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不適切保育と内部告発に蓋をしようとした保育所の事案から考えた話

どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

2023年の6月から9月にかけて、神奈川県川崎市(中原区)の認可保育所で発生した不適切保育があったそうです。

不適切保育の内容は、60代の女性保育士(9月に退職済み)が1歳児の腕を強く引っ張ったり、大声での叱責、靴下を履くのに時間を要した用事を数分間、部屋に置き去りにしたとされています。

この保育士が担当していたのは1歳児クラスだったそうで、何もできない幼児を相手にイライラして対応しなければならなかったのであろうことを踏まえると、当人にどんな理由があろうとも適任ではなかったのではなかろうかと思えてしまいます。

今回はここで終わるのではありません。主題は次です。

この保育所では、9月に幹部職員を集めた会議内で、事案の発覚が職員による内部告発だった場合には刑事処分や損害賠償を求める可能性を示唆していたと毎日新聞が報じています。

この報道が出ているってことは、内部告発によって事態が明るみになったってことですから、早速、口封じには失敗しているわけですが、その点はブラックジョーク的に笑ってしまっても差し支えなさそうです。

ただ、保育所の運営側がそうした発言をした背景を見てみると、記事内には以下のように記されています。

9月13日に開かれた職員会議で、幹部の一人が、保護者から不適切保育に対する苦情の電話が複数かかってきているとしたうえで、「業務が滞り、支障が出ている。業務妨害の可能性や、対応に追われた人件費などの損害賠償請求を検討する」などと説明した。

https://mainichi.jp/articles/20231107/k00/00m/040/298000c

不適切保育が行われていたことが明るみに出たことにより、保育園側に不安を感じた保護者から苦情や問い合わせの電話がたくさんかかってきて大変だったからってことなんでしょう。

なんとも当事者性の薄れている希薄な人間が、今回の事案を見て素朴に思ったことを徒然なるままに書いていきます。

大人が持つ子どもたちの安全と福祉に対する責任

まず、どんな状況であれ、子どもたちの安全と福祉に対する責任は大人が担っており、それが守られない場面や状況は何としても避けていくべきでしょう。

子どもたちが身体的、精神的、感情的に健康で安全な環境で過ごすことができるように保護・支援すること、これが子どもたちの安全と福祉を守ることになるはずで、逆を返せば、これを守れない状況や環境に保護養育の責任を負う大人は子どもを連れていくべきではありません。

ここまでは一般的な社会通念に照らし合わせれば当然のように受け入れてもらえるはずだと考えているのですが、もし、これに反対するような方がいらっしゃった場合も想定しておいた方がいい気がします。

一般的には考えづらい状況ではありますが、こう言った意見に反対する人がいると、内部告発に関する意見も聞いてもらえないはずで、そう言った人に接する機会はないわけではないでしょうからね。

個人の自由と責任を主張してくる

まず、過度な保護は子どもの自立性を損なうと主張してくる人たちは一定数いそうではあります。その人たちからすると、幼児であろうがなんだろうが関係なく、子どもたちにも自己の取った行動に責任を持たせるべきだと考えるのかもしれません。

結果として、大人が内部告発などによって子どもを守ろうとすることは過保護であって、そんなことをされるぐらいなら引っ叩いたりしてでもいうことを聞かせて従順にさせるべきなのだ、と言った強固な意志を持っている可能性があります。

社会が介入することに対する懸念を持っている

また、社会が自らの家庭問題に介入することに対して懸念を持っている人たちは、そういった事案が起こった際に避けてくるかもしれません。

家庭のプライバシーを尊重し、外部からの干渉を最小限に抑えるべきだと考えており、社会からの手助けや助言などは受けるべきではなく、自分たちでどうにかすべきだと考える家庭があることも想定してもいいでしょう。

教育や育児に関する絶対的な哲学がある

他にも、かなり自由で何物にも縛られるべきではない、むしろ自らの発想を大事にすべきだといったような育児哲学を持つ人々は、子どもに多くの自由を与え、自己発見と学習の機会を提供することが最善だと主張してくるかもしれません。

そう言った人たちは群れて生活をすることに忌避感を抱いているため、多くの子どもたちが属する保育所のような場所に通い、社会性が身につくことを拒絶してくる可能性もありますが、やむを得ない状況になって仕方なく通園していることも可能性としては考えられるでしょう。

