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肛門腺の摘出手術しました

肛門膿炎診断まで

自分への備忘録も兼ねて。
肛門線の病気って全然頭になかったので、今回初めて色々ググったりして、この8ヶ月ほどは結構疲労困憊でした。
うちのパピヨンは、今14歳半くらいです。
9歳の時にオーストラリアに連れてきました。
これまで5回の手術はあれど、内臓の病気はなくてなかなか丈夫な子です。
最初の手術は去勢。超痛がりでキュンキュン言いながら立ち寝してた思い出。次はパテラ。金属入れてもらったけど、もう外れてる模様。でも痛がらないのでそのまま関節サプリを飲ませてます。3度目は抜歯。日本の犬専門歯医者さんで。4度目も抜歯。オーストラリア行きが決まってる段階で歯槽膿漏悪化してて、日本のとても信用していたかかりつけのお医者さんに、「オーストラリアの医療でやってもらった方がいいよ」と言われ初めてこっちの病院で。最後も抜歯。残っていた歯も歯茎に悪さして結局全部抜くことに。
それから4年くらい何事もなく、年齢由来の肝臓の数値が高めに出るくらいで、ハッピーに過ごしてました。
と、思ってました。
でも去年の10月位から、やたら足の付け根を気にするようになって舐める。
パテラだし、そこを庇って今度は股関節が痛いんじゃないかと獣医さんに相談して痛み止めをもらったり。
それを飲ませると治った感じになって、やっぱり股関節かな?と思ってたのですが。
12月に入ると散歩中にも座り込むようになって、何かがおかしい。
なんだろう・・蟻に噛まれたか・・(ここではよく噛まれるので)。
様子を見ているうちに、ある日息が猛烈に激しくなり、なんとなく後ろ姿を見たら肛門が真っ赤に盛り上がっていました。何が起きてるか分からない。
唯ならぬ事態に、即かかりつけ医に駆け込みました。
獣医さんは予約してないと見てもらえない前提があるけど、ここはダメ元で。受付のお姉さんに「緊急なので見てください!ここの獣医さんがうちのかかりつけ医なんです!」的なことを訴えた結果、「救急に行ってください。」とあっさり言われました。
でもね、こっちの知り合いに昔言われた「人生すべてネゴシエーション」って言葉に感銘を受けていたので、もう一度食い下がってなんとかねじ込んでもらいました。
予約してた方々、お待たせしてごめんなさい・・

色んな場所にあるチェーン病院なので、先生がシフトによって変わるんだけど、この日にいた人が運良く救急医療上がりのお医者さんで、テキパキと対処してくださったおかげで、肛門腺の洗浄から薬の処方まで滞りなく終わり、その後は経過観察しながら抗生物質を2週間ほど飲ませてキレイに治りました。

再発を繰り返す

そこからは1週間毎に通院してその後、2週間毎、1ヶ月毎の間隔になり、最後に「もう大丈夫。3ヶ月後でいいよ。」と言われて喜んだのも束の間、その2週間後に再発。
急いで診察してもらって、また洗浄してもらって抗生物質を飲ませる生活。その時は治るけど、薬が終わるとすぐ再発する。また違う抗生物質飲ませる。こんなことを繰り返しているうちに、抗生物質自体が肛門に効かなくなって、むしろ免疫を下げて目がおかしくなってきました。
こんな小さな体に抗生物質4ヶ月近く飲ませ続けて、飲ませてるのに再発して、毎週、ひどい時には週に2回も通院することになって犬も家族も疲弊。
それでもお医者さんは老犬であることを理由に、手術は避けたいと言い続けていました。
そうやって同じ治療を続けている間に、我が家の老犬は食欲もなくなってきて睡眠も取れなくなってきて、このまま死んじゃうんじゃないかって心配は常に頭の中にありました。

手術まで

もうこんな生活は犬にとっても家族にとっても限界だと思っていた頃、獣医さんから手術の宣告を受けました。ものすごく時間をかけてリスクの話をされました。手術中に死んでしまうリスク。手術の過程で肛門周辺の神経に触れてしまうことで今後の生活が垂れ流しになるリスク。でも、このまま効かない薬を飲ませ続ける選択肢はありませんでした。飲ませても、もう吐いてしまいます。生きて帰ってきてくれれば、オムツで対応すればいい。生きて帰ってくる。そこだけ。一番信頼している獣医さんに託しました。
手術の予約はここから1週間後。もしまたこの間に破裂して傷ができてしまうと手術ができなくなってしまう。
再発させないように、破裂させないように、その間はとにかく気を遣って、吐いてしまう抗生物質も頑張って飲ませていました。

