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オーストラリアへの船出は思ってもみない結果になる

さて。月日を遡って2016年12月。2週間の検疫を考えて(大号泣してから)犬を先に送り出し、人間3人は観光ビザを持ってオーストラリアへ旅立つ事になったのであります。契約を交わした会社(A社)からは、私たちのビジネスビザを申請準備中との話を聞いていました。私に英語力のセンスがあって、いや、違うな、英語に対して最大限の努力が向けられてIELTSの点数がクリアできてたら、すぐに永住権の申請ができたのに。それでもビジネスビザが切れる2年後には永住権という目処が立っている。だから大丈夫。

最初の3日間はホテル住まい。早く家を決めないと。ペットOKの。犬が検疫所からやってくる前に。という事で、日本から予め連絡を取っておいた、現地のとても親切な日本人夫婦に手伝ってもらい、家のオーナーと交渉していただき、なんとか住まいは確保しました。冷静になって考えれば、よく観光ビザの家族、しかもペット付きに貸してくれたものです。とても古くて虫がたくさん出る家だったけれど、オーナー直貸しのお陰で話が通りやすくて助かりました。なかなか持ってるな、私たち。

そして家が決まったら次は早速ビジネスのお話。A社の社長と対面して、日本食を食べながら今後の展望などを語り合いました。未来は明るいのです。

それから暫く、主に夫が仕事を覚えるために社長と話すことが増え、忙しく過ごしていました。

でも、ビザは?いつビジネスビザ降りる?

2月に入り、流石にビザコンサルタントから何の音沙汰もない事に焦りを感じ始めました。A社側がやり取りしているはずなのに誰も何も言ってこない。どちらに聞いても、足りない書類があってまだ時間がかかっていると。ねえ、観光ビザって3ヶ月なんですよ。3月中旬までに申請できなかったら私たちどうなるの?だんだん家の中も余裕がなくなり、いつもギスギスしていた気がします。騙されてるんじゃないか?なんていう気持ちも沸いてきたりしてね。

それからたくさんゴタゴタした日々があったのですが、漸くビザコンサルタントからA社に連絡があったのは3月のある金曜日。週明けに申請します!との事でした。(ちなみに、途中で観光ビザは延長しました。)

その日はホッとして、これで正式に働けるからお金も入るし、落ち着いて生活できる!と嬉しくて堪らなかったのを覚えています。でもここで気を抜いたから天から見放されたんでしょうか?申請するはずだった週明けは、とても衝撃的な記事と共に迎える事になります。

労働党の勝利。

移民政策が即日で変更され、せっかく申請するはずだった書類はもはや紙屑となる。そして、年齢制限が引き下げられ、私たちは将来に渡って永住権の申請が不可能となる。

嘘であって欲しいと願いながらビザコンサルタントに問い合わせしました。が、結論として私の英文読解は正しいと言う事でした。皮肉にもIELTSを勉強して一番最初に役立った重要場面となりました。

さあ、どうしよう?

コンサルタントは、「まだ正式に政策が確定されていないから、少し様子をみましょう」と言う。でも、延長した観光ビザは6月に切れる。そうしたら?そこまで待っても確定しなかったら?あるいはこのまま確定したら?

私は帰国したい。夫は帰国したくない。この時期は本当に精神的に病みました。楽しかった仕事を辞めた自分を責めました。あの時、「うん、オーストラリアに行こう」と賛同した自分を。

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