演劇についての気持ち-お客さんが好きです
こんにちは!パフォーミングアーツ系フリーター都田かほです!
今回は 【どういう気持ちで演劇に関わっているか】について書きます。
アーティストとしての自己紹介になるでしょうか?
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昨年の観劇ふり返りの中に「ベスト観客賞」という劇場で遭遇した特に素敵だったお客さん(もちろん匿名)を紹介する項目をつくったところ、SNSでつながっている複数の舞台関係の知人から「その視点はすごく良い」と誉められました。
誉められるのは嬉しいのですが、この視点が誉められるような珍しいものだという事実が正直ショックでもありました。実演芸術・劇場関係者は誰でも皆、ベスト観客賞を心に持っていると思っていました。
なぜなら私は劇場に来るお客さんが大好きだからです。
観客としての私は社会課題を題材にした作品が好きだし、アーティストとしての私も社会課題を題材に作品をつくりがちです。社会課題を扱ったコミュニティアートのワークショップで進行役をしたりもします。
社会課題を扱う作品は、見る人々の現実の苦しさを鏡のようにうつしたり、体験したことのないレベルの、しかし世界のどこかに確実にある悲しさを提示したりします。これは現代劇全体の特徴かもしれません。
劇場はなんやかんやで非日常の空間です。楽しい夢だけを描く作品を選ぶこともできるのに、現実を描いた作品を観るために劇場へ足を運んでくれるお客さんがたくさんいます。
日常の現実も幸せなことだけではないはずなのに、現実を凝縮したり拡大したりした作品を選び、そこからエールを感じてくれたりします。
ワークショップだって同じです。技術をアップすることや楽しむことが第一目的のレッスンがよりどりみどりの中で、自分の生活や現実と向き合う必要があるワークショップに自分から参加し、希望を見つけてくれる人々がいます。
一見楽しいだけに見える作品やイベントでも、お客さんは現実へのメッセージを必ず見いだしてくれています。
日々現実に向き合っている人々が非現実的な空間に現実を見に来る。矛盾しているようですが、だからこそ貴重な営みだと思います。
だから私は、毎日仕事や家庭で苦労しているのに、せっかくの休みの日に劇場に来てしまう人が、ワークショップに来てしまう人が大好きです。とても信頼しています。
この人たちのためにつくりたい、共につくっていると心から思い、同時に大きな責任を感じます。
私は劇場のお客さんが、ワークショップの参加者さん大好きです。これが、私がアーティストとしてなにより大切にしていることのひとつです。
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アーティストとしての視点と観客としての視点が入り乱れていますが、これが私の正直な気持ちです。
みなさま今後とも都田かほ/topoをどうぞよろしく。
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目印曲は大瀧詠一様『君は天然色』