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人生を切り開く壮大な実験―ドラマ「宙わたる教室」

2024.12.10(火)
大好きなドラマ「宙わたる教室」が最終回を迎えました。
全10話、すべての話が本当に素晴らしくて毎回号泣。
ラストも優しい世界に溢れ、こんなにも心揺さぶられるドラマは初めてでした。


そして今

ロスがすごい。

これから何を楽しみに過ごして良いのかわかりません。

この思いをどこにぶつけたら良いのか分からなかったので、とりあえず宙わたる教室への愛をnoteに語っていきたいと思います。

私自身の備忘録として。
そしてこのドラマにこんなにも感動し背中を押され、人生が変わった人がいるよということを伝えるために。


宙わたる教室とは

 東京・新宿にある定時制高校。そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。負のスパイラルから抜け出せない不良の柳田岳人(小林虎之介)。授業についていくことを諦めかけた、フィリピン人の母と日本人の父を持つ越川アンジェラ(ガウ)。起立性調節障害を抱え、保健室登校を続ける名取佳純(伊東蒼)。青年時代、高校に通えず働くしかなかった長嶺省造(イッセー尾形)。年齢もバックグラウンドもバラバラな彼らの元に、謎めいた理科教師の藤竹(窪田正孝)が赴任してくる。藤竹の導きにより、彼らは教室に「火星のクレーター」を再現する実験で学会発表を目指すが、自身が抱える障害、家庭内の問題、断ち切れない人間関係など様々な困難が立ちはだかり・・・

NHK「宙わたる教室」公式HPより

宙わたる教室の魅力とは

宙わたる教室はなぜこんなにも魅力的なのか。
感動するストーリーはもちろん、今の私にピッタリとハマったポイントを力説させてください。

1.藤竹先生の距離感

「教師にできるのは場所を用意して待つ、ただそれだけです」
この言葉の通り、藤竹先生は待ちます。
誘うことはするけどそこに強引さはなく、待ちます。
そして科学部のドアを叩いてくれた生徒を優しく受け入れる。
ミステリアスで生徒に対しても常に敬語。熱血感はないけれど、生徒をひとりひとりをよく観察し絶妙なタイミングで寄り添います。
この距離感こそが年齢も境遇もさまざまな定時制高校の生徒に響くのかもしれません。
そして実験が成功して無邪気に喜んでいる生徒を見守る優しい眼差し。

最高です。

今思えば、生徒と一緒に藤竹先生自身も純粋な気持ちで科学を楽しんでいたのでしょうね。

また、これはあくまでも個人的な嗜好ですが…藤竹先生の服装が好きです。細身の窪田正孝さんが着こなす一番上までボタンを閉めた大きめな青シャツ(学生時代の白シャツも)とシンプルなパンツ。

か、かっこいいいい。

更に眼鏡。眼鏡をあげたときに「カチャッ」って小さな音がなるのがスタッフの方々も芸が細かいな笑 と思って観ていました。


2.個性豊かな4人の科学部員

ディスレクシアという学習障害を抱えながらも、聡明で好きな事にはとことん突き進む柳田くん、明るい性格と優しさで周りの人々の大気を安定させるアンジェラさん、臆病だけど想像力豊かな架純ちゃん、町工場を経営した経験を活かし、実験の幅を広げてくれた長嶺さん。
科学とは無縁だった4人がそれぞれの得意分野を最大限活かし、アイデアを出し合いながら目標に向かって突き進む。
そこで起きる4人の化学反応が見ていて本当にワクワクするんです!
その中でも長嶺さんは、機械の構図を一瞬にして頭の中で想像し絵を描き上げる。中学卒業後、悔しい思いをしながら金の卵として一生懸命働いてきた長嶺さんだからこそできる技だと思いました。

3.科学(天文学)を題材とした物語

私は数年前から研究関係の仕事をしています。
それまで科学にはまったく縁がなく、興味もなかったのになぜか求人情報に惹かれ、今では私の中で「科学」はとても身近なものになりました。
このドラマでは理科の授業や科学部の活動を通し、空が青い理由や火星の夕焼け、オポチュニティなどさまざまな科学(天文学)に触れることが出来ます。
「空はなぜ青いのか」なんて考えたこともなかったのに、ドラマを観たあともっと詳しく知りたくて自分で調べてしまいました。
知らないことを学ぶって楽しいですね。

4.定時制高校という場所

学園もののドラマと言えば3年B組金八先生やごくせん、GTOなどがありますが、何しろ生徒が若い。
それはそうです、一般的な学校と言えば大体13歳~18歳くらいまでの子達が生徒ですから。
ですがアラフォーの私としてはもう10代の感情に共感ができません。
しかしこの「宙わたる教室」の舞台は定時制高校。様々な年代の人が通う生徒の中で、私はアンジェラさんに自分を重ねる部分が多くありました。
子育てが終わりに近づき自分の人生にフォーカスしたとき、まだ自分の人生を諦めたくないと思い始める。
学校に通えなかった過去を取り戻し、勉強はもちろん科学部という仲間を得て生き生きと高校生活を楽しむアンジェラさんを応援したくなりました。

