リスキリングが必要なのは”働かないおじさん”の居場所がなくなってるから
どうも、ゑんどうです。
リスキリング、よく耳にするようになりましたね。みなさん、発音大丈夫ですか。リ・スキリングと区切るんじゃないんですよ。平らにリスキリングですからね。
“リスキリング”とは ~これからの日本に必要な“リスキリング”のカタチ~
産休・育休中のリスキリング発言で岸田首相が炎上しましたが、これは「産休・育休中の人の学びに支援した方がいいですよね?」って質問に「どんな境遇の人にも学び直したい人には支援する!」って宣言しただけなので、炎上していることの意味がちょっと理解できませんでした。
私は必要ですか? 社内失業と1億総叩き社会で広がる育休への無理解
とはいえ、もうちょっと慎重に言葉を選ぶべきだったとは思いますよ。
ただ、本当にリスキリングが必要なのは最近もいるのかどうかはわかりませんが、”働かないおじさん”だよねって思っているので、その辺を少し #ひとり会議 してみます。
■ なぜリスキリングが必要だと言われるのか
なぜ、リスキリングが必要とされるのか。
それは”働かないおじさん”の居場所がなくなってしまったためでしょう。
〝働かないおじさん〟を考える 生まれる理由は2つ 日本型の雇用システム、寿命が延び仕事の意味を自問
まったく持って妄想の域を出ませんが、仮に日本の解雇規制が緩和されたとします。解雇規制によって煽りを喰うのはスキルもないし成果も出すことができない無能側人材と、立ち回りだけが上手で実質的に役に立たない”働かないおじさん”です。
前者はボクのような人材のことで、何をいくらやったところで成果を出すことができない訳ですからスキルを身につけたところで成果を出すことができません。ここは置いておきます。
後者の働かないおじさんは、同僚や後輩たちからは明らかに仕事をしていないことが明白なのに上司に向けた報告等は完璧にこなしつつ、のらりくらりと仕事をしている風貌を作るばかりで実質的には何もしない精神状態を作り上げてしまった人のこと。
おじさんと記載していますが、実際の性別を指しているわけではありません。その精神性に宿る崇高なサボり度合いに向けて、ある種の尊敬する気持ちも込めながら呼称するのが”働かないおじさん”なのです。
しかし、いま日本は経済が30年以上も停滞しており、平均年収も横ばいを継続しています。政府はこれをどげんかせんといかんとばかりに成長戦略を携えながら国会答弁等を繰り返していますが、いまだに効果的な政策を見出せていないのが実情。
結局、死に体ともいえるのに補助金等によってなんとか延命してしまっているゾンビ企業を潰さない態度や、仕事をしない/できない人材を解雇しづらくしていることによって起こっているのではないかともいえます。
仮にですが、ゾンビ企業を潰し解雇もしやすくなった途端に何が起こるのかっていうと、大量の失業者が出ます。そうなると雇用保険等を駆使して税金から彼らへのお金を支給することをしなければなりません。
それを見越すと、働かないおじさんたちが大量にハローワークに押し寄せては職員たちの処理能力を超えて機能不全に陥ってしまう可能性が高いのです。それを避けるために、政府はリスキリングだなんだと声高に叫んでいるのでしょう。間違いありません。
■ ”働く場所が変えることに耐えうる状態”
すでにスキルを身につけていたり順応性の高い人材は次なる職場を早々に見つけることができるでしょうが、以下の記事内にあるように「資格・スキルがない」ことによって仕事に自信を持てない人は次なる職場を見つけることすら困難になるでしょう。
4割が仕事に自信「持てない」 理由の3位「業務が簡単」、2位「経験が少ない」、1位は?
上記の回答をしている人たちが雇用されていることに驚きであると同時に、そういう会社や仕事で身銭を稼ぐことができるのだから、”おいしい”状況であるともいえます。
しかし、それって見方を変えれば余裕があるだけの話で、今後は経済状況も悪くなっていき、最終的には余裕がなくなっていくことは想像に難くありません。
そうなってくると雇用を維持できない企業が増え、失業者候補が大量に発生することになりますが、それでも人手不足は加速していきますから、働く場所を変えることが標準化していくことでしょう。
そこで必要になるのがリスキリング、もといアップスキリング。そもそもスキルの身につけ直しが必要になったのはIT技術が多くの企業に導入された結果、それらを賄う人材の不足するのと同時に、何のスキルも持ち得ておらず失業してしまわざるを得ない人たちが増えたことからです。
一つの場所でスキルを積み重ねていくことをUpskilling(スキルアップではない)なのだとして、人材が不足することによって機械を導入するしかなくなった企業は、これからも加速的に増えていくでしょうし、結果的に機械導入のコストが低減することで機械化が進むことになります。
こうなると困るのは”働かないおじさん”たち。
新たにスキルを身につけているわけでもなければ積み重ねてきたスキルもありません。
身につけたことといえば、その組織内での立ち回りぐらいなもので他の組織では人が変わることから機能するかどうかがわからないため、所属を変えるだけの気概も持ち合わせていません。
結局、リスキリングの本義は働く場所にとらわれることなく職能を発揮できる人材になることを指すことであり、働かないおじさんは絶滅の危機に瀕しているということになります。
おわりに
働かないおじさんとしてゆったりと職業人の「あがり」を心待ちにしていた人たちは、これから地獄みたいな状況に追い込まれるのかもしれません。
政府が副業や兼業を推し進めることについて、ボクは否定的に考えています。
そもそも所属先でのスキルを身につけることが先なだけでなく、その所属先で成果を上げられる人材を生み出し続けることの方が先決でしょう。
なぜなら、企業の生産性が上がらないから年収が引き上がらないわけですから。
しかしですね。窓際に座りながらビルの映り込む夕陽を眺めつつ、定時になったらパタっとパソコンを閉じる。一連の流れに全く無駄のない働かないおじさんには一種の憧れを抱いています。
可能ならば、ボクもそうやって生き延びていきたい。そう思う次第でございます。
ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)
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