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移住を検討してる人たちに”すヽめる”側で自分の住む自治体をみること

枕にかえて

 どうも、えんどう @ryosuke_endo です。

 これをお読みの人はどれほどが自分の住む自治体のことを把握しているだろうか。おそらく、多くの人はそれほど意識的に把握していないのではないだろうか。

 正直、自分が住んでいる自治体がどんな首長がいて、議会構成は何名なのか。はたまた自治体に根を張る政治家たちがどんな政策を考え、公務員たちが実行しているのかなんてことを調べるのは正直なところ面倒である。

ところが自分が住み暮らす自治体ではどんなところに金の使い方(徴税の再分配)をしているのかを把握することは極めて重要な項目だろう。

 少なくとも老い先短い老人たちは特に気にかけなくていいが、これから住む場所を選べる立場にいる若者たちは自身はもちろん、自分の家族が得をする政策を執行している自治体へいくべきだ。そこで若者たちによる実質的な自治国を建国してもいい。

 日本にある自治体の半数は過疎地域だ。全国にある市町村のうち51.5%が過疎化していると2020年度の国税調査の結果によって確定しており、総務省は現在の1718市町村のうち、現在の820団体から885団体とすることを正式に決めており、2022年04月01日に正式指定される。

 もう日本の大半は過疎地域である事実が確定している以上、各自治体は必死に誰を囲うのか明確にしなければならなくなってきている。そのため移住移住と声高に言われるようになっているわけだ。

 今回、僕が書きたいのは自分の自治体へ誰かを誘う場合に何がいいのかを説明できた方がいいのではないかと考えていることから、調べてみることをオススメしようといったことだ。

▶︎ “ここではないどこか”へいく利点

 「いま、住んでいる場所から異なる場所へ移り住むことで得られる利点とは何か」

 大方の場合、いま住んでいる自治体の制度を調べきっている人は決して多くはないだろう。面倒であることに違いはないが、各自治体で恩恵を授かろうとすれば申請しなければならない。その申請手順があまりにも面倒なことが多いため、調べれば得をすることも調べなくなってしまう。

 自治体側からすれば再分配できる税金額は決まっているため、やりくりをできる分だけで収まってほしい。そうは思いつつも、分配している体裁は保ちたいところだから、それなりに出回って欲しいとも。

 そうでなければ自分たちが受け取る賞与など、世間からバッシングを受ける対象となってしまう可能性があるためだ。

 話がズレてきた。

 「なんとなく嫌になってきた」とか「ここは人間関係も含めて息苦しい...」など、とにかく現在の環境を変えることによって現状よりも豊かな人生が送れるはずであると考えるのだろう。

ただ、その思考は本当に適切なのか。正直なところ蓋を開けてみなければわからない点が多い。現在の住所に住み続けるのであれば、少なくとも人間関係や自宅近辺に住む人たちとの関係も含めて理解と把握ができているが、新しい場所では一から構築が必要だ。

 現在に至るまでに築き上げてきた関係を捨てることは埋没費用を回収するかどうかによるのかもしれない。これまでに払ってきた精神的・肉体的な支出によって構築できたのに、それを一切捨て去ることを何とも思わないのであれば、どこにでもいくべきだろう。

 しかし、そうではない場合、改めて自らが住む自治体の制度や状態を把握した上で「うまく生きていく」ことを目指した方がいいのではないか。

 一度冷静に判断するための情報収集をすることからはじめることで、ここにいた方が得なのか。それともここではないどこかへいくことこそ利点を得られるのかを自分自身に説明できるはずだ。

▷ 移住推奨サイトを参照すれば”ある程度”わかる

 完全に推奨しないものの、各自治体は移住者獲得のために自分たちにとって有利な情報をやたらめったらと出したがっているため、移住推奨サイトを参照することで”ある程度”の理解は可能だ。

 僕がここである"程度"と記載するのは上記した通り。どこもかしこも「自分たちの自治体はすばらしいのである!」と当たり障りのない情報のみが掲載されている。結果、どこもかしこも同じような情報しか掲載されていない点は非常にもどかしい。

 もっと正直になればいいのに...と門外漢としては思うのだが、なぜそうしないのか。

 徐々にではあるが「転出超過が激しいから移住人口を増やしたいです。移住をしてくれたらお金あげます。」といった具合に露骨なメッセージ性のある制度が構築されており、それが移住者自身のソーシャルメディアを通じて発信され出していることから、もっと加熱して欲しい。

たとえば、新潟県が出している移住をすヽめるサイトには『日本一子育てがしやすい県』(自称)と謳っている。

 しかし、出されているデータ根拠がブランド総合研究所となっている箇所があるため、果たして参考になるのかどうかを判断する必要がある。

 いわゆる参照する人間のliteracyリテラシーが求められるわけだ。そうはいっても、各省庁の数字を引っ張ってきている部分もあるため参考になる箇所もある。

 たとえば、スキースノーボードが楽しめるゲレンデの数は第三位だったり、自然公園面積が第二位といった情報は「土地が広くて走り回れるんだな」と想起するのに十分だ。

 他にも待機児童数が0や正規雇用率が第6位などの数字が羅列されているため、なるほど子育てが日本一だと嘯きたくなるのも理解できる。

 ここで問題点も記載したらいいのにね、とか思うのだ。

 待機児童数が0だといっても、希望の保育所に通えているのかどうかは数字に表れていないし、そもそも『地域子育て支援拠点』が何を指すのかを説明できていないため第一位となっていたとしても凄さをすんなりと受け取ることができない。