…はい。ここまで書いたことは随分と極端で一般的な場面では想定できないでしょうから、思考実験的に遊んでみただけでございました。

どんな組織であっても内部告発は必要

件の保育所では当初、幹部職員が「内部告発は許さない」といった強固な発言をしていることから、ずいぶんと歪んだ保育指針を持って運営されている保育所なのだと受け取れるような態度をとっていました。

のちに訂正されているものの、要は「自分たちの首を絞める存在を許さない」といった内輪の論理を大事にしている発言であり、そこに保護者から預かっている乳幼児の安全や福祉に携わるものとしての矜持など垣間見ることもできない発言です。

もちろん、保育の現場が大変であることは重々承知しています。我が家も三名の男児が全員名、保育園に通っておりましたし、三番目に至ってはいまだにお世話になっている立場でもあり、その現場で子どもたちに接してらっしゃる保育士さんたちには感謝こそすれ、醜悪な憎しみなどの感情を抱くことはありません。

ただ、今回の報道では当該保育所を運営する法人が正式に「発言があった」と認めています。このことから察するに、邪推ではありますが普段からそういった発言が出てしまうような運営体制や組織風土だったのであったのではないかと勘繰りたくもなります。

どんな組織であっても、内部告発を断罪するようなことがあってはなりませんし、仮に今回、内部告発によって刑事処分や損害賠償を請求するだなんてことを述べていましたが、実際にはできません。

そういった強固な態度をとっていたのだとしても、反対に、告訴されて敗訴していたことでしょう。公益のために行動したと内部告発者が認められれば、その職員は法的に保護されるべき対象となります。そこに内部の論理など通用しないのです。

どんな組織であったとしても、内部告発といった自浄作用があるからこそ組織の不正が正され、問題点を改善する機会を設けることができるわけです。

家族で子どもを自衛するためにできること

もし、上記の保育所へ子どもを預けていたとしたら…そう考えると不安になりますし、あってはならないことだと認識しています。

当該行為を行なっていた保育士が退職していることから、運営法人は不適切保育を行う人間と労働契約を結ばない毅然とした態度をとっていることから運営法人としては反省し、再発を防止するための方策を検討、もしくは再建し始めたところだったのかもしれません。

そうだったとしても、現状、共働きで親などに預けることもできない夫婦は、この保育所に預ける他に手段がないわけですから、子どもを守るために自衛手段を身につけておくことも必要でしょう。

今回、被害に遭っていたのが一歳児クラスってことでしたので、正直、難しいとは思います。一歳になったばかりの子どもたちが自発的に誰かの助けを求めたりするなどのコミュニケーションをとることが難しいですからね。

だから、もうちょっと上の年齢になった子どもたちに対して自衛手段を授けるとしたら何をしたらいいのかを考えてみます。

んー、そうだなぁ。

緊急時の対応をロールプレイしておくのはどうでしょう。

子どもが不快な状況に対処する方法を練習するんです。怖かったり、悲しいことがあった場合、誰に話しかけるのか。なんて声をかけるのか。どうしてそういうことになったのか。そんなことを練習しておくと、仮にそういった問題が起こった際にも対処できるようになっているかもしれません。

日常的に保育園での出来事について話を聞いておくことでしょうか。

「そんなこと、毎日やってます!」なんてお叱りを受けそうですが、意外と把握できていないこともあったりするものでしょう。細かいところまで子どもが覚えていないこともありますからね。

あとはー、、感情を言語化できるようにしておくことも大事な気がしますね。

嬉しいとか悲しい、怖いといった根幹的な感情から、徐々に複雑なモヤモヤとかドキドキといったエピソードを盛り込んで話ができるようになってくると、それとなく大人も理解できるような話をしてくれるようになるかもしれません。

おわりに

最後に書いたことは理想論的な部分がありますが、ちょっと意識しておくだけでも変わる可能性があるのであれば取り組んで損をすることはなさそうですよね。

いずれにしても、こういった不適切保育と呼ばれる子どもたちが犠牲になる事案が増えること自体は悲しいことです。大人が守れるものである以上、守っていきたいじゃないですか。大事な子どもたちですもん。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)


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ゑんどう ≒ 遠藤 涼介
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