DOC 活動報告⑧(終) 教会巡り
2022年度も早いもので,ラストイベントになってしまいました.
代表の好き勝手に付き合ってくれたメンバーのみなさんには感謝しかないです.
そんな最後の企画は教会巡りでした.
キリスト教にも宗派があり,その上設計者によってその空間の雰囲気が変わることを体感できたらすごく面白そうだなと思って企画を進めました.
スケジュール調整は,思った以上に難航したのですが日曜日の礼拝に合わせていくことにしました.
関係各所の皆さんのご協力を得て,どこの教会のみなさんも温かく迎え入れてくださりました.
目黒教会
アントニオ・レーモンド設計した目黒教会は,折板構造をもつ珍しい教会でした.目黒教会では,信者の皆さんに紛れて,ミサ(日曜礼拝)に参加させていただきました.歌を同じ空間で歌いながら,キリスト教の世界に触れる時間を過ごしました.
横から光が入ってきて,パイプオルガンの音色が響き渡る神秘的な空間で,建築は視角ではなく,全感覚を使って体感するんだなということを再発見しました.
東京ジャーミー
ジャーミーとは,トルコ語でモスクのことを指します.せっかくなので,イスラム教も見てまわることにしました.
大正時代にトルコ系民族が来日し,代々木上原にモスクを開いたことが始ま詩のようです.
イスラム教の世界を表したとされるカリグラフィーは,イスラム教の偶像崇拝の厳しさを表したものともいえます.ちょうど,12時のタイミングでお祈りをしている方が何名かいらっしゃいました.
ここには,ハラルフード対応のスーパーやレストランがあり,気軽にイスラム文化に触れることができます.
お昼ご飯は,近くのJICAの食堂にお邪魔して,みんなで食べました.
このJICA食堂では,リーズナブルな価格で世界の郷土料理を日替わりで食すことができ,この日のランチメニューにはキャベツとひき肉でできたロールキャベツに似たランチプレートをいただきました.
目白が丘教会
フランクロイド・ライトの弟子遠藤新設計のこの目白が丘教会は,神父さんのご厚意で中を見学させていただきました.簡単な施設の説明の後,教会の様々なところを見せてくださいました.
大梁の通称三枚おろしと言われるその空間は,以前DOCで訪れた自由学園明日館の講堂をほうふつとさせる鮮やかな作りです.
ライトの弟子らしく,石材には大谷石が使われているのも印象的です.
東京カテドラル大聖堂
目白が丘教会を後に,最終目的地東京カテドラルを目指します.
東京カテドラルは,丹下健三が設計した1964年に竣工したカトリック教会です.まるで白鳥が舞い降りたかのような形は,今なお色あせない革新的な造形を持っています.しかし,空からみるとその形は十字になっていて古来から続く教会の平面に近いという一面もあります.
シェル構造と呼ばれる双曲放物線でできた外壁は,コンクリートを打設して作られていて,中に入ると天井まで最大40mの高さを持つ柱のない大空間を実現しています.内部は残響が響き渡り,カテドラルがまるで一つの楽器のように感じるほどです.
晩年丹下健三は,この教会で葬儀が営まれ,彼はこの教会の地下に眠っています.
あっという間に時間が過ぎ,いよいよ終わりの時がやってきました.
江戸川橋の駅まで移動し,代表として1年間の感謝のあいさつをしてこれにて2022年度のDOCの活動は終了して,代替わりとなりました.
来年度以降もできる限りのサポートはしたいなと思っています.
今後もDOCの活動が続きますように!
2022年度代表 許山桂
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