クセ強リーダーのモテ期と悲哀
どーも、中小企業診断士の「どばしんだんし」です。
NHK Eテレ「先人たちの底力 知恵泉」にて面白そうな内容を放送していたので見てみました。
「ブレない思いは諸刃(もろは)の剣 後醍醐天皇」
楠木正成、足利尊氏…多岐にわたる人材を取り込み鎌倉幕府を打倒、建武の新政に着手した後醍醐天皇。しかし、同志との歯車は合わず、天皇親政はわずか3年で崩壊する。一体、何が原因だったのか?その挫折からリーダーとしての弱点を炙(あぶ)り出し、後世に与えた影響まで探る。
<公式サイトより引用>
上記のように今回の放送では後醍醐天皇を取り上げていたのですが、簡単に説明しますと
鎌倉幕府を倒して建武新政を実施したものの、足利尊氏との戦いに敗れたため大和吉野へ入り南朝政権(吉野朝廷)を樹立した人物
です。
詳細を知りたい方は以下をお読み下さい。↓↓↓
後醍醐天皇は
良く言えば「信念や理想に向かって邁進する」
悪く言えば「融通が効かない」
人物として描かれていました。
良くも悪くもクセ強(つよ)リーダーです!!
クセ強リーダーのモテ期
クセ強リーダー後醍醐天皇の1番のモテ期(周囲からもてはやされた時期)は鎌倉幕府討幕の際ですが、
なぜモテたかというと社会に鎌倉幕府への不満が溜まっていたからです。
天皇や公家から鎌倉幕府に政権が移り100年以上経ち、様々な綻びが社会の不満となって溜まっていたところに
後醍醐天皇という強烈なリーダーが現れたおかげで幕府から天皇や公家に政権を取り戻すことに成功します(建武新政)
クセの強さは
社会に不満や閉塞感が充満している状況では
「何かやっちゃれくれる感」
というポジティブな見方をされることが往々にしてありますが、
まさしく後醍醐天皇は今の社会情勢や閉塞感を打破してくれる、何かやっちゃってくれる期待感からモテ期を迎えたわけです。
学園ドラマで真面目なマドンナが不良を好きになるのと似ていますかね!?
違うかっ笑笑
クセ強リーダーの悲哀
念願が叶い政権を取り戻した後醍醐天皇は早速様々な改革を実行しますが、結論から言うとわずか3年ほどで改革は失敗に終わります。
期待されたクセ強リーダーが思う様な結果が残せない理由は悲しいかなそのクセのせいであって、
今回の放送で取り上げられていたクセ強リーダーの悲哀を3つご紹介したいと思います。
その3つとは
①現場を知らない
②人の意見に耳を貸さない
③自分を客観視できない
です。
それぞれ解説していきます。
悲哀①現場を知らない
自分の権威を示すためか、所領問題を一気に解決するためか、
建武新政において後醍醐天皇はこれまでの所領権を白紙に戻して分配し直すという力技を断行しましたが、
もちろんこれまでの土地の所有者からは不満爆発、
さらに事務処理が追いつかず現場も混乱💦
理想が高いことは悪いことではないのですが、現場や現状を知らないまま突き進んでも周囲やそれを実行する人たちが苦労し途中で失敗してしまうことはよくあります。
大手のコンサルファームで働いたり、大学院でMBAを学んだ後継者が意気揚々と知識や経験を活かそうと思って会社に返ってきてもうまくいかないって中小企業が意外と多くて、その1番の理由はやっぱり理想だけでは現場は動かないってところにあると思います。
そう言えば◯オツカ家具も娘さんはコンサル出身でしたね!!
