3/1開催【スタートアップアカデミー】今すぐ実践できる!ビジネスがうまく行くオンラインプレゼンのコツ
皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は2022年3月1日に開催されたイベント
【スタートアップアカデミー】今すぐ実践できる!ビジネスがうまく行くオンラインプレゼンのコツ
についてレポートしていきます!
本イベントには、株式会社ビデオマッチングの代表取締役の満居優様をお招きし、オンラインでのプレゼンや商談のクオリティを高める方法に関するお話をしていただきました。
・対面ではなく、わざわざオンラインでプレゼンや商談を行うメリットはどのようなものか
・オンライン配信での印象を良くして商談相手や視聴者の満足度を高めるには、どのような手段をとることが望ましいか
といった観点に興味をお持ちの方に向けた内容となっております!
また本記事は
・オンラインピッチを控えているスタートアップの皆様
・オンラインで商談を行っている方
・オンラインMTGが苦手な方
・オンラインプレゼンのコツに興味がある方
にとって必見の内容です。
特にインターネットにはあまり掲載されていない情報や、オンラインでの商談の成約率を挙げる方法など、ここでしか知りえない内容が多くあります!ぜひ最後までお読みいただき、実際のビジネスに生かしていただければと思います!
<株式会社ビデオマッチング 代表取締役 満居 優 氏>
<プロフィール>
大学卒業後、株式会社電通に新卒入社。
メディア局や事業開発セクションにて、ローカルプロモーション、中小企業ビジネス、インバウンド事業のプロジェクトリーダーを歴任。
特に地方新聞社、官公庁、地方自治体とは共同プロジェクトを多数行っていたこともあり、地方創生事業や中小企業ビジネスなどについての知見が広い。
2018年に独立し、オンライン配信を専門とするビデオマッチングを創業。
官公庁や大手企業のオンラインイベントや、メディアと連携したライブ配信を主軸とする事業を展開中。
■「時間軸」をもったメディア
今回ご登壇していただいた満居様は、ビデオマッチング社を立ち上げるまですべての会議を対面で行っていたそうです。そこからオンライン配信を専門とする会社を起業するに至るまでには、どのような認識の変化があったのでしょうか。
オンラインが持つ強みと、その強みを最大限に発揮するためにどのようなことが必要になるのかを見ていきます。
そもそもオンライン配信とは、以下のような二つの特質を持ったメディアのことです。
①「時間軸」をもったメディア
②基本的に「守り」のメディア
まず①に注目すると、ここでいう時間軸とは、基本的に一方通行で巻き戻しも早送りもできないという、ライブ形式のオンライン配信が持つ特性のことを指しています。
この特性をよく理解した上で、その場にいる人をいかに離脱させないか、そして彼らの注意をどのようにひきつけるかということが求められています。
特に聞き手を離脱させないためのポイントとしては以下の4点が挙げられます。
・つかみ
・資料作り
・演出
・インタラクティブ性
・つかみ
まず「つかみ」についてですが、特にZoomのようなアプリケーションを使用してのオンラインのプレゼンでは、プレゼンタイトルから背景画像、さらにはアイコンの工夫までもがその対象になってきます。
例えばZoomのアイコンを、プロフィールや会社概要を確認できるQRコードにしておけば、プレゼン開始前から視聴者や相手に情報を伝えることが可能になります。
・資料作り
「資料作り」については、美しさよりも見やすさを重視して、受け手側が縦画面で視聴しても見やすいように文字の級数をやや大きめに設定することが大切です。
満居様の会社が実施したアンケートによれば、移動中にオンライン配信を見る方の約6割が縦画面で視聴を行っているそうです。そのため級数の大きさだけではなく、写真を用いてより視認性を高めることも大切です。
・演出
オンライン配信の場合、演出の仕方についても視聴者の状況を想定した工夫が求められています。
対面で実施されていないため、画面の向こうの視聴者が何か別のことをしながら視聴を続けていたり、また音だけで参加したりしている可能性があります。
そうした状況に対して、気を引くポイントを作り出す演出が効果的になってきます。
例えばスクショを撮るように促したり、「ここからが重要なポイントです」といったような言葉を挟むことによってメリハリをつけたりするといった演出です。
こうした演出によって、より効果的なオンラインでのプレゼン、説明、講演等が実現可能となります。
・インタラクティブ性
