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6/23開催【ドコモベンチャーズピッチ】暮らし方の多様性が未来を変える~新しい場所、新しい家、新しい人と作るこれからの世界~
皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年6月23日(木)に行ったイベント、
【ドコモベンチャーズピッチ】暮らし方の多様性が未来を変える~新しい場所、新しい家、新しい人と作るこれからの世界~
についてレポートしていきたいと思います!
本イベントでは、暮らし方に関連する事業を展開し、新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ4社をお招きしピッチをしていただきました。
暮らしに関連するスタートアップに興味のある方
暮らし関連のビジネスに興味のある方
暮らし関連の投資先を探している投資家の方
新しい暮らし方とは何なのか興味がある方
移住や引越しなどライフステージの変化を検討している方
にぜひお読みいただきたい内容となっております!
以下、各スタートアップにピッチしていただいた内容をご紹介します!
■1社目:YADOKARI株式会社
1社目は、YADOKARI さわだいっせい様にご登壇いただきました!
<YADOKARI株式会社 代表取締役CEO/ Co-Founder さわだ いっせい様>
![](https://assets.st-note.com/img/1657714738860-kHDO5J7ZWg.png)
・YADOKARI社の事業内容
YADOKARI社は、「暮らしの美意識を体現し、新たなカルチャーを創造する」を会社のミッションに掲げ、2030年までに「リビングコストゼロを実現し、人類の幸福度を向上させる」ことを目標にしています。
2013年に創業して以降、様々なタイニーハウスの企画・販売を行ってきました。
タイニーハウスとは
タイニーハウスに明確な定義はありませんが、
YADOKARI社が運営するメディア「TINYHOUSE ORCHESTRA」では、以下のように定義しています。
”ざっくりと、「延床面積はおおむね20㎡以内で、本体価格は1000万以内(ローンは組まないまたは最小限の期間)、セルフビルドや移動ができること」。加えて、「大切なものと向き合うきっかけとなること」”
タイニーハウスには大きく分けて3つのタイプがあります。
1.基礎付きの「スモールハウス・マイクロハウス」
2.車で牽引できる「トレーラーハウス」
3.車を改造した「キャンパー」
それぞれ説明します。
1.スモールハウス・マイクロハウス
スモールハウス・マイクロハウスは、延床面積の平均が10〜15㎡ほどの小さな家です。基礎が付いているので移動することはできませんが、母屋と併設して書斎や子ども部屋として利用される、一番スタンダードなタイニーハウスです。
2.トレーラーハウス
トレーラーハウスは、車で牽引できる「移動する家」です。
一定の条件を満たしていれば不動産として扱われず、固定資産税がかからないのがトレーラーハウスならではの魅力です。
3.キャンパー
キャンパーは、車内を居住可能空間に改造した家のことです。
最もイメージしやすいものはキャンピングカーですが、バスやバンを改造して作られたものも、このキャンパーに含まれます。
YADOKARI社は上記の3タイプすべてを提供しており、
・300万円トイレシャワーキッチン付きトレーラー
・オフグリッド型タイニートレーラー
・DIYキット型小屋
・ホテル仕様タイニートレーラー
・500万トイレシャワーキッチン付きトレーラー
・多目的トレーラー
・キッチンカー
・滞在可能ヴィンテージバン
など多種多様な商品を取り扱っています。
商品ラインナップはこちらから
https://yadokari.company/products
YADOKARI社はこれらを利用し地方自治体や大手不動産デベロッパーと連携しながら、地方の遊休地や暫定地などでイベントを開催してきました。
タイニーハウスの販売へ
![](https://assets.st-note.com/img/1657714921295-Cv0KLYGmV5.png?width=1200)
これまで大手企業と連携し多くのイベントを企画・実績を残してきたものの、資金面や体制面から大型のイベント事業を長続きさせることはできませんでした。しかし2021年の資金調達により、 より安価な200万円台の移動式タイニーハウスの開発・販売に着手できるようになりました。
YADOKARI社は、将来的にIPOを目指しており、より安価な素材の研究開発や、生産規模の拡大により1台当たりの販売価格を200万円台から10万円台にまでコストダウンするのが目標だそうです。
(参考)2021年7月30日 事業拡大のため1.5億円の資金調達に成功
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000013358.html
新空間プラットフォーム事業
![](https://assets.st-note.com/img/1657714971965-NSp0g3rr49.png?width=1200)
さらに、YADOKARI社はタイニーハウスの開発販売に加えて、新空間プラットフォーム事業にも取り組んでいます。
「MOOUSE」と名づけられた同プロダクトは、以下の事業を展開しています。
・タイニーハウス/バンのレンタル
・タイニーハウス/バンの販売
・ライフスタイル/メディア情報発信
・マッチング
・ファイナンス
・オペレーター支援 まちづくり・不動産プロデュース
そして、専門的で圧倒的な、タイニーハウスのプラットフォーム構築を目指しています。一例として、YADOKARI社で運営している3つのウェブメディア(「YADOKARI.net」、「TinyHouse Orchestra」、「空き家ゲートウェイ」)の約150万人のアクティブユーザーをMOOUSEに集めて、マッチングプラットフォーム作りを進めています。
YADOKARI社は次々とワクワクする事業を展開されていますね。皆さんもぜひチェックしてみてください!
