【初心者向け】カテーテルってそもそもなんやねん【検査?治療?それとも?】
私は循環器内科医で,私が「カテーテル」と言ったら,「心臓カテーテル検査 or/and 治療」のことになります.
そもそも,この「カテーテル」って何なのか?
循環器にあまり関与しない医療者の方は,もはや,「カテーテル」って言葉に苦手意識がある人もいるのでは?
今回は,そもそも「カテーテル」とは何か.特に,「心臓カテーテル」を中心に解説します.
カテーテルってそもそもなんやねん
最近では,一般の方々の医療に対する関心が高まり,カテーテル検査・治療がメディアで紹介されることが多くなりました.
「カテーテル」って言われると,「血管カテーテル」のことだけを思い浮かべがちです.
しかし,そもそも,カテーテルとは
「医療用に用いられる柔らかい管」
のことを指す医療用語です.
ドレナージチューブもカテーテルですし,尿道カテーテルもカテーテルです.
カテーテルの種類:心臓カテーテルの立ち位置
カテーテルの中でも,血管造影や血管内治療を行うカテーテルを,特に血管カテーテルといいます.
さらにその中でも,脳血管や心血管に対する血管カテーテルは,特に専門的に独立していることが多いです.
心臓(冠動脈や心腔内)に介入するカテーテルを用いた検査や治療を,「心臓カテーテル検査・治療」と呼んでいます.
心臓カテーテルはどんなことをするのか
心臓カテーテルの対象疾患には,大きく分けて3つのカテゴリーがあります.
➀虚血性心疾患の検査・治療
まずは,狭心症・心筋梗塞などに代表される虚血性心疾患です.
冠動脈造影(CAG)や左室造影(LVG),PCI(経皮的冠動脈インターベンション)などがあります.
心筋梗塞などの急性冠症候群は,救急対応が求められる場面も多く,最も迅速な対応が求められる,心臓カテーテルの花形分野です.
➁不整脈に対する検査・治療
心臓電気生理学的検査(EPS)のような検査や,アブレーションやペースメーカーのような治療があります.
虚血性心疾患に対するカテーテルのように,緊急で行うことこそ滅多にありませんが,徐脈性不整脈・頻脈性不整脈を合わせると,疾患頻度は多いので,カテーテルに携わる医療者にとっては,こちらも重要なカテゴリーです.
➂心不全・その他
その他に,心不全に対して行われる,スワンガンツカテーテルも,重要なカテーテル検査です.
スワンガンツカテーテルは,留置してそのまま集中治療室管理になることも多いので,集中治療に携わる医療者にとっては,むしろこちらの方が重要かもしれません.
その他,変わり種として,深部静脈血栓症に対する下大静脈フィルターなども心臓カテーテルの一環として行われることがあります.(施設によっては放射線科などが施行している場合もあり.)
心臓カテーテルの対象疾患は
虚血性心疾患,不整脈,心不全
の3つに大別される
まとめ
以上,「カテーテルとはなんぞ?」から,「心臓カテーテルの立ち位置」と「心臓カテーテルでやること」をザっと説明しました.
もう少し詳しいとこまでの解説は,この記事でしています.
今回は以上です.
お疲れ様でした.