最後のポイントはこのインタラクティブ性です。
オンラインのメリットは、対面の場合に比べてどの参加者も発言や質問を容易に実施できることです。
その性質を生かすための具体的なポイントは、プレゼン中にも質問を受け付けたり、事前に質問をしてくれるように知り合いの参加者に頼んだり、受け取った質問に対して積極的なフィードバックを行ったりすることです。
そのようにして3つ程度質問が来ると、だんだんとプレゼンに弾みがついてきてほかの質問も集まるようになってきます。
また事前質問については、完成されすぎた質問を用意するのではなく、ある程度遊びを持たせたものにしておいて、ほかの参加者に胡散臭いという印象を与えないようにすることが求められます。
■基本的に「守り」のメディア
「守り」のメディアと評価をする理由は、失敗したくないというモチベーションが本質にあるためだと、満居様は指摘します。
しかしオンライン特有のトラブル・デメリットを極力回避することによって、全員が合格点のプレゼンを行うことができます。
そのために注意すべき点は以下の3つです。
・画映りとネット環境
・PDCAサイクルが容易に行える点
・手元や周りの環境が見えない点
・画映りとネット環境
プレゼンターの顔の映り方というのは視聴者の印象を大きく左右するものになるため、非常に重要です。
特に、一人のプレゼンターの顔が映り続けた状態でプレゼンを行う場合には特に重要です。
そしてその印象をよくするために使うのが顔を照らすライトです。
俗にいう女優ライトやデスクライトがあると有用で、色温度や明るさの調整が可能な商品がおすすめです。
また音響設備については、ネット配信業者でない限り市販のイヤフォンマイクイヤホンで問題ありません。
インターネット環境については、映像や音声が乱れることが基本的にない15〜20Mbps以上の回線速度が理想的です。
・PDCAサイクル
オンライン配信は対面でのプレゼンに比べて簡単にプレゼンを保存・アーカイブ化することができ、配信したまま映像を確認することも可能です。
そのため自己フィードバックに用いたり、さらには編集によってテロップなどを利用して、より見やすく再利用することができます。
また共有も簡単であるため、プレゼンのノウハウや雰囲気を別の社員に伝えるという教育目的にも利用が可能です。
・手元や周りの環境
話し手の手元や周りの会議が見えないことは、オンライン配信の大きなメリットであり、商談においては特に重要です。
オンライン配信ではこちらの顔周りの状況しか相手に伝わらないため、例えば商談中にわからないことがあっても、画面の位置を工夫すればそのままネットで検索することが可能です。
話しているようにみえてもその場で調べることができ、あらゆる質問について対応することができます。
また、プレゼンは時間も重要で、オンラインでのプレゼンの際は大きなタイマーを傍らに置いてピッチを設定することで、テンポよくプレゼンを行うことが可能となります。
また満居様は「影武者」という言葉を社内で用いているそうですが、商談の際には自分の周りにほかのスタッフ(=影武者)を2、3名用意しておくことで、何かあった際にカンペを出してもらったり、誤った発言を指摘してもらったりします。
これらによって商談中のミスを極力減らし、かつ円滑に進めることで商談の成功率やクライアントの満足度を高めることができます。
■配信業者が持つ「攻め」の部分
最後に、個人では限界があるオンライン配信の質の向上について、業者としてどのような付加価値をつけているのかを説明します。
具体的な観点は「解像度」「光」「音」「配信画」「通信環境」等です。
特に「攻め」のキーとなるのが音と配信画の観点です。
まず音については、個人でのプレゼンであればそこまで重視しないと説明しましたが、大規模なイベント時など、その状況にあったマイクを完備して、さらには音声担当を必ずつけてハウリングを防止したり音声の調整を行ったりするようにしています。
特に配信画については、見やすさや画面構成、理解度をUPさせるためのテロップ、スイッチング技術やカメラワーク等の工夫を行っています。
プロンプターと言われる、目線をずらさずに内容が確認できる機材を使用することもあります。細かい部分ですが、視聴者側に対話している感覚を生み出すことが可能になります。
■Q&Aセッション
Q1.相手が見えないオンラインでの配信において、相手側の理解度を知ることは困難であると思うが、理解度をどのように確認していけばよいか。
A.基本的に聞き手はテキストで質問を受けることになるため、質問をいただいた時は
「今の回答でご理解いただけましたでしょうか」