■2社目:株式会社CEspace(シーイースペース)
2社目は、CEspace 若泉 大輔様にご登壇いただきました!
<株式会社CEspace 代表取締役社長 若泉 大輔様>
![](https://assets.st-note.com/img/1657715055500-di5HVRh4XL.png)
・CEspace社の事業内容
CEspace社は、2019年に株式会社ウィルグループから分社化する形で設立されました。
「CEspace」という社名には、「コミュニティで人々の暮らしを豊かにする空間づくりをしたい」という思いが込められています。
具体的には、TECH領域向けの賃貸不動産事業をはじめ、ワーケーション事業や地方のDX支援などを展開しています。
深刻な人材不足が続くTECH領域
ITやDXなどが注目されるようになり、テクノロジーに関する広義な内容を含む「TECH」という言葉を耳にすることも増えました。最近ではフィンテックやクライメットテックなど、IT×他分野のクロステックが注目されています。
しかし、日本はTECH領域で深刻な人材不足が起こっています。背景には、理系人材の減少やIT業界の多重請負構造、外資企業と比較した際の低い報酬といった産業構造による課題が挙げられます。
日本政府は、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指し、「デジタル田園都市国家構想」を公表している他、「Society5.0」を掲げ、デジタル人材の量と質の両面での向上を目指しています。
「令和4年6月 デジタル田園都市国家構想基本方針について」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/index.html
「Society5.0」
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society) https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
TECH人材を増やすために
![](https://assets.st-note.com/img/1657715095913-208JCGjuy3.png?width=1200)
「IT推進人材の不足」という課題にアプローチし、最終的にはTECH領域のWell-Beingを高めるため、CEspace社は独自の「居・住・職」の概念のもと事業を展開しています。
居:コミュニテイ型賃貸住宅
CEspace社は、テックレジデンスというコミュニティ型賃貸住宅を国内で6棟管理しています。
入居者は、エンジニアなどのテック人材または彼らと親和性のある取組みをしている人に限定されており、
・6棟のテックレジデンス入居者全員とSlack連携
・国内43拠点のワーケーション施設が無料で使い放題(後述)
・各種テック勉強会/イベント案内
・地方DX支援などの副業紹介
などのサービスが受けられます。家賃を相場より少し高く設定しているため、本気の人が集まる良質なコミュニティを運営することができています。
また、シェアハウスやワンルームにしては広めの居住空間を提供している他、オシャレな共有スペース・テラススペースを完備した物件もあり、入居者にとっては快適な空間が用意されています。
入居者の多くは個人ですが、法人や、子育て中のファミリー層からも問い合わせが増えているそうです。
住:国内ワーケーション拠点
CEspace社は賃貸住宅だけでなく、テックレジベースというワーケーション拠点を展開しています。東急ホテルズなどの企業と連携し、北海道〜沖縄まで国内に43拠点(2022年6月時点)を運営しています。
ここは、CEspace社の賃貸住宅の入居者が使えるのはもちろん、外部の方でも利用できるため、個人利用や法人による福利厚生としての導入も進んでいます。利用会員同士をつなぐアプリにより、交流も進んでいます。
職:副業による地方DX支援
さらに、CEspace社は自治体や地方銀行と連携しテックレジデンス/テックレジベース会員にTECHアドバイザーとしての委託案件を紹介する、地方DX支援も行っています。会員は自らのスキルを地方のために活かすことができます。
実際に、CEspace社が連携協定を締結しDX支援をしている北九州市は、「日経自治体DXアワード」の大賞を受賞しました。
その結果、CEspace社が運営するコミュニティによる地方DX支援が政府や、地方自治体、金融機関などから注目を集めています。
テックレジデンス/テックレジベースを起点としたコミュニティが、地方のDXに貢献することで、CEspace社は、日本のTECH人材不足の解消に貢献しています。
■3社目:株式会社巻組
3社目は、巻組 渡邊 享子様にご登壇いただきました!