手術〜その後

当日は食事抜きで朝の8時半頃連れて行きました。
「大丈夫。今日は3人のドクターと4人のナースがいるから。みんなで全力尽くすからね。」という受付のお姉さんの言葉に涙腺崩壊しました。
一番励みになったのは、彼女も18歳の犬を飼っていて、16歳の時に手術をした経験があるということ。【大丈夫】の言葉に力をもらった気がしました。
「手術は大体1時間。麻酔から覚めてしばらく様子見てランチ時間の後くらいには電話するね」と言われて一旦帰宅しました。
自分にできることはないのですがとにかく何も手につかなくて、アマプラで逃げ恥なんかを見てました。お天気もめちゃくちゃ悪くて寒くて、こんなに気が滅入るシチュエーションはない。
やっとランチタイム。まだ電話こない。13時を過ぎて、まだこない。14時になっても。もしや麻酔から起きないのではという心配が脳みそを支配し始めた15時前に、やっと主治医から電話が鳴りました。
こんな時でも「Hi, How are you?」で始まる電話。とても「Gooooood」とは言えない。
でもすぐに、手術が無事に成功したこと、麻酔から覚めてるけどまだボーッとしてること、これから暫くの間は薬を飲ませること、1時間後に迎えに来ること、などの話がありました。
興味深かったのは、「肛門腺って普通4時と8時の位置にあるけど、この子は10時と2時の位置にあったよ。だから排便の時に一緒に排出し辛かったのかもね。」というお話。そうだったのか。
予定通り迎えに行くと、みんな笑顔で迎えてくれてすごく嬉しかった。写真もたくさん撮ってくれていて、彼は頑張ったんだよって讃えてくれました。
ちゃっかりFacebookにも載せてくれたりしてます。

今は手術からようやく1週間が経とうとしています。
エリザベスカラーからの解放とお散歩は2週間後からなので、あと1週間はおうち生活です。
肛門の傷は痛々しいし、こっちならではの毛刈りの雑さで貧弱なパピヨンになってますが、段々元気になってます。
食欲も元に戻ったし、眠れるようになったし、術後暫く下痢だった排便もだいぶ良くなりました。リスクで説明された垂れ流しということもありません。
あとは目が治ったら普段通りの平和な日常になりそうだなと思っています。
ちなみに手術代は全て込みで$2,300くらいでした。
今の為替で直すと22万円くらいですね。

そもそも肛門膿炎ってなに

今回初めて知って、初めて色々調べ倒しました。

犬はスカンクと同様に匂い袋があって、それが肛門腺←知ってる。
その匂いを排便時に少し出して情報として残す←知ってる。
小型犬は上手に自力で排泄できないこともある←知ってる。
その場合は定期的に出してあげる←知ってる。
溜まったらお尻を引き摺るなどのサインがある←知ってる。

そして溜まった状態に何かしら細菌が感染すると膿が溜まり、ひどくなると皮膚が破裂して膿が出てくる←知らない。
肛門膿炎は小型犬がなりやすい←知らない。
肛門膿炎は再発しやすい←知らない。
再発したら手術となる←知らない。

小型犬がなりやすい症例として獣医さんのブログなどに書いてるのですが、
患者側からの情報はほとんどありませんでした。
小型犬がなりやすいけど、肛門腺絞ってるからほとんどならないのかな。
うちの老犬も日本人のトリマーさんに定期的に絞っていただいてたのですが、ある時からとても痛がるようになって、しかも出ないので、溜まっているサインが出るまで様子見ましょうっていうことになったんです。
これで放置し過ぎました。せめてお尻を引き摺るというサインがあれば。。と思いましたが、今なら繊維質のサツマイモとかカボチャとかを、なんならファイバーのサプリメントをフードと一緒にあげれば良かったんです。
これも獣医さんに教えていただきました。
あとは、やっぱり老犬になると排便の際に一緒に出す筋肉も衰えてくるので、出す量より溜まってしまうスピードの方が早くなるかもと思いました。
とはいえ、うちの子はそもそも肛門腺の位置がズレていたので、やっぱり頑張って絞らないとダメだったかも知れません。
ちなみに。こちらの獣医さんは直接指を肛門線に突っ込んで掻き出します。
日本のように絞ることはしません。結構衝撃的でした。





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