見出し画像

おわりそう

同棲を終えて一度別れるという形を取ったものの、けっきょく距離感は変わらず、付き合い続けるような形に近い状態となった。てっきりこのまま進んでいくのだろうと思っていたけど自分に気になる人ができてしまったことで、終止符を打つタイミングが来たなぁと勝手に思っている。身勝手だなと思うんだけど、大好きな気持ちではなくちょっと好きくらいの気持ちに減衰してしまった。

友達や家族に近い距離感で居続けられたらいいなって思うけど、恋人枠はもうおしまいなのかなって思う。付き合いはじめの割と早い段階でトキメキは消えて、安心感や信頼ベースの関係へ移行していたこともあり、倦怠期みたいなもので悩むことはなかったから、彼と一緒にいてこういう悩みを持つのははじめてかも。

「付き合う」というスタイルを取ると「別れる」というタイミングを設定しなくてはいけないから、付き合わなくても仲良くするという形式でいることで永遠に一緒にいられるかもしれないと思っていた。だから同棲終了後は明確な口約束を交わさずに、お互いがお互いを大切にしているという信頼ベースの関係を続けてきた。

そうはいっても「付き合う」というスタイルを取らなくても、今みたいに少し距離をおきたい場合が訪れてしまうわけなので、これって「付き合っているけど別れたい」という話と少し似ていることじゃんって思う。むしろ曖昧さゆえになんて切り出せば良いのかわからない。既存の概念や型へ当てはめた関係のほうが何か起きた時の対応自体に悩まなくて済むなって思う、思考をサボっているだけなのだろうか。

身勝手ながらも、今後もたまに近況報告したりするような仲でいられたらいいなぁと思う。無理かもしれないから、もし今後の人生で彼が断絶されたとしたら、泣きながら前を向いて、彼がいなくても人生はいいもんだと言えるように行動するしかなくなるのだろう。こんなふうに失う怖さを抱くならば、いっそ本当の家族だったらよかったのにと思う。結婚したって何したって家族は縁が切れづらいから。・・・そうはいっても、かつては結婚するつもりで相手に真剣に向き合ったからこそ「家族だったらいいのに」と思えるくらい精神的に深いつながりを持つことができたわけなので、恋愛という枠組みでの関係様々だと思う。

友達が多い方でもないタイプだから、一人の人間と腹を決めてえいっと向き合うことで得た人間的な成長がたくさんあった。彼は人生の先生だったように思う。相手を愛すること、思いやること、安心すること。明るく生きること、自分を大切にすること。誰かに何かを与えたいと思えること、そんな自分って素敵だなと思えること。たくさんの人生の彩りを教えてもらった。だから一緒にい続けたいと思っていたし、なんだかんだいっても結婚するんだろうなぁと信じていた。

でも、あっさり「結婚するんだろうなぁ」の熱意の灯火がフッと消えた。彼も今は結婚するタイミングではないみたいだし、きっかけとして私の熱意が消えただけで、恋愛という関係性はそろそろ潮時だったのかもしれないな。

いいなと思ったら応援しよう!