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心理的安定性についての考察

心理的安定性

この記事の概要:心理的安定性の起源から、それを達成するアプローチ、組織・従業員双方の努力、懐疑的な意見について述べ、最後に組織において「心理的安定性」を確立するための最初のステップとそれに対するサポートの提案をしています

心理的安定性とはどこから?

最近、「心理的安定性」という概念をよく目にしたり、耳にしたりします。これはGoogleがプロジェクトアリストテレスの見つけた「成功するチームを作る5つの鍵」の中で強調されているものとして一般的に認識されているものです。以前はGoogle re:Work https://rework.withgoogle.com/jp/ に詳細がアップされていましたが、現在は閉鎖されているようです。 しかし、様々なウエブサイトでこの「成功するチームの作り方」がアップされていました。まとめると、効果的なチームを支えるには「生産性向上の5つの柱」があり、それらは以下の通りです。

  1. 心理的安定性(Psychological Safety)

  2. 信頼性(Dependability)

  3. 構造と明確さ(Structure&Clarity)

  4. 仕事の意味(Meaning of Work)

  5. インパクト(Impact of Work) 出典:https://schoo.jp/biz/column/1490


心理的安定性を達成するアプローチ

この柱のトップに来る「心理的安定性」が注目を浴びているわけですが、どのようなアプローチを講じればこれを達成できるのでしょうか? それは従業員の幸福と生産性を高めるために様々な方法を採用することであり、一般的には以下のようなアプローチをとると言われています。

  • ワークライフバランスの促進: 組織は従業員に対して柔軟な労働時間を提供し、適切な休暇とオフタイムを確保する。

  • プロフェッショナル成長の機会: 組織は従業員に対してスキルの継続的な向上を奨励し、トレーニングやキャリアの成長機会を提供することで、個人の成長に寄与する。

  • サポートとフィードバック: 組織は従業員に対して適切なサポートとフィードバックを提供し、コミュニケーションを促進する。

  • チームワークと協力: 組織は協力とチームワークを重視し、従業員同士がお互いにサポートし合い、共同でプロジェクトを進める文化を推進する。

  • ストレス管理とメンタルヘルスのサポート: 組織は従業員のメンタルヘルスに関するリソースを提供し、ストレス管理プログラムを実施することで、過度なストレスや心理的な負担に対処できるようにする。

  • 目標の明確化と透明性: 組織は従業員に対して目標を明確に伝え、透明性を高める。自分の仕事が組織の目標にどのように貢献するかを理解できるようにする。

  • ダイバーシティとインクルージョン: 組織は多様性と包括性(認め合い)を尊重し、異なる意見や視点を尊重する。

つまり、心理的安全性の高いチームに属していると、「失敗をしても叱責されず、次に活かすアドバイスをもらえる」「アイデアを思いついたら、否定されることなく、積極的に提案できる」「仕事で困ったときは、メンバーに助けを求めることができる」「協力して、大きなプロジェクトを成功させることができる」「仕事とプライベートのバランスをとり、自分の時間を大切にすることができる」とお互いを信じているチームは、生産性が高いと言えます。

組織側と従業員側の努力

上記に記載したようなことが今日から実現できれば、願ったり叶ったりですが、やはり実現に向けて組織側と従業員側双方の努力が必要になります。具体的に言えば、「心理的安定性」という組織文化の醸成、すなわち経営層のコミットメントと、全従業員の理解と協力が不可欠です。心理的安定性の実現に向けて長期的な視点で取り組むことが重要になります。 これらの努力がうまくいけば、組織は健全で持続可能な労働環境を提供し、個人は成長と幸福感を追求できます。双方の努力や挑戦に対処し、共に前進することで、組織と従業員の共通の成功が実現されるでしょう。

懐疑的な意見

しかし、懐疑的な意見があることも否めません。心理的安定性を推進するアプローチに対して、まだまだ議論の余地があり組織全体で実施するには準備が出来ていないということも考えられます。以下に課題を記載します。

「実現の難しさ」 これらを実現することは容易ではなく、実施には複雑さとコストがかかり金銭的余裕がない場合がある

「成果の測定と評価」成功や努力の成果を測定する方法が確立していなく、ワークライフバランスやメンタルヘルスの向上などを数値化できない

「内製化の難しさ」これらの要素を自組織で展開するだけのリソース、スキル、知識が少ないため外部の力を必要とするが、コスト面で折り合わない

「長期的な視点」長期的な視点を持つことが難しく、即座の結果が期待できないため優先順位が下がる


実現に向けたBaby Step

 このように実現の複雑さや課題などをあげてみると、二の足を踏んでしまう組織があるのではないかとも思います。長期的な視点を持ち、持続可能な状態を作り出すためには「心理的安定性」を実現するための「投資」ができる環境を作り出す必要があります。まずは安定した組織運営があって成り立つ施策なのではないでしょうか?

 皆さんだったらどうしますか? 一つ提案があります。安定した組織運営を行うには、組織の運営経費を圧迫しているプロセスのムダ・ムラ・ムリ(頭文字を取ってダラリとも言います)を最小化することです。

 ムダについては、顧客に製品やサービスを届けるために必要とされない事やアクションを極力最小化します。 顧客視点の工程改善です。

 ムラは、製品やサービスのバラツキの最小化です。安定した製品やサービスの質を提供するための改善です。

 ムリは、他のステップとは違って負荷がかかっているステップの能力の向上を図り、プロセスの停滞と遅れを解消する改善です。まずは一つダラリを取り除くプロジェクトを立ち上げてみませんか?

 プロジェクトを立ち上げるために、ダラリが引き起こす事象とその事象が引き起こすインパクトを明文化することで賛同者を得ることができます。同じ価値観を持つ仲間を増やし、主体的に上司や組織に働きかけることでまずは第一歩を踏み出すことが出来るのではないでしょうか?

 今より少しでも良い職場環境の実現のための提案として記載しました。最後までお読みいただき感謝いたします。

さていかがだったでしょうか?

 今回は心理的安定性の考察から、達成のためのBaby Stepについて考えてみました。

私たち改善コンシェルジェでは、組織のダラリを極小化するために、組織の現状を分析し、問題の原因を特定した上で、今日から始められるアクションを明確化します。

 また、課題解決に向けた具体的な施策の立案や実行支援も行っております。

 ご相談いただければ幸いです。

 単なるコンサルテーションの提供にとどまらず、組織内にチェンジエージェントとなる人財の育成についてもお手伝いいたします。

Improvement Concierge
岩﨑一仁

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