<株式会社巻組 代表取締役社長 渡邊 享子様>
![](https://assets.st-note.com/img/1657715464612-BVCwTmLXe6.png)
・巻組社の事業内容
![](https://assets.st-note.com/img/1657715535264-CsECjDLzkH.png?width=1200)
設立当初は合同会社だった巻組社は、大量生産大量消費型の住宅市場の在り方を変えることをミッションにに2021年に株式会社化しました。現在は、宮城県石巻市を拠点としながら
場所づくり
プラットフォームづくり
クリエイティブサービス
の3つの視点から全国で、資産価値の低い空き家の活用に取り組んでいます。
巻組社の主な事業は賃貸住宅の運営事業です。資産価値の低い物件を買い取り、建築的な知見を活かしてリノベーションした後、賃貸物件やゲストハウスとして運用しています。
さらに、入居者獲得を視野にいれ、Web3技術を生かしたオンラインコミュニティの運営を同時に行っています。
Z世代の新しいニーズにマッチ
巻組社は、資産価値が最低クラスの空き家を買い取り、運用しています。近年、Z世代を中心に狩猟や漁業を行いながら、クリエーターとしても活動するといった、型にはまらない暮らしをする人が増えています。
また、リモートワークやワーケーションなど多様な働き方を求めるZ世代も増えています。
つまり、巻組社が運用する賃貸物件は、Z世代を中心に、多拠点生活や移住といった新しい暮らし方を選択する人を中心に広がっています。
1日から入居可能な共創型シェアハウス:Roopt
巻組社は
オンライン内見で即日入居したい
フリーランスとして活動したい
ミニマルでシンプルな暮らしをしたい
といったニーズにこたえられる、1日から入居可能な共創型シェアハウスRooptも展開しています。
Rooptの特徴
Rooptは入居しやすく退去しやすいように4つの特徴があります。
即日入居可
入居手数料ゼロ
短期更新
違約金0
そのため、
・短期間で中途半端な期間でも賃貸可
・入居期間中でも違約金なし
・住まいに縛られない自由な暮らし方
といったRooptならではの気軽さでシェアハウス暮らしができるそうです。
なぜ空き家の活用に取り組むのか
渡邊様が空き家活用に取り組む背景には、東日本大震災で被害をうけた宮城県石巻市での経験が影響していると言います。震災により大きなダメージを受けた被災地は、町やインフラなどのハード面での復興は進みました。しかし、他の土地への移住を余儀なくされた住民は被災地には戻っていません。
このように、人口は戻らないのに、ハードでの復興は進み空き家だけが増えるという事実に対し、渡邊様は「大量消費大量生産の価値観をひっくり返したい。そのために自分たちで自主的に課題と向き合い、住宅づくりに関わる人たちを世界中に増やしたい」と考えているそうです。家という「資産」を自らの暮らしを創造するためのベース=「社会資本」として、無価値な空き家を生かしていく事業を、巻組社は展開していきます。
共創を世界へ、WEB3によるDAO型のシェアハウス
オンラインとオフラインのハイブリットによる、場所に縛られない幅広いコミュニティを作るために、巻組社はガイアックスと協力し、WEB3によるDAO型のシェアハウス作りへ着手しています。
第一号の「Roopt神楽坂 DAO」は学生起業家を対象としています。
日本初、DAO型シェアハウス「Roopt神楽坂 DAO」が始動!
