ELBコースの内容とは
English Language Bridging だったかな。略してELB。
このコースは大学とか大学院進学を目指してるけどちょっと英語力足りないよねって人たちが通います。
確かIELTSのスコアが5.5だと17週間で、6.0だと10週間。大学の必要スコアが6.0以上で大学院が6.5以上だったと記憶してます。学部や専攻によって必要なスコアは変わってきて、私は会計修士だったので6.5が必要な中、どんだけ頑張っても6.0しか取れなくてELBは必須だったわけです。
私が通っていた学校は、朝8時〜10時と11時〜13時半が授業時間でした。
あ、水曜日だけ12時とかで終わってたかも。この日は本当に心のオアシス。
担任は2人。1人は主にスピーキング系の担当でもう1人はそれ以外というようにざっくり決まっていたようですが、最後の方になるとごちゃ混ぜでした。
授業の中身
授業内容は、文法、ライティング、スピーキング、リーディング、ディスカッション、プレゼン、リスニング。文法とリーディングの束の間の時間以外はほぼ死亡してた、本当に地獄の毎日でした。
まずスピーキングの苦手意識が全く取れないし、それなのにグループでのディスカッションとか一言も喋れるわけない。リスニングもできないから、みんなが何言ってんのか分かんないし、そのまま授業終了的なことも多々。でもこれだと友達もできなくて、授業のスコアも取れなくて、どうしたらELBコースを無事に卒業できるんだろうかと、よく泣いてました。
そんな毎日を送る中、事務局に日本人女性がいたのを思い出し、メールを出しました。
「無理です。どうしたらついていけるんでしょう。何をしたら。。」という、今思えば子どもじみた内容です。でも当時は精神的に病んでいたと思われ、藁をもすがる思いでした。
返ってきたメールはとても優しく、面接してくれるということに。
お部屋に行く途中で担任と遭遇。そりゃそうだ。教職員用の建物だもの。
ちょっと気まずい気がしたものの、事務局の女性の部屋を探す。
見つけた瞬間涙が溢れて、その女性に大変お世話になりました。
そこで、担任の1人は日本の学校で教えてたことがあるから日本語ができるという情報をゲット。でも、ELBで英語以外を話すのは先生として厳格に禁止されているそうです。意味ないじゃん。
でもまあ、人って状況を理解できる人に話を聞いてもらうだけでもだいぶ楽になるもので、ちょっと頑張ってみようと思いながらその日は家に帰りました。
その日から間もなく、あっという間にまたメンタルが崩壊しそうになり、私は日本語が実は分かるという担任を授業後に捕まえて、「リスニングの勉強」についてアドバイスを求めました。色々言われたけど、最後に「頑張ってください」って言われたの。日本語で。何だかまるで大好きな推しの人に話しかけられたみたいな高揚感があって、その一言で頑張れる気がしたよ。やっぱりメンタルおかしかったんだなー。
授業内容のさらに細かいお話
書いてたら辛い毎日が思い出されてすっかり脱線しました。日本でガッツリ育った私にとって、この時間は文法だよーとか言われて安心してても、それは先生の説明を聞いてノートに書いて問題を解くっていう形でなかったことがびっくり。結局は、その知識をもとにグループディスカッションとかになります。常に話す状況になるのでストレス半端なかったな。
ということで、全部に会話は絡んでくるし、発言しないと成績がつかないので卒業できません。意地でもなんか言わないとだめ。
ここから印象に残ってて、さらに分解できるものの内容を列挙してみる。
ライティング
これはエッセイを書いて提出するのが必要です。大学や大学院のやり方と全く同じように、テーマに沿って文献を探して、APA方式で書いていきます。IELTSとは全く違うということは先生も言ってましたが、本当に違うのでこれに関してはELBに行っておいて本当に良かったなと思いました。書くことは自分のペースでできるし、私にとってはそこまで苦痛ではなかったです。文献を読んでも自信がない時は、日本の似たような文献を読み漁って理解を深めたりしました。ネットでたくさん検索できる今はいい時代です。多分20年〜30年前とかだったら卒業できてないかも。
プレゼンテーション
グループワークです。自分で所属できるグループを探すところからスタート。自分が苦手だと感じたら、得意な人のグループに入れてもらうのがおすすめです。みんなが苦手だとまとまらないし、自信のないまま進めることになって非常にストレス。得意な人に引っ張ってってもらうのがベストかなと。私は、イランの子とインド人2人のグループに入れてもらいました。
テーマはあるので、担当を決めたらPower Pointを作成して、自分の担当のページを話すという流れ。1人2分くらいだったと思います。
その後は質疑応答も受けるので、どんな質問がくるか予想して答えを考えておくのが一番大変だったかも・・・。
