やさしさに包まれたなら
こんにちは、犬です。
皆さん、人を見た目で判断しますか?
僕はします。
むしろ見た目というのは判断するためのものです。
見た目とは、
顔立ちや体型だけではなく
身なりや立ち振る舞いを含めた外見です。
先日、満員電車に乗っていると、何故か人が密集していない空間がありました。
見ると、シートに座る一人の男性の周囲が空いていました。
その男性は、金髪、首元に見えるタトゥー、
くたびれたスカジャンにジーパン、
深く腰をかけて両足を投げ出して、
大口を開けて寝ており(もちろんノーマスク)
なぜかチャックは全開でした。
僕は、おそらく周囲の人達と同様に
「近づいちゃいけない人だ」
と思いました。
もちろんそれは外見以上に、公共の場に相応しくない居住まいであることから、マナーや公共意識のない人だという判断が働いた部分もあると思います。
その金髪タトゥーチンピラファッション男性がちょこんと礼儀正しく座っていたら何も思わなかったかもしれません。
ただ、↑で書いた通り「チンピラ」と判断されるファッションというものがあることも事実です。
野蛮な行為や振る舞いを好む人たちに愛されるファッションだという認識がいつの間にか刷り込まれています。
「こういう見た目の人ってこういう傾向だよね」といった認識は経験則に基づくイメージから作られるものです。
PUMAジャージを着てキティサンダルを履く少年少女はシンナーを吸います。
上はジャケットで下はハーフパンツを履く男性は荷物が少ないです。
猫をモチーフにしたニーソックスを履く女性はメンヘラツイートをします。
こういうのを偏見と言います。
さて、そんな僕は先日、
ヘッドスパに行ったときにセラピストさんから「優しそうな見た目」と言われました。
この言葉、よく言われるのですが、
考えれば考えるほど意味がわからなくなります。
そもそもこれは誉め言葉なのでしょうか。
優しそうな見た目があるなら、
優しくなさそうな見た目もあるのでしょうか。
あぁ、金髪タトゥーチンピラファッションか。
見た目が優しそうというのは、
いわゆる柔和なイメージということなんだろうなと思いますが、
実際には僕は全然優しい性格ではありません。
そもそも、優しいとはなんでしょう。
調べてみましょう。
「優しい」の語源は「痩せるような思い」なんですね。知りませんでした。
上記の中の、
3 性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。
4 悪い影響を与えない。刺激が少ない。
6 控え目に振る舞い、つつましやかである。
であれば、
僕を指して「優しそうな見た目」というのも納得できました。
特に3に関しては、僕と初対面の人は抱きやすいイメージかもしれません。
少し関わった人には全然穏和じゃないことがバレますが。
一方で、僕が「優しそう」と聞いて思い浮かんだのが
2 他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。
だったから、齟齬があったわけですね。
この優しいは僕には該当しません。
なぜ優しくないかというと、
自分にとって大事な人に対してしか思いやりを持てないからです。
一般的に「友達には優しい」なんてよく聞きますが、
自分にとって大事な人を大事にするのは普通のことで、
優しいでも何でもないと思います。
優しいというのは、大事じゃない他人にも思いやりを持てる人のことだと思います。
たまに、赤の他人の僕に優しくしてくれる人なんかを見ると、
「おお、本物の優しい人だ」と思って感動します。
僕は「優しそうな見た目」と言われると複雑な気持ちになります。
「優しそう」と思われても実際には優しくなかった場合、
「優しくない」という印象が強くなると思います。
そう考えると、優しそうな見た目というのはデメリットでしかありません。
優しくなさそうな見た目なら、
実際に優しくなくても何も思われないし、
もし優しかった場合に好感度は爆上がりするでしょう。
ずるい。
皆さんも「優しそう」と思われたくなかったら、
金髪にしてタトゥーを入れてくたびれたスカジャンを着てボロボロのジーパンを履きましょう。
僕はしません。
かわいくないので。