デスノート調整記(2022年10月版)
本記事は、下記記事の続きです。一度こちらに目を通していただくことをお勧めします。
1.熱意に感謝を
初回のデスノート記事から半年以上の期間が開いてしまったが、初投稿の駄文にもかかわらず多くの方から反響をいただいた。また、Twitterなどでこのデッキを積極的に試していただいている方などをお見かけした。全くありがたい限りである。
一方、このデッキの考案者である私は、つい先月までデスノートではなく土地単など別のデッキでレガシーをプレイしていた。理由はいろいろあるのだが、ここ数ヶ月はデスノートを調整する気が起きず、すっぽかしていた。全く情けない限りである。
しかし時がたち、MTGにも新しいエキスパンションが追加され、デスノートにも新たな風が吹き始めた。またそれ以上に、このデッキを積極的に試していただいている方々のアプローチに刺激を受けた。そのため、このアーキタイプを再度調整し、甲斐あって先日大会(と言っても10名程度なのだが)で準優勝できた。それを記念し、今回の調整記事を書くことにした次第である。
下記が現在、私が調整しているデスノートである。
本リストは、Will420氏が調整したリストを参考にしている。同氏にはこの場を借りて厚くお礼を申し上げる。
2.メインボード
前回のリストから大きく変わったのは、ヘイトベア生物の採用枚数である。《トカートリの儀仗兵》はダブつくと本当に弱いカードであるため2枚になったが、これでもドレッドノートは安定して出るため気にはならない。さらにフリースロット(聖域の僧院長だった)2枚、《悟りの教示者》2枚が抜け、代わりに新顔3名が採用された。
1枚目は《永久のドラゴン》。
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2マナで平地サイクリングができるため、初手の土地が少なくても安心してキープできるようになった。これにより夢の《古えの墳墓》4枚体制が可能に。もちろん4/4飛行のスペックも心強いナイスカードである。
2枚目はDMU注目の神話レアだった(過去形)、《セラの模範》である。
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《夢の巣のルールス》を彷彿とさせるこの天使は、短期決戦向けのこのデッキにロングゲームの戦略を提示してくれる。特に《ウルザの物語》を使いまわす動きは凄まじく強力。フルタップで出すと使いにくい能力も《霊気の薬瓶》から出せば軽減される。
3枚目はいぶし銀のヘイトベア、《選定された平和の番人》。
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3/3/3で稲妻1枚で対処されてしまうことから最初はあまり評価していなかったが、「相手の手札を見て」「カード名を指定し」「コスト、起動型能力を増やす」という能力は、ほぼすべてのレガシーのコンボデッキに通用することから、使ってみて強いことが分かったカードである。前述の大会ではWGデプスの《演劇の舞台》を足止めし、そのまま殴り勝つ活躍を見せてくれた。もちろん環境次第ではあるが、今後も頼りになるヘイトベアだと期待している。
3.サイドボード
サイドボードはあまり練り切れていないのが正直なところだが、《セラの模範》が大きな影響を与えたことは特筆に値する。
《虚空の力線》は言わずと知れた強力な墓地対策カードである。これまでは《安らかなる眠り》を採用していたが、《セラの模範》を生かすために変更した。
《無私の霊魂》も同様である。もともと《溶融》《活性の力》対策として考えていたカードではあったが、あまりに後ろ向きであるように感じられ不採用になっていた。しかし《セラの模範》で使いまわせる新たな強みが生まれたため採用となった。
4.採用されなかったカードたち
他にも以下のようなカードを検討した。
・運命の巻物
ドレッドノート使いの心強い味方であるアーティファクト。手札を2/2に変換することで、ドレッドノートを打ち消されずに戦場に送り出すことができ、一時的ではあるがアーティファクト除去への耐性も与えられる。しかし個人的には「手札を1枚消費して熊を出す」という動きは、昨今のレガシーカードパワー(《表現の反復》《忍耐》など)に追いついていないように感じた。他にも《溶融》は躱せても《活性の力》は躱せない、《スレイベンの守護者、サリア》との噛み合いが悪い、などの弱点が目立ったため、現在は不採用となっている。
・墓掘りの檻
前回に引き続き不採用…なのだが、かなり採用を迷っているカードでもある。《ウルザの物語》からドレッドノートをサーチできなくなる、《セラの模範》が使いにくくなるなどのデメリットは健在だが、それらをプレイングでカバーできるのであれば、《ウルザの物語》からサーチできるこのカードはかなり強力に思える。
・モックスダイアモンド
《セラの模範》を3枚以上採用するなら、可能性があるように思える。
・世界のるつぼ
《セラの模範》の登場により、ほぼ不要になった。一応、《悟りの教示者》でサーチできる強みはある。
5.終わりに
先のとおり私は数ヶ月デスノートを握っていなかったが、このアーキタイプを面白がって積極的に使ってくださる方々のおかげで、海外のMTGサイトなどにも掲載されるなどしており、大変うれしく思っている。何より私自身、このデッキをより洗練させようという熱意が復活してきたのは、そういった方々の熱意が伝播したからに他ならない。今後も折を見て続編の記事を書こうと思うので、気長に待っていていただければ幸いである。