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子どもが発熱!受診すべき?それとも様子を見るべき?小児科医が解説!
はじめに
「子どもが急に熱を出したけど、病院に行くべき?それとも家で様子を見ても大丈夫?」
こうした疑問を持つ親御さんは多いのではないでしょうか。
子どもの発熱はよくあることですが、すべてのケースで病院を受診する必要があるわけではありません。
大切なのは、**「受診が必要な発熱」と「自宅で様子を見てもいい発熱」の違いを知ること」**です。
この記事では、小児科医の視点から、発熱時の正しい対応をわかりやすく解説します!
1. そもそも発熱とは?
発熱とは、体の防御反応の一つです。
ウイルスや細菌が体内に侵入したとき、免疫システムが働いて体温を上げ、病原体と戦うのです。
つまり、「熱が出る=悪いこと」ではなく、「体がしっかり戦っている証拠」でもあります。
発熱の原因には、以下のようなものがあります。
★ 発熱の主な原因
✅ ウイルス感染(最も多い!)
➡ 風邪、インフルエンザ、RSウイルス、突発性発疹 など
✅ 細菌感染(少数だが注意が必要)
➡ 溶連菌感染症、肺炎、中耳炎、尿路感染症 など
✅ その他の原因
➡ 熱中症、予防接種後の発熱、アレルギー反応 など
ほとんどの発熱は「ウイルス感染」によるもので、自然に回復することが多いです。
2. こんな場合は受診が必要!
「発熱=すぐ受診」ではありませんが、以下のような場合は受診をおすすめします。
★ 受診すべき発熱のサイン
✅ 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38℃以上の発熱
➡ 免疫が未発達なため、重症化のリスクが高い!すぐ受診を!
✅ ぐったりしている、反応が鈍い
➡ 呼びかけに反応しない、ぼーっとしている、動きが少ない場合は要注意。
✅ 水分が取れない、脱水の疑いがある
➡ おしっこの回数が減っている、唇が乾いている、泣いても涙が出ないなど。
✅ けいれんを起こした(熱性けいれん)
➡ 初めてのけいれん、または5分以上続く場合は救急受診を!
✅ 発熱が5日以上続いている
➡ ウイルス感染なら3〜4日で解熱することが多い。長引く場合は別の原因の可能性も。
✅ 強い頭痛・嘔吐・首の硬直がある
➡ 髄膜炎の可能性があるため、すぐに病院へ!
✅ 息苦しそう、ゼーゼーしている
➡ 肺炎や気管支炎の可能性。呼吸の様子がいつもと違うなら受診を。
✅ 手足が冷たく、顔色が悪い
➡ 血液の循環が悪くなっているサインかも。迷わず受診を!
★ 迷ったときは地域の小児救急電話相談を活用!
夜間や休日など、受診すべきか判断に迷うときは、各都道府県が実施している小児救急電話相談を利用できます。
多くの地域では「#8000」で相談できますが、実施状況や番号は地域によって異なる場合があります。
お住まいの自治体のウェブサイトや広報誌で、事前に確認しておくと安心です。
3. こんな場合は自宅で様子を見てもOK!
次のような場合は、病院に行かなくても自然に回復することが多いです。
✅ 発熱はあるが、元気で食欲もある
✅ 風邪症状(咳・鼻水)があり、明らかに風邪っぽい
✅ 熱が出たばかりで、それ以外の症状がない
✅ 解熱剤を使ったら元気になる
4. 発熱時のホームケア
✅ 水分補給をしっかり!
✅ 衣服は調整する
✅ 熱が高くても無理に解熱剤を使わない
✅ 冷やしすぎに注意!
✅ 食欲がなくても無理に食べさせない
5. まとめ
✔ 発熱は体の防御反応で、すべてのケースで受診が必要なわけではない!
✔ 受診が必要なのは「ぐったりしている」「水分が取れない」「3ヶ月未満の発熱」などのケース!
✔ 元気があり、水分が取れていれば自宅で様子を見てもOK!
✔ 発熱時の適切なホームケアが回復を助ける!
✔ 迷ったときは「#8000」など地域の小児救急電話相談を活用!(事前に地域の対応を確認!)
発熱が続くと心配になりますが、「必要なときに適切に受診する」ことが大切です。
正しい知識を持ち、落ち着いて対応していきましょう!
何か気になることがあれば、かかりつけの小児科医に相談してくださいね。