デザインフェスタ42レポート
行ってないから分からない。(完)
都内に住んでるなら行けよ、と思うかもしれない。ハッキリ言ってまったくその通りである。当たり前だがデザフェスの本番はデザフェス当日だ。搬入、設営、販売、撤収など重労働が目白押し。想像しただけで憂鬱になる。その上、会場は人がアレのような感じで賑わっており身動きが取れんほどの盛況ぶり。なんともストレスフルな環境だ。であるから、作品が完成したからといって終わった感を出してはならない。そして俺は終わった感丸出しだった。
結局行かなかった理由書かないのかよ、と思うかもしれない。ハッキリ言って上の数行は完全に無駄である。ごく簡潔に理由を述べるとするなら、ワイはオフ会には出ない、オンライン上の存在でいたいんや、ということだ。あと有明遠い、乗り換えとか面倒、ゆりかもめじれったい(2倍のスピードで動けよ)みたいな。当日ライブ観に行く予定だったし。
じゃあ何でこんなテキスト書いてるんだよ、と思うかもしれない。ハッキリ言ってよく分からない。だが、皆がデザフェスレポートを書き総括しているので俺もやらねばならない気がしているのだ。ちなみに今のところ文章に全く内容がないことは筆者も気付いているので安心して欲しい。呆れた人はもうページを閉じているだろうから問題はないだろう。
さて、otavaが生まれた経緯についてはクラゲ男爵が書いているのでそちらを読んでいただきたい(あんま覚えてないし)。ここでは書籍版otavaについて振り返る。
書籍化にあたりワイが仰せつかった作業は三つ。序文とエピローグの執筆、ページのレイアウト。レイアウトに関してはまたIn designかよ……と陰鬱な気持ちになったが、Photoshopでいいじゃんってことになり難を逃れた(それでもいろいろあったが)。序文とエピローグもチョロッと書けばいいだろ、と高を括り余裕かましまくり。おまけだからと内容も趣味に走る。序文は石碑の碑文のように、エピローグは本文とは異なる小説的な文体で書いた。
赤紫の空が端の方から夜に飲まれていくのを、少女は気付かなかった。森の入り口には木々の影が檻のように伸びて、幼い心は不安に囚われていた。すがるような目で来た道を振り返っても、もう村は見えない。その一方で進むべき道は草と根が蔓延り(はびこり)、落ち葉に埋もれていた。魔女の住処までもう少しのはずなのに。
「どこかに道案内がいるはずよ」笑顔で母は見送った。心配は要らない、とも。手を振る母の姿を思い出して少女は息をつく。そしてようやく夜の訪れを悟る。慌ててランタンを灯すと、つかの間の安堵は消え、ふたたび焦燥の火が揺れ出した。
こんな感じ。だがこの文章は書籍版に使われなかった。クラゲ男爵の
「あーだめだめこんなんじゃ。はいボツね、ボツぅぅぅ~」
という言葉により塵芥と化したのである。
クラゲ男爵はotavaの物語を締めくくるに相応しい物語を要求した。正直、それで何故黒猫なんだよ、アンタ描きたいだけちゃうんか、と思わないでもなかったが創造主のお言葉なので謙虚に受け入れた俺偉い。そこからは作家と編集者のごとく二人三脚となり完成を目指した。バッサリと無駄を省き、構成にメスが入る。一言一言作品に相応しい表現なのか精査した。それでも、いやそれゆえ作業は難航した。
一番の問題となったのはメタルギアソリッド5が発売されたことである。この出来事により執筆時間が大幅に削られたのは想定外だった。それでも完成したのだから大したものである。もちろん自分の作業があるにも関わらず、限られた時間のなかギリギリまで手伝ってくれたクラゲ男爵の存在なくしては成し得なかった。miiinaさんもめっちゃ忙しいのにチェックしてくれて感謝している。だが誰も褒めてくれないので俺は俺を褒める。
あとここだけの話だけど、これどうなの? って感じだった序文をギリギリまで書き直さず時間切れで採用に持ち込んだのは完全に計画通り(最終的にはみんな納得してくれたけどね)。
最後にクラゲ男爵、miiinaさん。アクセサリを製作してくださったねこすけさん。Midnight Carboyこと鋭画計画。設営を手伝ってくださったjsさん。お買い上げいただいた神々。会場に足を運んでくださった皆さん。レポートを書いてくれたり、感想を伝えてくれたフォロワーさん。行きたかったな~と思いつつ遠方で歯噛みしていた方々。Twitterで宣伝してくれた諸氏。素晴らしいライブを見せてくれたKIRINJI。ありがとうございました。
ここまで読んだけど全く内容ねーじゃんかよ、時間返せ、と思うかもしれない。ハッキリ言ってその通りである。
だって俺デザフェス行ってねーし。(完)
そんなデザフェス行ってねーあなたに朗報です!
電子書籍版otavaあります。
結局宣伝かよ!(完)