恥 ばっか書いてる
まあ べつにええねんけど
ガソリンみたいなもんやから
知ったかぶったり
空気を読まなかったり
思いつきでしょーもないこと歌ったり
酔った勢いでデカいクチたたいたり
ラジバンダリ
な いまだってほら
モハメドアリ 石川セリ
だから 今日も
正気でいられない
笑気ガスなら吸い込みたい
地に足を着けたくない
ちょっとくらい あいわなどんくらい 床から浮かばさせてくれ
そういえば
むかし 雑誌の編集部にいたとき
直属のデスクが手品にハマり
連日マジックショップに通っては
あたらしいワザを披露してくるという
不条理があった
あれは確か 入稿直前のドタバタしてた深夜2時くらい
例のごとく 机の前に呼び出され
「なあ いまからちょっと浮くマジック見せたるから
ちゃんと見とけよ」
え 浮くってなにがっすか?
「阿呆 オレがカラダごと浮くんじゃ」
なぜか怒られた
おそらく世界初の「浮くハラ」
ともかく しばらくのち デスクは浮いた
あー ほんまっすね 浮いてます浮いてます
すごいっす
「せやろ 2cmくらい浮いてるやろ」
デスクはゴキゲン
でも あんとき 正直じつは 浮いてるようには見えなんだ
なんで浮いて見えなかったのか 今なら分かる
だって ぼくも浮いてたから
いや もうかれこれ いかれこれ ああこれこれ
ずっと浮きっぱなし 恥かきっぱなし これまじのはなし もう打つ手なし
で 今もまだ浮いてる
どうやら 地に足は着きそうにない
今だって こんなとこに立ってワケの分からんことやってる
誰に乞われたわけでも 強要されたわけでもなく
わざわざ新幹線 乗って 花の東京まで
恥 書きにきてる
とりあえず 阪本順治の「顔」で藤原直美が言ってたように
おなかが減ったらごはんを食べよう
先のことはなるべく考えへん
使い古されたコトバやけど
旅の恥は掻き捨て ナマステ そこどけ あんただれ?
さいぜんから
おれはドアを開けたり閉めたりしている
もちろん 意味などない
ただ やらざるを得ない
心がざわついて じっとしていられない
じゃーぼくは
うそみたいに光ってる川のほうへ行ってくる
そこにはたぶん なんにもないけど
そこにはたぶん なんにもないけど
そこにはたぶん なんにもないけど
阿呆みたいに2cm浮きながら
恥書いて
書いて書いて書きまくって
この世界を飲み尽くす