あたまのなかみ⑫
最近、思い切ってApple Watchを買った。現金で一括。一番グレードの低いシンプルなものではあるが、ボーナス制度のない会社に勤めている私にとっては結構思い切った買い物で、すっごくドキドキした。ここ数年割と体調を崩していたので、そろそろちゃんと体調を鑑みたいと思って、ずっと購入を検討していたのだ。
実際につけてみて、こんなこともできるのか、あんなこともできるのかと機能の多さに毎日新鮮に驚いている。使いこなせるかな~とぼんやり不安感もあるけれど、「すっごく欲しかったちょっと良いものを買って、身に着けている」という事実で何となく気分が明るくなる。
数年前の鬱が酷くて動けなかった時期、働けなかった時期の自分から見たら、一括でApple Watchを買うなんて想像もしてなかっただろう。「きっとこれから私はこの常に半壊している精神の為に無理な仕事もできず、大して稼げもせず、たまに好きなバンドのライブに行くのが最も大きな消費行動で、でかい買い物とかもできず細々と生きていくんだろうな」みたいな諦観がずっと自分の中にあったような気がする。「私、意外と頑張って仕事できてるし、ライブにもそれなりに行けてるし、そこそこ大きな買い物もできたよ」って数年前の自分に言ってあげたいな。
ライブが生きがいなので、ライブにさえ行けていれば割と安泰かもしれないと思っていたが、こういう手元に残るものにお金をかけると、またライブとは違った充足感があるんだなと思った。
今すごく楽しみなのは、Apple Watchを着けてライブハウスに行くこと。ライブハウスの中っていったい何dbくらいなのか。日常生活だとあの騒音機能?みたいなやつで大きな数字が出ることって中々ないけど、ライブハウスだとそこそこの数字が出るんじゃないか。私の大好きなあの大きな音たちが数値化されることってまずないし。
今度久々にCHAQLA.のライブに行く。最後が8月だったから2ヶ月振りくらい?CHAQLA.を好きになってからほぼ毎月ライブに行っていたから、すごく間が空いたように感じる。9月はSadieの最高3マンがあったから空虚感みたいなのはなかったけれど。Apple Watchのライブハウスデビューは池袋EDGEでのCHAQLA.だね。
そういえば、来年はSadieがツアーをやるし、野音もやる。CHAQLA.も2daysワンマンをする。もう既に楽しみすぎて、もう今年終わっても良いなとすら思う。来年まで生きる理由があるのってこんなにも嬉しいんだなと心の底から思う。相変わらず道にもなっていないような地面を血まみれになりながら歩いているような毎日だけど、途中途中で好きなバンドたちがライブをしてくれて、それを立ち止まって観ている時間は痛みも和らぐ。その瞬間のおかげで歩き続けることができているんだと最近強く感じる。
V系というジャンル自体が衰退しつつある今日、それでもお化粧をして独特な世界観を維持し、V系であるという意思表示をしてくれているバンドは本当に尊い。私だけでなく、きっと救われているバンギャルはごまんといるだろう。あの薄暗いライブハウスで頭を振ることで息をしている実感を得てる人間がたくさんいるだろう。
だから好きなバンドには常に感謝しておきたい。
Sadie復活してくれてありがとう。CHAQLA.活動し続けてくれてありがとう。そのほかのV系バンドのみんなも、V系でいてくれてありがとう。
Sadieのツアーの初日までには、Apple Watch使いこなすぞー