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ずっと一緒にいることで、大切になっていくのかなって

同棲していて感じたのは、一緒に過ごす時間を大切に積み重ねることで、相手がかけがえのない大切な存在へ近づいていくことだ。

もちろん好きな相手じゃないと、大切にしようと思えない。だけど、恋愛的な好意がそこまで多くないとしても「よい時間をいっしょに過ごそう」と思って真剣に向き合っていくと、激突することこそあれ、段々とお互いがどういう考え方や価値観、好みを持っているか見えてくる。

そうしていつか、プリンを見つけたときに「卵の味が濃い味のもの好きって言っていたから、買って帰ろうかな。喜んでくれるかな」とぼんやり思い出して買う予定のないプリンを買ったり、「自分は落ち込んでいる時は慰めてほしいけど、相手は嫌がっていたし、立ち直るのを信じてひとりで待とう」と思って敢えて空間を分けて過ごしたり、といったことをするようになった。

これは相手が誰であっても、話し合いができて生理的に無理でなく、相手も自分も同じくらい真摯に向き合って関係を紡いでいくならば、作っていける関係なのだろうなと感じた。

だから、同棲をやめるか悩んでいるときに、もし直近の結婚に拘るなら、自分と同じくらい結婚というものに重きを置いている人と出会い直す方が良い気がしていた。結婚という契約を通じて、お互いにお互いの居場所となり、何かに挑戦したり仕事を頑張って帰る場所を一緒に作り出せるのではないかと思ったからだ。

彼との同棲生活も楽しかった。でも、別の新しく大切にしたい人と出会いなおして関係を紡いでいくとしても、良い関係を紡げると思う。そして、同棲していた頃のことを「昔は別の男性と同棲したこともあったなぁ、若い頃の思い出だから美化されているんだろうけど、楽しかったなぁ」と完全に過去に置いていくのだろう。

「お互いがお互いの居場所となる」という価値観を共有できて、人として信頼できて、人生を半分こしても良いと思える相手ともし巡り合うことがあるならば。そして、相手と自分が「この人と一生一緒に過ごしたい」と思うタイミングが奇跡的に被ることがあるならば、結婚というライフイベントを体験することになるのだろう。

こうやって文章に認めると、同棲を通じて、人を大切にして愛することを教えてもらったのだなと思う。同棲しなくても相手を愛することや大切にすることはできたのだけど、私は同棲というタイミングで学ぶことになったようだ。巡り合わせは不思議だし、そういった人間的な成長がたまたま発生する良い同棲ができたことは、私の人生の中の幸運のひとつなのだろう。

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