ちなみにカンペは見ないので、私はセリフを書いて必死に覚えました。
質問するのも必須なので、他のグループのプレゼンはメモをとりながら聞いてました。先生から名指しされたら質問しないといけなくて、その順番はいつ来るか分からないという、緊張感漂う時間。
このプレゼン発表の授業の時、結局私が名指しされたのは最後の最後だったのですが、なんと先生に初めて褒められるという出来事が。
「みんなもこういう質問をするようにすると良いよ。」まで言われて、急に注目の的に。
質問内容は、「A=Aというお話をしていましたが、A=Bという考え方もできませんか?世の中ではそういう例もありますよね?」というような感じでした。これがどうやらクリティカル・シンキングらしい。
リスニング
宿題が出てました。TED edという、英語を勉強中の方には超有名なTEDの教育バージョンから一つ選んで要点を記録していくという作業。最初にタイトルを見て、出てくる可能性のありそうな単語をできるだけ多く推測して書いておく→実際に聞いてみて要約するという手順。全てにスクリプトがあるわけではないので、本当に自分の耳が頼りになります。聞けるようになるまで何度も聞き返すのが大事。すごく手間がかかる。でも他にもやらなくちゃいけないことがてんこ盛りということで、サボったことも多々。ただし卒業が近くなってくると提出しないといけないので、サボったまま置いておくことはできずに帳尻を合わせる必要はあります。溜めまくって最後めちゃくちゃ大変だった。
ディスカッション
多様性がテーマの題材を読んで、それぞれの問題点、自分の考えを4〜5人のグループで話し合いました。自分の考えてることって他の人も大抵考えてるので、早く言った方が楽だなと思った記憶。グループになった他の人の意見も聞かなくちゃいけなくて、それを受けてまた自分の考えを言う流れになっていたので、リスニングもできないといけないし肉付けしていく能力も必要です。
文法
上にも書いたように、文法だけやる時間ってかなり少なかったけど、授業中にテストは2、3回あったかな。80点以上は取れたけど、実はこれって日本人特有みたいですね。いつもは喋れない大人しい私が高得点を取ってて全員びっくりしてたのを思い出します。「え?マジで?」的な雰囲気。
卒業テスト
最終週には卒業テストがあって、授業態度で高得点取れてたとしてもここで落としたら卒業できません。
授業自体も8週目位になってくるとテストに向けてラストスパートがかかってきたように思います。
卒業テスト当日に行うものは4科目。文法、リスニング、ディスカッション、プレゼン。そのうち、ディスカッションとプレゼンは授業でやった内容と同じです。内容は同じだけどディスカッションのグループは当日にならないと発表されず、メンバーが誰かによってやりやすさが変わるなと思いました。
いくらクラスメイトとはいえ、普段の授業で触れ合うメンバーって固定されがちなので、あまり話したことがない人だと余計何言ってるか分からないんですよね。リスニング難しい。
実際、私はここでコケました。採点者は噂によると甘い先生だったらしいけど、グループメンバーが何言ってんのか分からないのと、出遅れたために意見が一通り出てしまってパニックに陥るという。でも、無言でいるわけにもいかないので、「先ほど〇〇も言ってましたが〜」みたいに話を戻してしまったりして、評価は低かった。「もっと人の話を聞きましょう」的な。
ですよね。
プレゼンはトップバッターだったけど、その時間にイラン人のメンバーが来ない。本人に電話かけたら図書館で悠長にコピーしてるという。遅刻したら0点って事前に言われてたんですよ。先生に頼み込んでなんとか事なきを得たけど、もう気が気じゃなかった。
ちなみに質疑応答の時は、みんながクリティカル・シンキングを習得していたようで、ちょっと面白かった。
文法はそんなに難しくなくて、授業の中で8割取れるようなら問題なし。
リスニングは、実際の大学の講義を見て要約を書いていくようなものだった記憶。自分の得意分野だったらラッキーだけど、私は違いました。「あーだめだ。」って思ったけど、なんとかパスできてました。
卒業
全てのテストでパスできて、やっと卒業。
総合評価のコメントには「もっと授業に参加しましょう」って書いてあった。それはそうだ。
この一連のテストにパスできなかったのは私が知ってるのは2人。
1人はライティングの提出期限を守らなかった人。もう1人は、すごく良い子なんだけど適当さが目立ってた。授業中にマンガ読んだり(え?)。
2人とももう一度ELBやり直しとなり、全員で卒業できなかったことが悲しい思い出となってます。
ダラダラと書いた思い出を読んでくださってありがとうございます。
でももし誰かの参考になれたらとても嬉しいなと思っています!
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