のように逆に質問を投げかけることで、相手にテキストで返してもらうようにします。
さらにこれはチャットを活発にする効果があり、プレゼン自体に勢いがあるような見せ方も可能になります。
Q2.ZoomでフルHDの配信を行うにはどのような手続きが必要か。
A.Zoom社に英語で問い合わせをする必要があります。
インターネットで検索すると詳しいやり方が確認できます。
Q3.プレゼンの中でライトに関する説明があったが、もう少し詳しくお聞きしたい。
A.業者として扱っているものには複雑な機能がついたものもありますが、基本的に光量が調整可能であれば問題ないと思います。
また個人の場合はそこまで白飛びを気にする必要はなく、明るすぎると感じる程度の明るさで大丈夫です。
プレゼンの前に一人でZoomにログインして画面映りを確認するとよいです。
Q4.数字だけをスライドに提示して疑問を提示するというプレゼンの手法があるが、これに類するようなテクニックはあるか。またそうしたテクニックについてどう思うか。
A.最近のプレゼンやプレゼンについて書かれた記事では、よくテクニックを重視した内容が記載されていることがあります。
しかしこうしたテクニックに走るのではなくオンラインであるからこそ守りを意識して、相手に不快に感じさせず、かつわかりやすいプレゼンを行うことが求められていると思います。
まとめると、回りくどいテクニックに走らず、先に結論からわかりやすく伝えるのがよいということです。
Q5.オンラインと対面がハイブリッドになったプレゼンを行うことがあるが、その際に参考にすべき資料のあり方と、逆にやってはいけないことがあれば教えていただきたい。上手な資料やダメな資料の例もあげてほしい。
A.上手な資料は好みが分かれるため、ダメな資料をなくしていくという考え方が良いかと思います。
オンラインに向かない資料は、文字が小さくて細かいと見づらいうえに情報量が多すぎるものです。
オンラインと対面を合わせたプレゼンでも、資料の情報はある程度までにとどめて、あとは口頭で説明をしていくのがよいでしょう。
Q6.一対一の商談で成約につながるポイントがあれば知りたい。
A.時間の中で相手の不明点にすべて答えられるのかが勝負になります。
質問に答えていく中で、相手の中に自分ができることのイメージを作り上げていくことが重要です。
その際に先ほどご説明した「影武者」を利用して、できるだけ時間のロスがないように努めるとよいです。
Q7.オンライン配信において、身振り手振りについて気をつけていることはあるか。
A.話し手側は大きなジェスチャーは不要であると考えています。
なぜなら話し手の画面よりも資料の方に注目していただきたいからです。
逆に聞き手側は、うなずく等のは思っているよりも大きめに反応をしないと相手に伝わらないことがあります。
聞き手のリアクションは話し手の満足度にもつながるので、オーバー気味にリアクションを行うよう意識をしています。
Q8.オンライン配信を行う際は、速く話した方がいいのか、逆に遅く話した方がいいのか。
A.速さについてはそこまで重要ではないと考えています。
むしろ滑舌を良くしたり、聞き取りやすくするための専用のマイクの購入をしたりすることが大切だと思います。
Q9.いくつかのイベントでのプレゼンで登壇者のスライドが切り替わらないという現象を見てきたが、それに対してはどのような対策が可能か。
A.メモリやCPUの稼働率を下げることが動作不良をなくすことにつながるため、配信時はほかのアプリケーションは起動しないでおくと安心です。
特にMessengerやSlackのようなメッセージアプリやChromeのタブはできるだけ閉じておくようにしましょう。
■まとめ
今回はこのご時世で特に役立つ、オンラインでのプレゼンや商談のクオリティを高める方法についてお話いただきました。
今までなんとなく自己流でオンライン配信を行ってきた方も多かったのではないでしょうか。つかみの部分やライトについては、次のプレゼンから導入しやすい上に印象を大きく変える部分だと思います。
また満居様のプレゼン資料は、会社がオンライン配信専門ということもあり、非常に見やすくて理解しやすいものでした。オンラインでは、話し手の画面よりも注目されるため、パソコンやスマホでも見やすい資料作りが重要なポイントだとわかりました。
今後もドコモ・ベンチャーズでは週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!
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