2ヶ月
同棲を解消して2ヶ月が経過した。
別れる前にあれほど悩み苦しんだことが、遠い昔のように感じる。たとえて言うなら10代の頃を思い出すような感じで、もう戻ることはないけれど「楽しかったな」と思えることを、朧げな記憶の中から綺麗な部分だけすくいあげて思い出しているような感じがする。
新しい恋愛に向かっていこう、という気持ちもそこまでわいてこない。友達を作ったり、自分で自分を満たす趣味などを見つける活動が先決だという思いが強まっている。恋愛を通じて友達と恋人と家族と親と、さまざまな欲しかった人間関係を得ようとしてしまうことは、もう終わりにしたい。
恋愛を通じて本当に仲良くなったら、別れた後も仲良くすること自体はできる。しかし、どちらかに交際相手ができてしまったら、たとえお互いが良い友人と思っていても、新しいパートナーはあまり良い思いを抱かない場合があるだろう。そうなったら、縁がかなり薄くなり、場合によっては途切れてしまう。それはとても悲しい。
自分の内面を恋愛抜きで充実させようという目標があるから、のんびりしつつも夢中でわーっと駆け抜けて、かつて同棲していた頃を思い出して憐憫に浸る時間を減らせたのかもしれない。何もすることがなくて暇ができたら、きっと思い出して泣いていただろう。
同棲は昔に感じるものの、仕事で疲れている時や別れた彼と会ったあとは、たいてい家でひとり泣いている。結婚を気にして別れてみて、マッチングアプリやら飲み会やらへ行ってみて「彼のことがまだ好きなんだよなぁ」と気づいてしまったからだ。別れても仲良く会い続けているから喪失感はないはずなんだけど、あのとき結婚に囚われすぎなければ、一緒に暮らし続ける未来もあったのかなぁと思う。
とはいえ、あのまま暮らしたら行き詰まって、関係修復が困難な状態となり、自分を大切にできない精神状態となり悲壮感が増していたと思う。だから、同棲を辞めて本当に良かったと思う。彼を好きでいても、自分が常に泣いたり不安になっている状態は、やはり精神衛生上よろしくない。
結婚したくて別れたけど、現時点で他の人との結婚にさして興味がないことがだんだん確定事項になってきた。きっとまだ彼のことが好きなんだろう。もうそれでいいやと思った。しばらくは今の状態を楽しんで、別れた後も親密に繋がっている関係を持てている幸運に感謝して、自分を大切にできる範囲でこの関係の行く末をみつめていようと思う。
結婚や世間体、普通にとらわれすぎてどうかしていた。憑き物が落ちた。ずっと独身のままでいたいと思うかは謎だけど、しばらくひとりでいい。年齢を重ねるとちやほやされなくなるかもしれないけど、それでいい。
そんなことを思って、仕事したり人と知り合ったり本を読んだりして、楽しく暮らしている。ただ、今後は結婚が確約された状況以外での同棲はしなくていいや。楽しかったししてよかったと心から思うものの、もう疲れた。