【情強は知っている】初期研修で麻酔科3ヶ月以上ローテすると早く標榜医が取れるよ!
『春から研修医!今麻酔科も考えていて…できるだけ将来に有利なローテートを組みたい!』
そう思っている方も多いんじゃないでしょうか?
初期研修は一定期間を自分で好きな科をローテートできます。興味がある科、なりたい科などを自由に選択できます!
一方、麻酔科には麻酔科標榜医という資格があります。
この資格は、初期研修の間に3ヶ月以上麻酔科ローテートをしておくと早く取れます。
つまり、将来麻酔科医になる人は初期研修で3ヶ月以上麻酔科をローテートしておくと、そうしなかった人よりも早く標榜医を取得できるのです!
なぜ麻酔科標榜医の資格を早く取得した方が良いかというと…
ずばりバイト代に差が出るからです!
『もっと早く資格を取っておけばバイト代がアップしたのに…』などと後で後悔しないように知っておきましょう。
知っていればとても簡単なことなので、早く資格を取って損しないようにしたいですね。
1.麻酔科標榜医ってどんな資格?
医師は、医師免許さえ持っていれば内科でも小児科でも精神科でも、自由に掲げることができます。
しかし、麻酔科医だけは、そうではありません。
『麻酔科』の標榜だけは、『麻酔科標榜医』の資格が必要で、その資格を得るためには厚生労働大臣の許可が必要であると法律で決められています。
では、どのような資格なのでしょう。
1-①.麻酔科を診療できます!と名乗れる資格のこと
麻酔科標榜医は、厚生労働省が認定する資格で、免許取得後2年以上麻酔の業務に関する修練を経たものに付与される資格です。
つまり麻酔科を名乗るためには、厚生労働大臣の許可を受けた『麻酔科標榜医』の資格が必要です。
麻酔科を診療できると名乗るために必要なので、必ず取っておきたい資格ですね。
2.麻酔科標榜医はどうすると取得できるの?
ここでは、具体的にどうすると 麻酔科標榜医の免許が取得できるのかを説明します。
2-①.許可の基準は2年以上の勤務期間!
麻酔科標榜医を取得するためには、十分な修練を行うことのできる病院で2年以上の業務経験が必要です。
ただしこの2年という期間の中には、初期研修の期間も含めることができます。
この初期研修の有無が大きなポイントです。
3.なんで3ヶ月以上ローテートすることが大事なの?
多くの場合、初期研修1年目は内科や外科などメジャーな科を、2年目の一定期間は自分が学びたい科や興味のある科を自由に選択して勉強します。
このときに麻酔科を3ヶ月以上ローテートすることがポイントなのです。
その理由を説明します。
3-①.3ヶ月以上のローテートで他の人より早く資格の申請ができるから!
初期研修で3ヶ月以上、麻酔科をローテートすることで他の人よりも3ヶ月早く資格の申請ができます。
ここでは
①初期研修でローテートしなかった人
②初期研修で3ヶ月以上ローテートした人
の2パターンで解説しますね!
【①の場合】
初期研修医2年+麻酔科医2年(医師歴4年目終了時)
→厚生労働省に申請(例年5月末)
→『8月に資格の付与』
この場合、麻酔科標榜医の資格が付与される時期は医師5年目の8月になります。
【②の場合】
初期研修医2年(うち3ヶ月が麻酔業務)+麻酔科医1年9ヶ月(医師歴3年9ヶ月)
→厚生労働省に申請(例年1月末)
→『4月に資格の付与』
初期研修で3ヶ月分ローテートすると医師4年目の1月末に申請ができ、4月には麻酔科標榜医になることができます。
つまり医師4年目終了時にすぐ標榜医の資格保持者となれるのです!
逆に、①の場合は医師5年目の5月末が申請時期になってしまいます。
なのでローテートしておいた方が早く申請、資格取得ができます。
4.麻酔科標榜医を早く取得すると何に有利?
『早く資格を取得できるっていっても、たった3ヶ月でしょ?何が変わるの?』と思われるかもしれません。
全然違います!この3ヶ月で…なんと24万円損しちゃうかもしれないんです。
麻酔科標榜医を早く取得するとどんな有利なことがあるのか説明しましょう。
4-①.バイト代が高い
なぜ、麻酔科標榜医を早く取得することを勧めているのか?
