衝動で書き綴っているものだ。レポにもならないただ爆発した感情を勢いで書き起こしているので、大変読みにくい。でもそれくらい良いライブだった。
今回のワンマンライブは視覚的な部分と聴覚的な部分の両方が刺激されるライブだった。V系の魅力のひとつが、この視覚聴覚両方を満たせるところにあると思っているので、CHAQLA.のキネマ俱楽部でのワンマンは私にとって、人生の中でも数少ない時間を巻き戻して何度でも観たいライブとなった。
キネマ倶楽部は元々キャバレーだった箱なので、内装が独特だ。ステージ横に階段があったり、床が絨毯だったり、シックな雰囲気が漂っている。
このキネマ俱楽部のステージとCHAQLA.の芸術がバッチリ組み合って化学反応を起こしていた。
会場に入った瞬間、シックな内装の中にCHAQLA.のステージ特有の電飾が目に入る。キラキラと輝く小さな電球は、下手の色鮮やかな鯨の絵画を照らし出す。絵画の前にはKaiさんのギターが並び、荘厳な雰囲気を醸し出していた。ベースの位置を見ると、植物がマイクスタンドに絡みつき、途端にステージの表情がジャングルのように変わる。
ふと上手に目をやると、電飾に囲まれた大きな本棚が鎮座している。ミッケ!の世界観のような本棚の後ろには、CHAQLA.の象徴である目が大きく描かれた旗が立っていて、ただエモーショナルなだけの空間にせず、CHAQLA.の世界観をしっかりぶち込んでくる。ステージに点在する、小さなモニターに映された目は時々瞬きをして、感嘆の声を挙げながらステージを撮影する我々を見つめている。
入場しただけでこんなに心躍るとは何事か!
開演を待つ時間すらCHAQLA.の世界を鑑賞する時間と化し、まるで美術館に足を踏み入れたような感覚だった。
一通り眺めた後、入場時に手渡された封筒の中身を見る。封筒の表面に描かれた目の模様はひとつひとつ手描きで、CHAQLA.がどれだけこのステージに心を込めているかが伝わる。中にはご挨拶文が入っていて、今日という日の作品のキャプションを読んでいるかのように思えた。
ライブは2部制のような構成になっており、初めの5曲は物語に沿って演奏が行われた。とある5人の歩みを描いた物語は、ステージ後方のスクリーンに映像を通して語られる。覆面の語り部は、階段の上で淡々と語る。映像が終わると、仮面をつけたメンバーが控えめなパフォーマンスで演奏をするという流れだった。普段のCHAQLA.は感情をそのまま載せたようなパフォーマンスをしているので、客席のチャクラーたちは若干の戸惑いの色を見せつついつも通りの振りを行うという少し変わった空間がそこにあった。
しかし、物語によってつなぎ合わされた各楽曲の世界観に浸るという流れは、ステージの装飾と相成って何かの展示を見ているような感覚に陥った。普段とは違う形ではあるものの、CHAQLA.の芸術の世界に引きずり込まれていくのが解った。
5曲目が終わると、メンバーたちが袖にはけていく。告知の映像をはさむと、聞きなれたSEが流れ、仮面を外したメンバーたちがステージに登場した。CHAQLA.のロゴが刻まれた大きなバックドロップが、ステージ後方を覆う。
5人の物語が終わって、CHAQLA.の物語が始まったと私は感じた。
アニィさんの煽りとともに、リーインカーネーションの冒頭の、逆再生のような音が流れる。先程とは打って変わって、いつもの感情に溢れたCHAQLA.のライブが始まった。
ステージから客席までエネルギーに満ち溢れたライブだった。大きなステージをのびのびと使い、全力で今日という日を魅せようというメンバーのパフォーマンスにアドレナリンが出まくった。
基本的にライブ中はテンションがおかしくなっているので、ステージ上で起きたことを細かく覚えていられない性質ではあるが、のあかさんとKaiさんが手を取り合って階段を駆け上るシーンはあまりにも眩しくて、何故か脳裏に焼き付いている。何か宗教画のような美しさがあった。キネマ俱楽部のステージを全力で楽しんでいるのが伝わってきた。
私はベースが大好きなので、いつも鷹乃助さんの前に入りベースを弾く手元を眺めては拝むタイプのキモータなのだが、今回はステージの隅々まで眺めたくなってしまって目がいくつあっても足りなかった。
キネマ俱楽部はホールなので、いつものライブより音の広がりを感じて、聴覚面でも新鮮だった。Bikkyさんが新しく取り入れたスネア、ゴジラくんも音の抜けがとてもよく、キネマ倶楽部の性質と相成ってより迫力のある演奏になっているなと個人的に思った。
セットリストも熱かった。個人的には、「異」でのフリースタイルから「SINK SPIDER」、「イエス」などのミドルテンポの楽曲から「Lucky strike」を挟み、「BACK TO THE FUTURE」で一気に加速する流れが最高だった(私が「イエス」と「BACK TO THE FUTURE」が大好きだというのもある。特に「イエス」のベースは本当に格好良くて大好き…)。
CHAQLA.の楽曲はミドルテンポの曲もハイテンポの曲もそれぞれ違ったCHAQLA.の一面を感じられるのだが、この流れはCHAQLA.のそれぞれの面が綺麗に繋がったような感じがして、最高にテンションが上がった。
そんなセトリも最高な今回のワンマンで、今でも鮮明に音が思い出せるほど印象に残った楽曲は「愛」だ。それまで声と音に溢れていた会場が、アニィさんのアカペラのタイミングでサッと静寂に包まれる。のびやかなアニィさんの歌声が反響して、静寂の中に優しく溶けていく。「存在の意味を」と勢いよくアニィさんが投げかけると、ワッと演奏が入り、会場に溶け込んだアニィさんの歌声を一気に拾い上げるようにして再び会場を轟音で包み込んでいく。あの瞬間、あまりにも格好良すぎて涙が出た。格好良すぎて泣く、という体験をしたのは久々だった。ここ数年、涙を流したライブは解散ライブや活動休止ライブなど、悲しいライブが多かった。この日流した涙は、CHAQLA.というバンドの未来を強く感じた前向きな涙だった。
アンコールで「PLAY BACK!!」をやる時、アニィさんが「何度でもやり直せる!」と言っていたが、何度でもやり直せるなら、私はこのキネマ俱楽部ワンマンを何度でも観たいと今でも思う。でもMCの時、「キネマ俱楽部リベンジする」と言っていたので、きっとこの日以上に良いものを必ず見せてくれるだろうという確信もある。実際、ライブを観る度にどんどん格好良くなっているのを実感しているからだ。
まずは2月のブラホ2days、2日間に渡ってCHAQLA.はどんな世界を見せてくれるのだろうと今からわくわくしている。チケット取れますように。
そして再びキネマ俱楽部に立つCHAQLA.は、どんな姿をしているのだろうか。その日がくるのが待ち遠しい。