うこん酒
家から1kmほど下った所にJAの農作物販売所があり、週に一度程度利用している。作り手が分かり、新鮮で安いので利用者が多い。よって午後、ましてや夕方行こうものなら涙が出そうになる。何故ならば、ほとんど残っていないからである。経験則からいうと10時までが勝負である。
昨日も夜はキムチ鍋にするというので白菜と大根を買いに行った。店内を一周していると、偶然にも「うこん」3袋を発見。実はこの「うこん」は義母が長年、愛用していた。今はその影響か妻も「春うこん」のフレーク状のものに湯を注いで飲んでいる。その都度しきりに勧められるだが、ノーサンキューで対応。
オイラの趣味の一つが果実酒作り。梅、ヨモギ、グミ、プラム、ビワ、青シソ、ドクダミ、キンカン、ユズ、カリン、干しシイタケ、タイム等。昨秋はドクダミの根まで漬け込んだ。そして今回、ウコンに呼び止められたみたいなんで挑戦することにした。手順は以下の通り。
(1)ウコンを洗ってザルで水切り、風乾。
(2)ウコンを包丁で薄く切る。
(3)薄切りしたウコンをガラス容器へ投入する。ガラス容器は事前にホワイトリカー(35度)で共洗いしておく。
(4)氷砂糖を好みに応じて加える。ウコンと同量か、もしくは少な目。
(5)ホワイトリカーを注ぐ。目安は、ウコンと氷砂糖が浸るように。
(6)容器に蓋をして冷暗所に保管する。半年もすれば出来上がり。
さて、ワインやウイスキー等のアルコール飲料は寝かしていた時間軸が長くなる程熟成が進み、円やかに味わい深く、美味くなってくる。この世界でも「時は金なり」のようである。今、スカスカの頭で想像している。長い時間軸の中でエチルアルコールと氷砂糖で抽出された水分やXやYと言った物質が相互作用して人々の味覚に心地よいクラスターを形成するんじゃなかろうか・・・と。実は鮮烈な体験が一つある。それは青シソが沢山出来たので処分に困り、ガロン瓶にシソの葉や茎まで丸ごと押し込み、ホワイトリカーと氷砂糖をヤケクソで入れて納戸に保管。2,3ヶ月後に試飲してみると舌を刺すようなとても飲める代物ではなかった。結果、その存在は完全に忘れられて月日は流れ、あれから20年。ダメもとで試飲してビックリ仰天。癖はあるものの実に円やかで飲んだ後に口に広がる爽快(クール)感は完全に想定外だった。これこそ、時間が作り出した味だと思い至った。オイラの果実酒作りが趣味化したきっかけである。