ARBの比較まとめ【使い分けのポイントは2点だけ】
降圧薬の選択で,いつも上位に来るのはARBだと思います.
「Ca拮抗薬は,切れ味いいけど,降圧効果と独立した臓器保護エビデンスがないな...」
「ACE阻害薬は,エビデンスが豊富だけど,空咳がめんどくさいな...血圧あんま下がらないし...」
ということで,ARBに白羽の矢が立ちやすいはず.
そんなARBの使い分けを今回はまとめます.
(>>ちなみに,降圧薬の種類の選び方を知りたい方はこちらの記事もどうぞ)
■使い分けのポイントは2点だけ
結論として,使い分けに関わってくるポイントはこの2点だけだと考えます.
・尿酸排泄促進の有無
・降圧効果の強弱
色々な書籍には,薬理作用(半減期や蛋白結合率や排泄経路など)の違いが細かく書いてありますが,それらを使用感として感じることはほぼほぼありません.
私的に,実用性の違いを生まないので,覚えなくていいと考えます.
1.尿酸排泄の促進作用
ロサルタン,イルベサルタンに特有の作用として,尿酸トランスポーターであるURAT1を阻害し,腎からの尿酸排泄を促進する作用があります.
尿酸が高くて得することはないので,私は選べるならこの2剤のいずれかを選びます.
我々循環器が頻用する利尿薬やβ遮断薬は,尿酸値を上昇させることがあるので,尿酸排泄の促進作用があると,余計なことを気にしなくていいので助かります.
2.降圧効果の強弱
ここは色々な意見があります.用量にもよりますしね.
ある程度コンセンサスが得られそうなのは,
➀ロサルタンの降圧効果が弱いこと
➁オルメサルタンとアジルサルタンの降圧効果が強いこと
くらいだと思います.
以上2点をまとめた表がこんな感じ.
細かい並びは私見含むのであくまで参考までに.
半減期は,一応表現しましたが,そんなに気にしてないです...
テルミサルタンの降圧効果は“弱い”という人が多いと思うんですが,“強い”という意見もあるので,広めにしました.(私は弱めだと思っています.)
■まとめ
いかがでしたでしょうか.
ARBは使用頻度の多い薬剤だと思いますので,自分なりの薬剤選択のルールを,理論だって決めておけると便利ですね!
もっと詳しい内容はこちらの記事で書いてます.
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