トレンドカラーって何? ~後編~
こんにちは。ドットエフです。
アパレル業界歴10年以上のアラサーメンズがファッション「そういえばなんで?」を皆様にお届けいたします。
本日のテーマは、
「トレンドカラー」〜洋服の色の流行りの不思議〜 後編
今回のテーマ興味ないよ〜って方は、他の記事覗いてからお帰りいただけたら光栄です。興味は人それぞれだと思います。見たいものを見るそれがファッションです。
前編ではトレンドカラーを決定し発信をしている組織をご紹介しました。
まだ読んでいない方は前編を見てから戻ってきてくれると嬉しいです。
では早速始めましょう。
②なんで早くからトレンドカラーを決めてしまうのか?
前編で「インターカラー」は2年前、「JAFCA」は1年半ほど前にトレンドカラーを発表すると書きました。果たしてそれはなぜなのか?
・もう少しギリギリで発表した方がみんな納得するんじゃないか?
・そんな前に言われても忘れちゃうよ。
・世の中の状況なんてそんな期間開けたら変わっちゃうんじゃないの?
っていう意見もあると思います。私もそう思ってました。
ではなぜそんな早く発表するのか。そこからようやくファッションに落とし込むからです。まだこの時点では2年後の服なんてできていません。
トレンドカラーに合う生地を探したり、デザインが始まります。一件自由気ままに作られているように見えても色々なものを加味して作られています。カラーもあくまで一要素ですが、全体の雰囲気が変わるので注目しているデザイナーさんはとても多いです。
下記のような流れで洋服は作られていきます。
このようなイメージでトレンドというものは徐々に目に見える形となっていきます。
③普段買う服もこんなに前から作られているの?
②では、トレンドカラーが発表されてから洋服ができるまでの大まかな流れを書きました。
ここでふと疑問に思うことがあるかと思います。
このまえ買ったあの服もそんなに前から作られているのかな?
それは言ってしまえば、ほぼありません。
2年後の想定ですぐ動き出すのは、パリコレなどのコレクションに出るようなブランドだけです。コレクションブランドはちょうど1年ほど前に新作を発表しています。そのため2年前からの情報が必要になります。
私たちが簡単に手に入るショッピングモールや街で良くみるショップは、それらの更に見てから動き出します。
なので、かなりギリギリから企画を始めます。そのためトレンドカラーを意識して作られているのことはあまりないと言ってしまってもいいかと思います。トレンドカラーの要素を入れたコレクションブランドを見て企画をするので間接的に取り入れているという表現が正しいです。
実際はこのようなイメージになります。
トレンドカラーが発表されてから私たちの元に届くまで長い時間経て、カラー以外の形の要素など色々なものが混ざった形となっております。私たちの元に届くころにはトレンドカラーというのは一要素の一つとしてそこまで重要な要素ではなくなっているのかなと思います。
ここだけの話
これは実際に業界にいる人しかわからない情報なのですが、昨今SNSの隆盛によりトレンドカラーなどの事前に決まっている要素のパワーが弱くなってきています。
SNSにより世界が変わったといっても過言ではありません。
1.トレンドの流れが変わるまでの時間がとても短くなった。
→特にshortやTik Tokにより短期間で多くの情報を手に入れることが可能になりました。それにより飽きというものが確実に早くなっています。売れなくなるまでのスピードが目に見えて変わりました。
2.トレンドが個人により依存する形になった。
→昔もカリスマ読モなどはいましたが、その人たちはあくまでその雑誌層に対する影響力だったかと思います。ですが今は個人で制約が少なく発信をできてしまう本来かかわらない層までの影響力を広げています。分かりやすく表現すると全盛期のキムタクや窪塚洋介クラスが密かにたくさんいるということです。そのインフルエンサーが動画でたまたま着てた服は急に問い合わせが増えます。急に売れます。それくらいファッション業界では影響が出ています。
それにより服を仕入れるバイヤーと呼ばれる職種は、知識としてトレンドカラーは当然知っていますが、SNSの動向に注目しているのが、現在の事実です。
正直トレンドを作り出しているわけではありません。後出しでどれだけ早く出すかという。本来の流れと逆転してしまっています。
個人的にはとても面白くなく、クリエイティブ要素が必要な業界のはずなのに一個もないなと思っています。
トレンドカラーに込められた想いは目の前のお金に負けてしまっているのが悲しい現実です。
④これまでの日本のトレンドカラー
トレンドカラーの現状など色々なことを書かせて頂きましたが、カラーはとても面白い要素です。それを紹介できればと思います。
深層心理で大きな影響を与えます。その時代の情勢や、社会問題、暮らしなどに合わせて分かりやすく変わります。
景気がいいとミニスカートが流行るという話もありますが、カラーにも同じ要素があります。
それでは日本の高度経済成長期から振り返って見てみましょう。
これは発表されたものではありません。時代を振り返ってまとめたものです。それによりどんな時代を歩んできたのかがよくわかり面白いです。
ファッションはその時代の人たちを読み解くのに、多くの情報を引き出すことができます。
そのように振り返ると影響を与えるということで、トレンドカラーの発信は大切だと分かってもらえたら嬉しいです。
⑤トレンドカラーの服は買った方がいいの?
ここまでトレンドカラーについて様々なことを書かせて頂きました。
結局のところそれで、
トレンドカラーは意識したほうがいいの?
トレンドカラーの服買った方がいいの?
ということになると思います。
意識して買う必要はありません。気づいたらお店この色多いな。トレンドカラーなのかな?くらいの認識でいいと思います。
というより、勝手に置いてあるので気づいたら買っている方が多いかと思います。
2021年のBEIGE
2022年のGREEN
のように気づいたら街に溢れています。もしかしたらピンとこないかも知れませんが、刺し色として定番商品にプラスして作った定番でした。
あくまで指標であって、適度に楽しんで見てください!
ぶっちゃけ流行しなかったみたいな色もザラにあります。
⑥2023年の春はどんな色を推している?
2023年は柔らかい色味がトレンドと言われています。
春らしくていい色だと思います。
街で本当にあるかなとみてくれれば、すこし面白くなると思うので探してください。
まとめ
2週にわたり長い時間お付き合いいただいてありがとうございました。トレンドカラーについてここまで話しているブログはあまりないかと思います。
少しでもファッションを楽しむ要素として楽しんでいただけたら幸いです。
長く書いた結論は、
なんとなくで理解して、こういう考え方もあるんだ~。
で充分だと思います。
ファッションは自由ですが、多くの人の想いがわかると少し愛着が出てくると思います。
また次回もなんとなく知ってるけど、わざわざ調べないことをお伝え出来れば嬉しいです。
では、また次回お会いしましょう。