ねこ来たる32
3月7日
かみさんが夕食を作っている。
サブリナ(黒猫)はそれをジーッと見ている。
時々「ウンニャー」と鳴いたりして自分のご飯を要求するが、それ以外は静かなものである。
それを見ていて思ったのだが
この猫は事件を起こさない。
実家で飼っていたときしか比較対象はないのだが、飼っていたやつは闘争心の塊のようなのしかいなかった。友人に突撃し、犬を殴り、人間の布団を占拠した。
ところがサブリナはどうだ。友人が来たら一度も姿を見せず、玄関のチャイムにおびえて逃げ回り、布団を占拠もせずそっと入ってくる。
…いい子じゃないか。闘争心のかけらもない。
ますます保護センターの人が言った「脱走癖」が疑問でしかない。
そんなサブリナだが、少しだけ闘争心というか荒ぶるというかそういうものを見せるときがある。
これは「けりぐるみ」なるもので、猫の遊び道具である。いただいたり買ったりしたものである。
上の鮭の切り身は友人T夫妻がくれた。特徴としては外食時やピザなんかを出前するときに何を注文するかで必ずもめる夫婦である。「大盛りにしてくれ少し俺も食べたいから」「なんでそんなことしなきゃいかんのよ」などとやいのやいのやっている。こっちとしては面白いから大いにもめてほしい。そんな彼らが家にきてくれたとき、案の定サブリナは姿を見せないので仕方なく連れてきてケージに入れたらガタガタ震え出した。お二人の名誉のために言っておくが、震えられるようなキャラではない。申し訳ない。鮭はしっかりと抱きついて遊んでくれる。
左の海老は友人T夫妻がくれた。ややこしいことにおなじ名字なので同じアルファベットである。それはどうでもいいのだが、なぜか海老に対してだけサブリナは急所に噛み付いて仕留めにかかる。何が気に入らないのかほかのけりぐるみとは態度が違う。
ちなみに実家で飼っていた猫に突進されたのはこちらの友人Tである。申し訳ない。