ずばり!早く資格を得たほうがバイト代が高くなるからです。
麻酔のバイトサイトに掲載されている案件でも『日給8万、ただし標榜医以上なら10万』というように、資格を持っているか否かで日給が変わります。
例え1日2万円の差でも、週1回の勤務なら1ヶ月間で8万円、3ヶ月で24万円の差です。
4-②.そもそも標榜医を持ってないとバイトできないことも…
標榜医の資格保持者じゃないとバイトさせてもらえない病院すらあります。
医師にとってバイトは重要な収入源です。これができないとなると年収がガクッと下がります。
だからこそ標榜医を早く、確実に取得してしまうのがおすすめです。
ちなみに健診や脱毛カウンセリングなどの無資格でもできるバイトより、専門性の高い麻酔バイトの方がバイト代は格段にアップします。
駆け出し医師の頃は健診など比較的安いバイトをやって、麻酔科標榜医を取得したあとは時間単価の高い麻酔バイトに進むことが王道です。
4-③.実は麻酔科以外の科でも標榜医は取得できる!
実は麻酔科以外に進んだとしても標榜医の取得は可能です!
標榜医になる条件は『2年間麻酔業務に従事すること』なので、外科医や産婦人科医でも"2年"という期間さえ満たせば標榜医の取得ができます。
なので意外と外科や産婦人科の先生でも取得されている方はいます。
特に外科系に進んだ後も麻酔の勉強をするために一定期間麻酔業務に従事するプログラムを組んでいる病院もあります。
その際も、初期研修で3ヶ月ローテートしておけば、残り1年9ヶ月で標榜医を取得できることになるので他の人より楽に標榜医を取れます。
外科系の医師で麻酔科標榜医を持っているのは現場でとても重宝されます。
未だに地方の病院は外科の先生が自科麻酔をしている病院はありますからね。
麻酔科に進まなくとも、麻酔を経験しておくのは役に立つ可能性が高いです。
ぜひ検討してみてください。
(ただし標榜医取得のみでは一人前とは言いにくいので、他科医師が標榜医のみで麻酔バイトをするのはおすすめしません。)
5.麻酔科標榜医の申請は厚生労働省のページから!
麻酔科標榜医の資格を取得するには2年の麻酔業務期間を終えたのち、それを証明する書面を揃えて厚生労働省に申請して、不備がなければやっと資格が付与されます。
【標榜医までの道のり】
①2年間麻酔科の仕事をする
②申請書類を準備して送る
③厚生労働省で受理されたら資格付与!!
標榜医の申請は厚生労働省のページから可能です。必要事項が詳しく載っているので必ず確認しておきましょう。
5-①.注意!申請書の差し戻しが多いよ!
『標榜医の申請って言ってもそんなに難しいものじゃないんでしょ?』と思われるかもしれませんが要注意です!
『厚生労働省=きっちりとしたお役所』なのでちょっとでも書類に不備があると簡単に差し戻されてしまいます。
【間違いやすいポイント】
・別紙第1と2の整合性がとれていない
・申請期間は1ヶ月未満の期間は切り捨て
・期間毎に症例数を分けて申請
・日付や申請数等の記載ミス
・数字の入力間違え
具体的には、別紙第1の『麻酔業務に関する経歴期間』や別紙第2の『麻酔症例 年間〇〇例』など、少しでも数字が違うとすぐに差し戻されてしまいます。
せっかく急いで申請したのに資格付与が遅れてしまう可能性があるので、何度も確認してから提出しましょう。
特に申請前には上級医に目を通してもらうのがおすすめです!
過去に差し戻されて苦い思いをした方が多いぶん、間違いやすいポイントに気づいてくれますよ。
6.将来麻酔科を考えるなら初期研修のうちに3ヶ月以上ローテートしておこう!
このnoteでは、3ヶ月以上のローテートで麻酔科標榜医を一足先に取得できることについて説明しました。
『給与も時間も大事』と考える医師にとっては、1日でも早く標榜医を取得してバイトに励んだ方が稼ぎやすく有意義です。
採用する側も麻酔科標榜医の資格を持つ医師のほうが安心感があり、さらに医師もバイト代がアップするので、お互いにいいことばかりです。
コスパ良く働きたい方、初期研修を有益にしたい方、ぜひ参考にしてみてくださいね。