【意外とどうしたらいいか悩む】尿蛋白・尿潜血をみたときの対応【鑑別や精密検査は?】
※2021/4/2一部改訂
尿検査は,採血に次ぐ頻度で行われるであろう,ごく一般的な検体検査です.
そこで,尿検査の異常時の対応は整理できていますか?
鑑別が浮かびますか?
採血の異常では,迅速に対応できる方でも,尿所見への対応だと「う...」と動きが止まる人はいると思います.
私もそうです.
今回は,研修医の頃に作成し,臨床医歴10年の今に至るまで利用しているフローチャートのご紹介.
同僚にも受けがよく,実用性は高いので是非ご覧ください.
■血尿のみ認める場合
‣IgA腎症の初期:蛋白尿が加わったら専門医へ .
‣基底膜菲薄病:遺伝性.蛋白尿は起きない.経過観察.
‣ナットクラッカー症候群:若年・やせに多い.腎うっ血が病態.
★“血尿の既往がない高齢者”の血尿
⇒悪性疾患を否定する.
⇒否定的ならば,急速進行性糸球体腎炎の疑いで,直ちに専門医へ紹介する.
■蛋白尿のみ認める場合
‣生理的蛋白尿:発熱,脱水,運動などに伴う.
‣起立性蛋白尿:起立による腎静脈の圧迫.年を重ねるほど頻度は少なくなる.
‣膜性腎症:血尿ほぼなし.
‣微小変化型ネフローゼ:ネフローゼ症候群を呈す.
‣巣状糸球体硬化症:通常は血尿もあり.
‣糖尿病性腎症:蛋白尿必発.
■血尿と蛋白尿をともに認める場合
糸球体腎炎の可能性が高い ⇒基本的には専門医へ紹介.
★急性腎障害の合併:急速進行性糸球体腎炎などの可能性があるので,直ちに専門医へ紹介.
■まとめ
チャートの構成はどうでしたか?
年齢などで疾患頻度が大きく異なるんですよね.
すぐに使えるチャートなので,是非,明日からの臨床で生かしてみてください.
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