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【四】一人の天使
休憩にが終わり、持ち場に戻る途中に天使がこちらに向かってくる。
「新人はどうだった」
「覚えがいいので助かってます」
「そう、よかった」
と悪魔と同じように聞かれたので、同じように報告した。
言い手が違うとこうも感じ方が違うか、と思いながら一人だけコッソリと和みを感じていた。
仕事が終わり、新人と二人で天使に今日の報告をしに行った。
この時の新人の声は機械じみた肉声になっていた。
指摘を交えながら詳しく報告していると、
「すみません頑張ります!!」
と心がいっぱいで食い気味に叫んだので場が一瞬止まった。
悪魔たちが先に帰っていて本当によかった。
天使と男は察したように報告を続けた。
報告が終わると、新人がひどく疲れた様子で帰ろうとしていたので連絡先だけ交換して帰った。
帰ってしばらくして新人から連絡が来た。
「今日はありがとうございました。」
と労いの連絡が来た。
その後、数回ほど連絡を重ねていき、痴話喧嘩で遊びながらお互いを理解し合った。