「coordimate」誕生秘話〜ダメダメ社員が粘りに粘った5年間の軌跡〜
docomo STARTUPより今年4月にスピンアウトした「coordimate」。
株式会社coordimate 代表取締役CEO 飯野健太郎氏より誕生秘話を語っていただきました。
飯野 健太郎
株式会社coordimate 代表取締役CEO
2011年 NTTドコモ入社。入社後、法人営業、M&A・PMI・出資先の経営管理、ドコモグループの教育事業の中核子会社での教養コンテンツの企画・制作・運用の責任者や中期戦略策定などに従事。
2019年より兼務で新規事業の立ち上げに着手。
4年間の挑戦を経て2022年7月にcoordimateを立ち上げ、2024年4月よりドコモの新規事業共創プログラム「docomo STARTUP」における「STARTUPコース」適用第一号案件群としてスピンアウトし現職。
「coordimate」誕生秘話
想像してみてください。
大企業から自分が立ち上げた事業をスピンアウトする人ってどんな人でしょうか。
私は、まさに大企業から自身が立ち上げた事業をスピンアウトした人ですが、、こんな人でした。
今回は、どんな人が、どんなことを考えて新規事業と出会い、スピンアウトするに至ったかについて語りたいと思います。
ダメダメだった新入社員時代
皆さんはどのような思いで日々働かれていますか?
社会へ貢献したい、大きな事業に携わりたい、で新たなサービスを生み出したい。
色々な思いがあると思いますが、私は「都会のカッコいいビルで働きたい」という理由でドコモへ入社し働き始めました。
しかし、入社当時は思う様に仕事ができず、自分って何をしてもダメなんだなと思っていました。
そんな日々に訪れた転機
Excelと格闘していた残業中に、当時の課長に休憩室へ呼ばれました。
缶コーヒーを奢ってもらい、まぁ座れと促されます。
どんなお話をしていただいていたのか、記憶にないのですが、突然課長から「飯野、なんで皿洗いが皿割るかわかるか?」と聞かれました。
それ以前にすでに何度か怒られていた私は「また怒られている」と思い「集中力がないやつだと思います」と答えると、
課長が「違う。一生懸命皿洗ってるやつが皿を割る。サボってるやつは皿なんか割らん。だから大丈夫。お前が一生懸命皿を洗ってるのはみんな見てるから。そのまま頑張れ。」と言ってくださいました。
社会人人生13年間で後にも先にも仕事中に泣いたのはあの時が最後です。「ただ、割る枚数は減らしてくれ笑」とお話をいただいた時に「このままではダメだ!本当に変わらなければ!!」と思ったことが大きな転機となりました。
新規事業との出会い
課長との、その一件以来、少しでも目の前の人に喜んでもらうことを目標に、目の前の仕事に取り組むようになりました。
では、目の前の人に喜んでもらうために何をすれば良いか。
「お客様は何のためにこのソリューションを使うのか?」
「上司は何のためにこの仕事を私に任せてくれたのか?」
自分が携わる業務の目的が不明確であれば、任せてくださったお客様や上司に何度も確認する、その作業を愚直にやり続けました。
その結果、私ははじめて仕事で「自由」を感じることができるようになったのです。
なぜなら、目的が定まればそれを達成するための手段や方法は、自由だからです!