 これらを踏まえると、各自治体が出しているような移住推奨サイトは”ある程度”の情報を取得するために利用するにとどめ、さらに詳細を自治体のデータにあたったほうがいいというのが僕なりの結論だ。

▷ 自治体のWebサイト内に明らかな数字は転がっている

どこの自治体も、中で暮らす住民たちに自分たちが保有するデータを公開しなければならない。

つまり、よい数字であろうが悪い数字であろうが隠すことができないのである。僕が住む新潟県では統計課から出している新潟県の統計情報をみることでいろいろと参考になることが多い。

 たとえば、人口動態をみてみれば人口の流出がすさまじく、年少人口割合(15歳未満の人口)が11.4%で、老年(65歳以上の)人口が33.0%と、到底未来のある自治体とは言い難い状況だ。

 新潟は日本一子育てがしやすいと嘯いているが、子どもたちの数が少ない点からみれば高齢で暇を持て余した人たちが子どもたちを見守ってくれるような状況を想像するものの、果たして核家族が前提となる以上、決してそう容易ではないはずだ。

 共働きをする以上は子どもを保育園等に預けられることは必須条件ではあるものの、共働きであることにより子どもたちは保育園に拘束されていると表現することもできるのだ。

 つまり、子どもたちが自宅外で過ごす苦役を通じて仕事をするような状況を生み出すことになるわけで、だからといって身内でもない高齢者に迎えに行ってもらおうとすることなど決して制度としても運用できないことは明白だ。

 また、共働きしなければならない就労条件となるため、夫婦で働くことが必要となる。新潟県の平均賃金は285,794円で、二人以上の世帯で一ヶ月の平均支出が273,946円であることを踏まえると、一馬力で家計を支えることは決して不可能ではないものの現実的ではない。

 他にも子どもたちが学業を理由に新潟県外へ出ていくことも増加傾向となっており、新潟県内に魅力的な高等学校(高等学校卒業後に受け口)がないと見ることもできる。

 それだけではなく職業選択における県外移動も多い。20歳から24歳まで若者の職業選択をする際に新潟県外へ転出しており、これは若者にとって魅力的な受け皿となる企業が決して多くないことを実証してしまっている。

 このように数字を見ながら冷静に自治体を眺めてみると、自治体が出したい数字とそうではない数字があることに気づけるのだが、冷静に判断をすることを前提にするならば、ここまでの情報をみながら判断したいものだ。

▷ わからないのは”合っているか否か”

 定量的なデータは探れば出てくる。しかし、定性的な面で移住があっているのかどうかはどうにも判断がつかないだろう。そこで必要になるというかやった方がいいのがお試し移住との取り組みだろう。

 僕が敬愛・尊敬している女性起業家である伊藤さん(@KirahoshiYuzawa)が手がける湯沢への移住支援でもお試し移住を推奨しており、実際に住んでみることで自身と土地の相性を見極める期間を設けている。

 なお、湯沢は転出超過が激しい新潟県の中で最も転入超過を果たしている自治体である。

 このような取り組みは全国の各自治体でも行われていることだろうが、少なくとも土着的な人たちと接する機会を設けなければ住んで合うかどうかの素地すらない中で判断しなければならない。

 正直なところ、それほど困難な判断事項はないだろう。なにせ、住む場所を変える判断を、何の下情報もなしにすることは、かなりのギャンブルである。

 結果、失敗をした際にはとてもではないがカバーできない。再び戻るわけにもいかないだろうし。

 だけども、最低限のデータを抑えつつ、お試し移住等で検討するのであれば、存分に可能性はあるのではないか。あとはどうやって身銭を稼ぐのか、である。それは移住の相談窓口が乗ってくれることだろう。

 無理やりまとめると直上の内容となる。そんなわけで、今日も地方でウンウンと唸りながら子どもたちにひもじい思いをさせないように働く次第である。

 ではでは。

 えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

暮らし方が変われば付き合う人も変わるだろうし、付き合う人も変われば遊び方や働き方も変わってくる。自分がどうありたいのか。何をしたら、どう過ごせたら満足感があがるのか。結局は自己分析の至る所なのだろう。

移住をしたから魅力的なのではなく、そもそも移住をする人やそれをコンテンツとして生成できる人だからこそ魅力的なのだ。奥津さんのテキストを読んでいると、改めてそうであるのだと実感することは決して難しくはない。

僕はこの人のことを全く知らないのだけど、こうやって丁寧に説明すること、しかも読み手側がどんな感情を抱くのか、どんな感情を抱いてもらいたいのかを丁寧に分析した上でテキスト化している。上手だ。

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

Twitter上の朝キュレでお馴染みの佐々木俊尚さんは東京、軽井沢、福井の三拠点生活をする。実体験をもとに書かれた本書は憧れだけでなく、大変な部分を想起させる箇所もあるため、暮らし自体が何なのかを考えるのにいい本だと思う。

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ゑんどう ≒ 遠藤 涼介
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