リクエストネタ3:製薬会社と医者の関係
もこさんのリクエストネタ3弾です。製薬会社の営業(いわゆるMR)と医者の関係です。
これは2013年に状況が激変しました。
というのも、2013年以前は医者と製薬会社の営業はやりたい放題の状態でした。医者と製薬会社の営業は全て高級料理店で行われることが当たり前の状態でした。未曾有のお金が営業に投じられていたのです。
しかし、2013年から法律により一回の営業に使えるお金が5000円以内になりました。これにより医者と製薬会社の高級料理店などでの営業はなくなり、日本の飲食業界もかなりの大打撃であったと聞いています。
私は元々、あまり接待が好きではなかったので、結構ほっとしています。が、好きな先生はただで色々な高級料理店にいけたので残念がっていた先生も多数いました。
この営業は問題点がいくつかありました。
ひとつは 本来、 接待のあるべき姿というのは
MRさんと医者の会話が主体となる 場 だと思うのですが、
実情はMRさんは医者の財布と化していました。
私は研修医の頃、上司に高級料理店に連れて行ってやると言われて、さも自分がお金を出すような口ぶりで連れいかれたらMRさんがいるということがよくありました。まだ、このような仕事の打ち上げなどの名目ならばいいと思うのですが、ひどい先生は合コンをMRさん同席で主催し、費用を全てMRさんに出させていたりしました。
まぁ、この頃はもうなんでもありという状態で、私もMRさんに「先生、独身であれば女性を紹介します」と全く、薬と関係のないこともよく言われました。
これがなぜ製薬会社にメリットがあるかということなんですが、
同じ成分の薬が他者から色々出てるんですね。
たとえば胃薬のPPIといわれる薬では武田製薬からタケプロン、アステラスからオメプラール、エーザイからパリエットと同じ薬が発売されています。これらの薬は何種類も病院として購入する必要はないため、A病院のPPIはこの中のどれか一個なわけです。そして、この薬の採用をきめるのは薬事委員をしている医者なのです。
だから、ここまでMRさんは必死だったのです。
では、なぜ若手の医者にも営業をかけるのか?ひとつは青田買いです。10年、20年後には研修医も偉くなります。若いうちからコネクションを作る目的です。もうひとつは薬の名前を覚えて貰うためです。これは結構多いです。
PPI=タケプロンと覚えさせてしまえば、研修医はひたすらタケプロンを出します。2個目、3個目の薬の名前はどうしても覚えにくくなります。
しかし、このような不健全な接待が横行していた時代がおわり、今は営業は病院内で行われるようになりました。薬屋さんのプレゼンを聞きながら高級なお弁当を食べるのが唯一の楽しみですが、このくらいがちょうどいいのかなぁ、なんて思います。
読んでくださってありがとうございます。
引き続きリクエストネタお待ちしています。
大黒龍一。