新型コロナウィルス感染記 -ワクチン三回接種済みなのに-
はじめに
「はぁー、、風呂ってこんなにあったかいのか…!」
ぼくは浴槽に浸かりながら自身の体温よりも湯温が高いことを実感できることを喜んだ。
新型コロナウィルスに感染し、その症状を実感するまで抱いていた認識は「舐めていた」の一言である。それはもうベロベロと擬音が文字として現れてしまう荒木飛呂彦風漫画のような舐め方をしていたのは疑いようのない事実だったが、この時点ではそれを大いに後悔と反省をしている。
症状が緩和し、日常生活を送れるようになったことから、こうやって久方ぶりにまともなnoteを書ける。
こんなに嬉しいことはない。
そんな初動だからこそ、この話題を取り扱わないなんてことはできない。別に、これを読んでくれた人がいたとて、その人を必要以上に畏怖感や絶望感へ誘おうなんてつもりは一切ない。
ただ、新型コロナウィルスの軽症ではなく中程度症状を体験した身として、事実を記載することで今後の感染をしてしまう人への警鐘とできたら…そんな思いから書き始めている。
はじめましての方から頻繁に起こしいただく方まで、ようこそ。
どうも、ゑんどう @ryosuke_endo です。
家族全員で感染し症状が発症
まず、前段として、我が家は家族全員で罹患することになった。
家族の誰かが持ち込んだことによって全員にウィルスが行き渡り、ポコポコと「陽性」のタグがつけられていく形に。無症状の人間は誰一人としておらず、5名いる家族はすべからく陽性となり発症した。
家族全員に共通した症状
今回の我が家のコロナパンデミック。全員に共通した症状は「熱」「頭痛」といったところだろう。後述するが、ぼくは家族の中で最も症状が重くなってしまい、最悪の5日間を過ごすことになってしまった。
特に心配していたのは子どもたち。3名のうち2名は事前に二回のワクチン接種を済ませていたため、重症化リスクは低くなるだろうと思っていたが、3番目はワクチン接種の案内すら届いてない状態で罹患してしまった。
結果、3番目も頭痛を訴えながらもなんとか軽症程度の症状で乗り切ってくれたため事なきを得たが、重症化リスクを考えるとヒヤヒヤしたのは言うまでもない。
家庭内隔離の限界
わかっていたことだが、家族内で感染をした場合、いくら感染予防を敷いたところで感染している。発症するまでの潜伏期間は1〜14日で、多くは5日程度で発症するとされている。
それを踏まえると、潜伏期間の内に濃厚接触しまくりなわけだ。あとは症状として出てるのか出ないのかを運頼みにするしかない。
最悪の状態
特に、今回は一番長引き、症状が重かったのがぼくであった。あまりにも長引きすぎて妻さんから「いつまでやってんの」とか「寝てるだけでいいね」なんて世にも奇妙な発言をされてしまった。
終いには「ケッ!免疫力もねえのか、お前は!」と、まるで20XX年の世紀末の荒廃した未来都市における「ヒャッハー!」と四駆を乗り回す「ヒデぶー!」な奴らと同じ精神性の台詞を吐かれる始末。
症状を思い返すのと同時に泣けてくる。
口すら開けられず声が出せないほどの激しい喉の痛み
何よりもツラかったのは喉の痛みだ。
口を開けるだけで喉に痛みが走り、口を開けたことを後悔するほどだ。あまりにも痛すぎるため、まともに寝ることができなかった。
ぼくにでた症状は喉痛以外でいうと以下の通り。
頭痛
熱発(38.x~40.xの間)
眼球痛
咳(痰)
これらが発症から4日間ほど続いたのである。その中でも上記しているように喉の痛みが何にも増してツラかったのは、上記の列挙した症状たちに喘ぐと、必然的に喉に痛みが走るからだ。
また、そんな状態でまともに喋れるわけがない。喉は潰れた。それはもう気持ちがいいぐらいに潰れた。
カッスカスの声にもならない声と呼べない吐息が哀しく空気を同期していくのを目の当たりにすると、困った時に誰の助けも求めることができないことを実感した。
