大恋愛④

『ん？あれ？見たことある人だぞ？』

歩いていく。

『ドゥくんだーーー！』

外で電話していたのはエリカさんだった。

これは運命だ。そう思った（笑）

🙎‍♂️『久しぶりです！また会うとは思わなかった』
🙎‍♀️『久しぶり！友達と飲んでて今電話きて外で話してたとこ！ドゥくんこそ何してるの？』
🙎‍♂️『たまたま友達と飲んでて、外で電話してる可愛い人いるな〜と思ったらエリカさんで（笑）』
🙎‍♀️『またそんなことばっかり言う！よかったら一緒に飲む？友達と二人だし。』
🙎‍♂️『いいんですか？？是非！！』

奇跡的にエリカさんに遭遇。
そして一緒に飲むことに。
僕は勢いに任せ猛アタックした。
だが簡単に交わされ続けて連絡先も交換できずに飲み会も終盤になってきた。

明日は日曜日で、草野球の全国大会をかけた試合だったから
帰らなければ、明日に支障をきたす。
でも帰りたくないし、連絡先も聞けずに帰ったら次こそはもう会うことはないはず。

ここで僕の頭の中に名案が浮かんだ。

『明日友達さんと僕の野球の試合見に来てください！勝てば全国大会で、絶対ホームラン打つんで！』

今考えれば名案でもなんでもない（笑）
ホームラン打てるかも分からないのに。
しかもエリカさんは乗り気じゃなかったから
僕は強引にエリカさんの友達を説得して
次の日2人を迎えに行って試合会場に連れてきた。

ここでホームラン打たなかったらクソダサイ。
いつも通り一番バッターだと聞いてなおさら気合いが入る。
だがこの気合いは全国大会など、どうでもよかった。
ホームランを打てるか打てないかだけが
僕のその後の運命を左右するからだ。

だが人ってやっぱり追い込まれると、自分の能力以上の力を発揮する生き物だ。

僕は見事ホームラン打った。

そして全国大会も決めた。

完璧なストーリーを演出して実行した僕だが
一つだけ見落としていたことがあった。
それは、『別に何も関係は進歩していない』
こと。

ホームラン打ったからって、連絡先を聞いて関係を進めないと何も意味がない。
そして二回も三回も断られている中、普通に聞いても教えてくれないのは分かっていた。
かと言って、『ホームラン打ったから連絡先教えて』なんで言ったら、関係を断ち切られるだろう。

僕は考えた。
山の8号目までは登れたわけだ。
あと一つ急な崖を登り切れば、頂は見えている。

『……ひらめいた！』

▶︎▶︎▶︎明日へ続く