さらに年を重ねると今度は長嶺さん、または長嶺さんの奥さんに共感するのかな。

5.キラキラな恋愛要素がほぼ無い

恋愛が絡むことでドキドキ感が増すドラマもあるけれど、宙わたる教室では科学部の事をもっと見ていたい、藤竹先生の過去がもっと知りたい!という思いのほうが強かったです。
そのためこのドラマの恋愛要素といえば、コンピューター部の丹羽くんって架純ちゃんに片思いしてるのかも♡くらいなボリュームなので、二人のやり取りをニヤニヤしながら安心して観ることができました。

宇宙わたる教室が教えてくれたこと

このドラマを観て学んだこと、本当にたくさんあります。
特に藤竹先生が発する言葉には希望があり、私たちに無限の可能性があることを教えてくれます。


1.「天体の衝突は、時にさまざまな生物の絶滅の原因となる。しかし同時に、新しい別の何かの始まりでもある」

藤竹先生のありがたきお言葉です。
その昔、隕石が地球に衝突し恐竜が絶滅しながらも新たな生命が生まれました。
この事を人生に置き換えて考えたとき、とても希望が持てる言葉だと思いました。
人との衝突や別れも、また新しい何かが始まるきっかけになる。
毎日生きていて落ち込むことがあっても、この言葉のおかげで希望を失わずに前に進んでいける気がします。

2.「どんな人でもその気にさえなれば必ず何かを生み出せる」

こちらも藤竹先生の言葉です。
人ってある程度人生経験を積んでいくと、自分に出来ることと出来ないことがわかってしまう。
やりたいか、ではなくて出来るか出来ないかでいろいろと選別してしまっている気がします。
でも「その気になる」には「好きなこと」というのが大前提にあると思います。
ワクワクするする事、時間を忘れて没頭できるもの。
私も今副業として細々とライターの仕事をさせていただいてますが、せっかく楽しいと感じるものだからもっと積極的に活動の幅を広げていこうと思います。

3.「とにかく手を動かす事」

この言葉も藤竹先生の言葉ではありますが、元々は藤竹先生の恩師である伊之瀬先生のお言葉です。
頭で考えてばかりいないで、手を動かしてみる。そうするとどこかで理解する瞬間があり、新たな発見もある。
科学の分野ではトライ&エラーを繰り返す作業が多くあります。
何度も何度も試行錯誤を繰り返し、微調整を繰り返しながら目標に向かって進んでいく。
人生の中でも、もうどうしたら良いか分からなくなったときこそ手を動かすことを忘れないでいたいですね。
それが何かに挑戦し続けるという事だから。

エンディングも見逃せない

あぁ、もう終わってしまった…
早く続きが見たい。1週間が長い。
そんな事をエンディングが流れる度に思ってました。
しかしこのエンディングもまた最高なんです。

1.一歩踏み出す勇気をくれるエンディング曲

このドラマのエンディング曲はLittle Green Monsterさんの「Break out of your bubble」という曲です。
この曲が本当に素晴らしい!!
歌詞もドラマにピッタリ、メロディーも歌声もありのままの姿で未来に向かって進んでいく力強さを感じます。
エンディングぎ流れるとき、話によって1番とラストのサビが使い分けられているところも注目です♪

2.実験内容の映像にも注目

エンディングに流れる映像には、プリズム実験(柳田くん)→お味噌汁の積乱雲(アンジェラさん)→火星の夕焼け(架純ちゃん)→衝突実験(長嶺さん)→重力可変装置がシルエットのような画で流れています。
最初はそのシルエット画の意味がわりませんでしだか、話が進むにつれて「科学部4人が科学に興味を持つきっかけとなった実験だ」と理解しました。
科学部の集大成となる重力可変装置も堂々たる姿で登場しますので、ぜひチェックしてみてください。

最後に

原作者の伊与原さんをはじめ、このドラマに関わってくれたスタッフやキャストの皆さん、本当にありがとうございます。
このドラマが制作された時代に生きていて良かった。
全話DVDに焼いて保存します。もちろんBlu-rayが発売されたら絶対に購入します。

そしてドラマを全て見終わった今、原作を読み始めました。
ドラマにハマりだした頃に購入し(窪田さんが写ってるドラマ版の帯付き)最終回を見終わってから読もうと決めてました。

最終回から1週間が経った今も、宙わたる教室の余韻に浸っています。
公式HPから動画が削除されてしまって悲しいけど、まだまだ余韻に浸ります。

いつかまた藤竹先生と科学部のみんなと会えますように。


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