悲哀②人の意見に耳を貸さない
忠臣楠木正成の活躍で一度は足利尊氏を退けることに成功した後醍醐天皇でしたが、正成はこの期に尊氏との和睦を諫言します。
と言うのも後醍醐天皇を見限り、京都から九州へ敗走する尊氏に同調するものが後をたたなかったからです。
それを現場で見ていた正成はこれ以上戦いが続けば天皇側が不利になると悟っての諫言だったのですが、理想を曲げられな後醍醐天皇は聞く耳を持ちません。
どんなに部下が優秀で正しい意見を進言しても、結局はトップがそれを受け入れる度量があるかどうかです。
結果、正成は負けると分かっている戦いに挑み自刃に追い込まれ、後醍醐天皇も尊氏らにより排斥されてしまいます。
事業再生の現場においても再生に苦しむ経営者は変化を嫌う傾向があるように思います。
いろんな専門家の意見を聞きはすれど実行に移すことは無いと言うアドバイスマニアな経営者が事業再生の現場には結構いらっしゃって、アドバイス欲しがる割にその後の経過を聞いても何も変わってないってこと多いんですよね〜
自分自身のアドバイスが100%正しいだなんて思ってもいませんし、アドバイスを受け入れるどうかの責任は最終的に経営者が追うわけですからしょうがないことなんですが、
何かを試して変化が生まれない限り良い悪いの評価もできないんです。
話を戻しますと、後醍醐天皇のようにどんなに高尚な理想を持っていたとしてもそれに縛られて人の意見に耳をかせなければその組織がいずれうまくいかなくなることは歴史が何度も証明してくれています。
悲哀③自分を客観視できない
歴史の教科書でも良く見かける後醍醐天皇の肖像画ですが、今回の放送を見たところ、自分を神だという権威づけを存分に施した肖像画だそうです。
現代的でもプロフィールや写真かなりモッてる人いますよね!!
そのはしりが後醍醐天皇なのかもしれません笑笑
理想や意識の高さは時に自分自身の置かれている状況や周囲の評価をねじ曲げて自分の都合の良いように解釈させてしまう効果がある様です。
更に「悲哀②人の意見に耳を貸さない」の様に自分にとって意にそぐわない内容は排除してしまいがちで結局イエスマンしか周りに居なくなり
自分を客観視することができないのがクセ強リーダーの特徴です。
この手のタイプは「豚もおだてりゃなんとやら」ではありませんが
お世辞を本気にしてしまい自分の実力以上のことを行おうとする傾向が強いです。
実際に周囲に乗せられて過大な投資をしたり、本業そっちのけで業界団体の仕事などに勤しむ経営者をたまに?結構な数見かけますが、身の丈に合っていないことまで無理をするのは自分を客観視できていない証しだと思います。
当然自分のキャパを超えているわけですから長続きせず最終的には周囲にも自分にも悪影響が出てしまいます。
近くにゆりやんレトリィバァのような
「調子乗っちゃって♫」
って言ってくれる人がいれば良いんですけどね笑
まとめ
皆様の周りでも
・理想ばっかり高くて現場のことをわかっていない
・自分の理想は大きく語るくせに反対意見に耳を貸さない
・勢いで身の丈に合っていないことをやってる
こんなクセ強めな方はいませんでしょうか??
一見「何かやってくれそう」、「現状を打破してくれそう」
な風に見えなくも無いです。
確かにこれまでの常識に囚われないと言う意味では
クセ強リーダーは良いのかもかもしれません。
ですが「壊す」と「創る」は全く別物であって
「壊す」だけであればそれほど難しくはないのですが
本当に重要なことは壊した後にいかに創り直すことが出来るかです。
と言うことは
後醍醐天皇の良い面を踏襲しつつも反面教師として参考にすると
理想を持ちながらも
・現場や現状を理解している
・人の意見に耳を傾けることができる
・自分を客観視できる
という点が理想的なリーダー像と言えるのではないでしょうか!!
最後に
今回は「知恵泉」の後醍醐天皇を扱った放送を見たことで
クセの強いリーダーのモテ期や悲哀、
そしてその反面教師として
理想的なリーダー像の条件について書かせて頂きました。
自分で書いていてこんな理想的なリーダーは何処へ行けば会えるのだろうと思いましたが、おそらくそこへ行けば会うことが叶うと思います。
『ガンダ〜ラ〜、ガンダ〜ラ〜♫』
本日はゴダイゴ特集でした!!
最後までお読み頂きありがとうございます。(了)