住宅購入は『きちんと生活ができている』のが前提ですよね、というお話
紆余曲折がありまして、決して平坦な道のりではなかったのですが建築計画のテーブルにつくことになりました。
なぜ、紆余曲折したのかといえば、ぼくの正直な気持ちとして『自宅を建てるなどというのは愚か者の為すことだとすら思っていた』節があります。あくまでも"思っていた"ということですからね。
その理由は、自宅を建てるということが全くもって合理的な決断ではないということがあるのですが...。
いまでは180度とは言わずとも、自宅を自分たちの資金で建て暮らしていくというのもいいのかなぁ、という程度には思っております。
なぜ合理的な判断でないかといえば、投資として考えた際に買った瞬間から価値が下落するとわかっている投資先であるということが明確になっている明らかに負け戦ですから何の旨味もありません。
無限、もしくは大幅に資産を有しているのであれば、なにも気にせず土地を選び、建築業者を選ぼうものですが、そうはいきません。
どんな規模の企業でもそうだとは思うのですが、金額的な上限というのはあります。笑
我が家も多分に漏れず、金額的な上限があるからこそ『なにを取ってなにを捨てるのか』という選択を迫られるわけで、おそらく住宅建築を検討中の家庭では同じ問題に頭を抱えているのではないかなぁ、と。
さて、しれっと書きましたが、金額の上限が決まっている以上、ない袖は触れないわけです。しかし、ぼくの地元に住む旧友たちはボンボンと家を建ててるわけですよ。擬音語を使用できるぐらいにボンボンと。
で、他にも新興住宅地なんかも新潟という地方都市でもガーガーと開拓されている状況なんですね。信じられないぐらい。
本当に信じられないぐらいにガーッと切り開かれていくとともに大きな住宅がボンボンと立ち上がり始めているという感じ。
どこにそんなお金があるのだろうか...と斜めに見たくもなるのですが、金額を考えれば考えるほどに理解ができなくなっているというのは正直な気持ち。
それほどに大きなお金を持っているのかどうかというのもそうですが、建てるだけの余力があるからこそ、ローンを組みながら住宅関連のステークホルダー(利害関係者)とやり取りを重ねて家を建てているということですよね。
月々の返済含め「家賃と変わらないから」などという気分でローンを組むのであれば大きな間違いの始まりになりかねません。
そもそも「自宅を購入する」という到底生活必需品とはいえない金額の支払いをするにあたり、所得とのバランスを見定めて"いくらまでならば生活が崩れない"のかを把握した上で支払い金額を決める必要があるとぼくは思っています。
だって一括で買えないんですよ?
逆に、一括でポンと支払える支払い能力を持てるだけの収入があれば、資産形成という意味で住宅を持つことは決して得策ではないでしょう。
理由は上でも書いてますが、投資案件として考えるならば住宅購入は負け戦ですので、一括でポンと支払える方の場合、住宅用と投資用のマンションなんかを用意して生活した方がいいとぼくは思ってます。
カードを使っての支払いをすることもあるかと思うのですが、基本一括支払いですよね。それって現金で支払うよりもお得だって認識持ってますでしょうか。
支払う金額が上だから、とかポイント還元が...とかそういう話もあるんですけど、カードで支払う根本的な利点は支払う時間です。
現金で支払う場合、その場で現金と商品との引き換えになります。でもカードでの支払いは掛け払いなので、支払いが翌月の支払日まで伸びる形になります。実質的には支払っていないにも関わらず、商品を手にすることができるということです。
しかし、一括でなく3ヶ月なり6ヶ月なり分割払いを希望したとしましょう。
そう、利息がつきます。利息がつくということは、本来支払わなくてもいい金額を支払わなければならないということであり、それは期間が長くなればなるほどに重くなります。
ここまで書いてみればお分かりになるかと思いますが、住宅ローンの35年というのは、その間、ずっと利息を銀行に支払い続ける契約をすることを意味します。(もちろん、繰上げ返済という手段でそれを回避することは可能です。)
だからこそ、自分の足元を見つめられる金額で建てられることが前提であり、必要条件だとぼくは思うわけです。
そこがクリアにならないとテーブルにつくことすらおこがましい!とすら思っていたですが、前職のおつきあいで住宅専門のファイナンシャルプランナーと出会うことができたことから、「足元を見つめた上での住宅購入が可能」と踏んだので、少しずつ進めているところです。
代表の昆さんはもともと住宅メーカーに勤めてらしたのですが、住宅購入専門のファイナンシャルプランナーとして起業され、これまで数多の住宅購入に関する金銭的な課題を解決してきた方。
よく住宅メーカーに足を運ぶと「うちにはファイナンシャルプランナーがいるので...」なんて営業で付加価値を提供されるのですが、信用したいと思えないんですよね...。
なぜかってそりゃ、メーカー内のファイナンシャルプランナーである以上、金銭的に無理だって諦めさせることできないじゃないですか。その差は大きいですよ。
十数年に及ぶ住宅ローンの返済において、何をどう削れば「苦しまずに生活できるのか」というのはすごく大切なことだと思いますが、夢見心地の中でどんどんと計画が進んでいくと、そこがおろそかになってしまう気がします。
まず、大切なのは日々の『生活』をきちんと送れるかどうかで、大きな享楽費を投じることになる住宅購入は、その『生活』が成り立っていることが最も大きな条件のはず。
それを数字上で説明してくれるのが昆さんのような第三者からの金銭的なアドバイスだよなぁ、と。
まだまだ始まったばかりですが、まずは足元を見つめさせてくれた昆さんには感謝しています。その様子を少し書いてみました。
住宅購入を考えている方々は『生活費』がどれぐらいかかっているのかを数字で突きつけられてから考えても遅くはないと思いますよ、というお話でした。