見出し画像

大恋愛⑤

『どうしたらエリカさんは連絡先を教えてくれるか』
試合中もそのことばかり考えてた。

その時僕の頭に浮かんだ案がこれ。

→携帯無くしたフリをする
→どこかにあるから僕の番号に電話して鳴らしてもらう
→番号教えて、かけてもらう
→番号登録する
→電話番号ゲット
(LINEの友達追加を自動追加にしておけばLINEにも入ってくる)

男として、いや人として姑息な手を使ってしまった。でもそれだけ欲しかったしその時の僕にとっては、かなりの名案だった。

そして即実行し、快く電話をかけてくれて
僕は連絡先をゲットした(笑)
運良くLINEの友達にも追加された。

家に帰って番号を登録して、画面に出てきたエリカさんへなんとLINEしようか悩んでいると、
一件の通知が来た。

『うわぁー!ドゥくんだー!笑』

エリカさんからだ。
僕を揶揄うように言ってくる。
ダラダラと笑みが溢れてしまう。
そこから何日かLINEのやり取りを続けた。
進展はなかったけど、何より繋がれていることが嬉しかった。

最初はぎこちなかったが、段々と会話も落ち着いてきて一日5、6通、10日くらいやりとりした。
そして僕は勇気を振り絞り、ご飯に誘った。

すると、『ご飯だけね』と返事はOK。
ある週末の夜、初めて2人だけでご飯を食べた。
20歳の僕がいくら気取っても限界があるのは分かっていたから、日本料理でお酒も飲めて値段もそんなに高くないお店にした。

とりあえず乾杯し、他愛もない話を一時間くらいし、ひょんなことから今の彼氏の話になった。
その中で、

彼氏は一つ年上で24歳だということ。
三、四年近くにいない彼氏と離れていることについてはもう慣れてしまっていること。
そして浮気をされたり色々あったけど、なんだかんだこの人と結婚するのかなと思っていること。

が分かった。
僕は正直エリナさんに彼氏がいることを忘れつつあった。
でも話を聞いてみて、高校二年生から積み重なってきたエリナさんと彼氏さんとの7年の月日という壁は僕が思ってる以上に、遥かに高いと感じた。

そして結婚まで考えてるなんて…

ここに来て明確に、20歳のクソガキに立ちはだかった
24歳の彼氏と7年という月日という高い壁が現れた。

→→→明日へ続く