結果、この喉の痛みや声が出せない症状は一番長引き、発症から5日目にしてやっと会話が可能な程度にまで回復できたが、何をするにしても喉が痛かったため、食事などまともに摂取できるはずもなかった。
唯一、ゼリーなどでスルッと喉を通過してもらい、少しでも喉さまの逆鱗に触れないようにすることで精一杯だった。
熱発による悪寒・熱発・汗だくの無限ループ
次いでツラかったのは熱発だ。
喉痛は、どんな症状で喘いでも必ず痛みがくるため、精神的にツラかったのだが、熱の場合は来るパターンがわかってしまうため、心理的にも肉体的にもツラかった。
頭痛で「うぅ〜、、」とうめこうものなら、その呻きを発しようとする声帯の震えを感知し、即座に痛みへ誘ってくれるのが喉痛だったが、熱発の場合は、まず丁寧に寒気を提供してくれる。
これが極上に寒いのだ。どんなに布団を重ねていても背筋がゾクゾクし、ガチガチガタガタと肉体の震えを止めてくれない。
それが落ち着いてくると、今度は布団を蹴飛ばして跳ね除けてしまいたくなるほどの熱さに見舞われる。今回、ぼくが計測した中で最も高かったのは40.9℃だった。
まともに喋れないのに咳が出て焼けるような喉の痛みを発症させ、時には痰を出さなければならないために無理やり咳をがんばると血液が混じった痰が出てきて絶望するような中で非常に高い体温。
もう、お祭りである。そう汗だくだ。汗がだくだくと流れてくるため、布団のシーツを替えることや着替えをするなんてことを日に何度も行った。
特に着替えなんて、ただでさえ衣服を持っていない人間なので、何を着たら良いのか…と思えるほどに着れるものがなくなっていくことの寂しさを味わった瞬間でもある。
とにかく、この悪寒⇒熱発⇒汗だくの無限ループは丸三日間も続き、喉痛とともにぼくの肉体を大いに消耗させてくれた。
冷たいお風呂
何より、お風呂の温かさを感じられなかったのはツラかった。
通常、風呂とは温かいものだ。声にならない声を浴室内に響かせながら、ザバー!なんて音を聞きつつ自身の体を40度程度のお湯に浸からせることで、心も体もリフレッシュできる。
40度の熱があったとしても、ぼくは汗だくになった体で寝ることが嫌だったから風呂に入った。何としても入った。しかし、入るたびに後悔したのは言うまでもない。冷たいのだ。
38度や39度に落ちていたからではない、40度に設定したとて冷たい。つまり、ぼくの体温が水温を上回っているからだ。
こんな仕打ち、あるだろうか。
悪寒に耐え、熱発に喘ぎ、喘ぐと喉が痛いし声も出ない。声が出ないから目で訴えようにも目にも激痛が走るものの、誰に助けを求めることもできない中で、一瞬でも心にオアシスを求めようとする精神すらも否定される。
しかし、わざわざ追い焚きの温度設定を引き上げてまで長湯したいわけでもない。こちらは頭痛もあるため、可能ならば横になりたい。
そんなわけで40度のぬるい(?)湯船に浸かる時間もそこそこに、そそくさと浴室を後にするのであった。
おわりに
えらく淡白な気がする。もっと書きたいことやわかってもらいたいことはたくさんあるはずなのに、ここまでを読み返してみると、明らかにタンパクな終わり方をしている。
何、だ、この圧倒的な敗北感は…
ここでまでぼくはコロナウィルスに敗北するというのか。いや、ぼくは敗北していない。なぜなら、こうやって生存している。間違いなくウィルスを乗り越えたのだ。
と、まぁ、今はこんな風に騒いでも許されるコロナウィルスだが、さっさと陽性者数とか公表するのをやめた方がいい。つまり、特別扱いはとっととやめるべきだ。
季節性インフルエンザで「第X波」と騒ぎ立てるのか。絶対にないだろう。
いつまでもこのままではいけないことをわかっていながら、それを止めてしまう「責任」を誰も負いたくない、なんて構図がマジマジと見受けられることに嫌気がさす。
そんなところで人生初のコロナ感染記を終えようと思う。もうかかりたくはないが、またかかるんだろうな。
ではでは。
ゑんどう