それ以来、法人のお客様と共に、既存の枠組にとらわれない選択肢にチャレンジし、新たな事業を創り上げる機会が多くなりました。
そのうちに、会社ではなく個人でも事業を立ち上げたい気持ちがこみあげてきて、遂に行動を開始します。
地獄の始まり
そこから様々な事業アイディアを検討することになるのですが、想像を絶する長い闘いが待っていました。
1案目:草サッカーからプロを生むサービス
→ドコモの看板を使わず飯野健太郎個人として1年間様々な企業や個人へアプローチし提案。
ボコボコにされ続けた結果、市場規模として小さいという結論にいたり別案の検討を決意。
2案目:二人組で副業できるサービス
→ドコモ内の新規事業案をぶつけることができるプログラムに応募。メンターより「2人でやる意味ある?」と言われ撃沈、書類選考で落選。
3案目:情報銀行サービス×ファッション
→ドコモ内の社内ベンチャー制度に応募し30組の中からの6組に選ばれた。(事業案はズタボロだったが)本格的にファッションにおける課題を事業の本腰に据える。
4案目:アパレルブランドがブランド浸透度を図れるポップアップ事業
→事業計画上固定資産が重すぎてビジネスの収支が合わず断念。 二次審査1週間前にピボットを決意。
5案目:トップスタイリストがアドバイスをくれる×データを使ったレコメンドサービス
→社内ベンチャー制度で二次審査も条件つき合格となり、最終審査に進む3組に選ばれる。
ドコモの常務6名の前でプレゼンをしたが最終審査で不合格。
ただ、その際に常務の方々から「今は会社化するフェーズではないけど、案自体は面白いから事業検証を続けてみたら?」と言っていただき特例でドコモの事業共創プログラム「39works」に入ることに。
(39works加入に際してもプレゼンがあったが合格)
6案目:デート服に困っている男性が仮想デート相手に服装を相談できる「チア★ハンサム」
→ドコモ内で再度常務向けにプレゼンし、見事商用化決定。
検証を実施し、課題も見えてきたのでブラッシュアップを続ける。
7案目:ファッションを相談できるサービス『coordimate(コーディメイト)』(←イマココ)
→2022年7月にサービスローンチし、2024年4月1日にdocomoSTARTUPよりスピンアウト!
でも、自分で決められるのは楽しい
地獄のような日々の結果、この度coordimateをスピンアウトすることができました。一歩踏み出して新規事業に挑戦することは非常に辛く厳しい道のりでしたが、やってみて分かったこともあります。
それは、「やりたいこと」や「なりたい姿」は最初からなくても大丈夫ということです。
大事なのは、その業務で関係する一番近い人が、どうすれば少しでも楽になるのか、喜んでくれるのかを考えて動いてみること。
自分は今この業務を「何のために」しているのか、それを考え、目的達成のために動いてみる。
その瞬間、皆さんは「自由」になる一歩を踏み出しているはずです!
もし一歩踏み出すために、coordimateに携わってみたいという方がいれば大歓迎ですので、お気軽に飯野までご連絡ください。
docomo STARTUP運営者コメント
今回はdocomoSTARTUPの制度を利用してスピンアウトした「coordimate」のCEOである飯野さんに、「coordimate」誕生までに至る秘話を語っていただきました。
新規事業立ち上げって聞くと、なんだか難しそう、と一歩引いてしまう方も多いと思います。
そんな方々に、“全員優秀で、すごくて、最初からなりたい姿がある人ばかりではない“、“知らぬまに一歩踏み出していることもある“、そんなことが伝わればいいなと思います。
また、新規事業を検討し始めた当初から、事業内容が完成していることは極めて稀であり、飯野さんのように何度も失敗やピボットを繰り返しながら、事業を立ち上げていきます。
失敗は悪ではなく、失敗をすることが事業成功への道、ということも、多くのスタートアップへ挑戦する人たちへ伝わればいいなと思います。
docomo STARTUPについて
「docomo STARTUP」は、ドコモグループ社員のアイデアを事業化するためのプログラムです。不確実性の高い領域に対し、スタートアップで用いられる「リーン・スタートアップ」の手法をベースに、アイデアの検証を行い、事業化を目指します。
新規事業の成功確率は1000分の3(センミツ)と言われており、検証を進める中で事業化を断念・撤退することの方が多いですが、同時にチャレンジしなければ成功もあり得ません。
「docomo STARTUP」では、事業化にこだわりながら、チャレンジする人を最大限応援します。
3つのフェーズで構成される「docomo STARTUP」
「docomo STARTUP」は、新規事業のスキル・マインドを学ぶ「COLLEGE」、新規事業のアイデアを応募するコンテスト「CHALLENGE」、事業化の可能性が確認できた事業アイデアを育てていく「GROWTH」の3つで構成されます。
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