砂漠の真ん中でも待ち合わせができる「what3words」
今回は私が仕事の休憩中に偶然見つけたサービスを紹介します。
位置情報を相手に伝える方法
皆さんは人と待ち合わせする時どうやってしますか?周りの目印になりそうな建物を教えたり、待ち合わせスポットであったりすると思います。しかし目印が見つからなかったり、大型施設の入り口等で待ち合わせをした時、入り口が多すぎて分からなくなるみたいな事もあると思います。
そこでオススメなのが、今回紹介する「what3words」というサービスです。
こちらもGPSのような位置情報を提供するサービスですが、その位置の特定の仕方がとてもユニークです。
なんと地球を3メートル四方に区切って、その1つ1つの正方形に名前をつけることで位置の特定を行います。その名前が単語3つでできているので、「what3words」というわけです。海岸や野外フェス会場の中で簡単に待ち合わせができる他、会場の入り口のようなピンポイントの位置も指定する事ができます。シンプルな考え方ですが精度はGPSと同じです。共有したい位置を指定した後は、ワードを共有するか、URLを送ればすぐに待ち合わせができます。
海外の事例だと、デリバリーや車の自動運転技術に使われています。例えばタクシーを呼ぶ時に使えば反対車線に来てしまう事を防げたり、野外イベントで建てた自分のテントにデリバリーを呼ぶ事ができます。それこそタイトルにもあるように、砂漠の真ん中でも待ち合わせが可能です。
日本だとイメージしにくいですが、世界には住所がきちんと定められていない国も存在します。そんな中でも郵便や物資を届ける事ができます。
普段大変だったコミケ後の待ち合わせとか簡単になりそうだなと思ったのと、考え方がシンプルなのに強力なサービスだなと思ったので紹介させていただきました。みなさんもぜひ使ってみては?
コツとしてワードを共有する時は日本語ではなく英語で共有する方がいいです。日本語だとURLがエンコーディングされてしまって長くなってしまい、区切る所を間違えると相手に上手く共有できないです。英語だとエンコーディングされないので確実に伝えられます。
緯度経度と何が違う?
位置情報を相手に伝える方法として、緯度経度は従来から存在しています。確かに位置情報を伝えるなら緯度経度でも物足りますが、緯度経度だと長い数値になってしまいますが、「what3words」であれば3つの単語を伝えるだけなので、例えば電話で相手に位置を伝えやすいですね。
また「対人間」ではなく「対機械」に対して特に威力を発揮します。例えば「○○公園の近くにある大きな噴水の入り口へお願いします!」って音声認識をかけた場合、正しく解釈されて目的地にたどり着けるかどうかは微妙ですが「3つの単語」であれば今のAI技術であればほぼ確実に聞き分ける事ができます。
「3つの単語」であれば、人間にも優しいし、機械にも優しい。
人間であればいい感じのニュアンスで伝えられるかもしれませんが、どちらかというと機械に対して位置情報を伝える新たな方法として注目していけそうですね。
「自分」ではなく「スポット」の情報
自分の位置を教えるのではなく、例えば有名な観光名所や撮影スポットなど、住所だけでは特定しづらい場所に使うのも良さそうですね。「what3words」の単語は英語だけではなく様々な言語でサービス展開されています。海外から旅行に来た人がこういった位置情報を伝える時に、日本の住所だけだと伝えづらいですが、「3つの単語」でかつローカライズされているので伝えるのも容易です。
「what3words」は「住所の常識を変える」という考えで生まれたサービスなので、どちらかというとこういった使い方を想定しているのですね。