納税、狂おしき快楽
世の中に快楽は数あれど
納税ほどの快楽はない
納税
まずこの響きがいい
NohZei
繰り返し声に出して読みたくなる
昼夜問わず汗水垂らして稼いだなけなしの銭
できるならそのすべてを納税したい
しかし悲しいかな
その願いは叶わない
家賃や
食費や
文章通信交通費やらを払わねば
生活を営めず
仕事はままならず
詰まるところ
収入を得られず
ひいては納税
アキラ(18)
めざる(♀)
ヲエズ(男女混声・初出場)
という
オチがついてしまう
ところで私は昨晩
ネオンきらめく繁華街に赴き
実にひさかたぶりに
妻とふたりで納税を愉しんだ
納税で火照った頬と
冬の風が融け合い
小学生のころに図工の時間で嗅いだ
湿った絵筆の匂いがした
納税は快楽だ
そして快楽には責任がつきまとう
そこで私は気付いた
責任もまた
快楽に違いないではないか
と