■4社目:株式会社アドレス
4社目は、アドレス 佐別当 隆志(さべっとう たかし)様にご登壇いただきました!
<株式会社アドレス 代表取締役社長 佐別当 隆志様>
![](https://assets.st-note.com/img/1657715886835-xZYtcNvTxy.png)
アドレス社の事業内容
株式会社アドレスは、「いつもの場所がいくつもある、という生き方。」をミッションに掲げ、月額4万4000円でどこでも住み放題という多拠点プラットフォーム「ADDress」を運営しています。
2018年11月に創業し、2019年4月にサービスを開始。2022年7月現在はシリーズCラウンドの資金調達に向けて調整中です。
ADDressについて
![](https://assets.st-note.com/img/1657716127333-F8mKpGQc2e.png?width=1200)
「観光」ではなく「暮らし」がADDressを知るキーワードです。
ADDressは観光目的ではなく、暮らしを目的として地域に訪れる人をターゲットとしているため、シェアハウスも観光地ではなく、観光とかけ離れたかなりローカルな地域に展開しています。月額4万4000円という安さは、ADDressのシェアハウスが、観光地に比べて土地代が安い場所にあるため実現しています。
家守とは
ADDressでは、地域での暮らしを目的としたユーザーが「地域との交流」をもてるように、「家守」という制度を設けています。地域住民に家森(管理者)になってもらい、地域のハブ役を担ってもらうのです。
家守になった地域住民は、ADDressのサービスを利用できます。また、家守同士のつながりも自然発生的に生まれており、交流会や情報交換、困ったときに助け合える良好な関係が生まれています。
ADDressのユーザー
ADDressのユーザーの利用目的の8割から9割はワーケーションやリモートワークですが、他にも
第2のふるさと
週末別荘
将来の移住先探し
などの目的で利用するユーザーもいます。
また、ユーザー層の8割が20代から40代で構成されており、普段は都心部で生活している人が多いと言います。
ユーザー同士のコミュニティも
ADDressでは会員同士のコミュニティも活発です。会員同士の部活動もあり、休日は地方でそれぞれ活動するなど、多拠点生活ならではの生活を楽しんでいます。アドレス社が実施したアンケートによると、80%以上の会員が「ADDressで仲良くなった人がいる」と回答しました。
多拠点生活はトレンドに
多拠点生活のニーズはますます増えています。また大企業も柔軟な働き方に対応できるように制度を整えています。
【参考】NTT社の取組み
「リモートワークを基本とする新たな働き方の導入について」
政府も、骨太方針2022「経済財政運営と改革の基本方針2022 について」(p.18) の中で、関係人口の拡大と個性をいかした地域づくりの重要性を述べ、
・地方でテレワークを活用することによる「転職なき移住」
・多様な二地域居住・多拠点居住を促進する
と明記しています。
地方と都市のどちらか片方で生活するのではなく、地方と都市を気軽に移動できるような社会システムの構築が求められています。
地方の関係人口を増やし、地方創生を図る
ADDressはシェアハウスの運営をきっかけに、政府も推進する関係人口の増加を目指しています。そこで、「社会的インパクトレポート」という、独自のレポートを発行しています。インパクト投資としてADDress社に投資した株主もいます。
アドレス社は「全国創生」を掲げ、多拠点生活を通じて高齢化などの地方の課題と孤独感などの都市の課題を同時に解決することを目指して今後も積極的に事業を展開されるそうです。社会的にもとても意義のある活動ですね。
2022年6月30日には多様化する要望にこたえるため、新しい料金体系やサービスも開始されました。
まとめ
今回は、新しい暮らし方に関連する代表的な4社のお話をお聞きしました。
新しい暮らし方の実現は個人の幸福だけでなく、都市と地方の格差といった社会課題を解決する可能性も秘めています。
新しい暮らし方が「普通」になり、様々な課題が解決された世界が非常に楽しみですね!
今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!
引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!
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